ライト層目線!Mリーグ2021ダイジェスト#6【11月第2週】
Day21 みかん太
11月8日 第1試合
風林火山から松ヶ瀬隆弥。前節は堀・本田のデッドヒートの影で3着。雷電から前戦でトルネードを決めてトップをとった瀬戸熊直樹、ABEMASはここ3戦連対中の多井隆晴。パイレーツは連対率100%の瑞原明奈を起用。
この試合は、瑞原プロが快勝した。
南2局、白・赤の1000-2000を上がって微差トップに立った局がターニングポイント。
この局、瑞原プロは白を鳴いてカン4mでテンパイ。一方、松ヶ瀬プロも3・6・9p待ちで聴牌するが、4mを掴んでしまい聴牌を崩す7p切りで撤退。この7p切りを見て瑞原プロは松ヶ瀬プロの聴牌崩しを察し、1pを暗カン。残り山1の4mツモに辿りついた。
瑞原プロは4連続2着から5試合目で初のトップ。今シーズン全試合連対を続けているが、瑞原プロが今季のパイレーツを引っ張ることを誰が予想できただろうか?
この南2局。松ヶ瀬プロが4mを止めたのもすごかったが、瀬戸熊プロが松ヶ瀬プロ当たり牌の3・6pを序盤にもかかわらず止めていたのも実はすごかった。瀬戸熊プロはオーラスの上がりで裏がのればトップだったが、のらずで微差2着。しかし、瀬戸熊プロのナイスゲームでもあった。
多井プロは接戦を落として、今季初の4着となった。
11月8日 第2試合
ABEMASからは前戦瀬戸熊プロに捲られ3連続2着の松本吉弘、パイレーツから瑞原プロトップのバトンを受けるのは小林剛、風林火山からはここ5戦で3勝、4連対、4着ナシという強さを見せる勝又健志、雷電からはここ3戦で4着2回、3着1回という不調モードに入った萩原聖人の登板となった。
試合は、勝又プロがオーラスで裏ドラのせて6000オールを決めて、トップ目の松本プロを捲っての勝利。勝又プロはこれで6戦4トップ、2着1回、3着1回。強すぎる。
勝又プロは今季3回目となるオーラスでの松本プロ逆転。めくられる裏ドラを見る松本プロの表情が曇っていくの分かった。これはつらい。
この試合小林プロ。試合開始早々、ダマ聴12000点、2000オール、リーチ12000点と松本プロに3連続被弾し、東2局の段階で一気に箱下に沈んだ。
だが、驚くことに小林プロの表情に動揺の様子がない。
表情が・・同じ。ロボ?
反撃はすぐに開始された。東2局3本場。2000-4000。次いで東3局でリーチ・ツモ・平和・赤・赤・裏・裏の6000オールを上がり、2局で2着目まで浮上してしまう。
この冷徹さと強さ。月並みだが、スゴイ。
萩原プロは東1局の勝又プロとのめくり合いで敗れた後、東3局で愚形かつ薄いカン8sを嫌ってリーチにいかなかったところ、小林プロの先制リーチを受け聴牌から遠ざかってしまう。聴牌崩した後にさきほどのカン8sを自模るなど、チグハグな展開。試合も箱を割って4着となった。
Day22 まつかよさん
11月9日 第1試合
サクラナイツから10月26日以来の登板となる岡田紗佳、フェニックスは現在2連続4着中と低迷する東城りお、格闘倶楽部は2勝目を目指す高宮まり、
ドリブンズは、4連続箱ラス中の村上淳が登板。そして、ついにこの試合で村上プロがトンネルを抜けた。
東2局で恵まれない配牌から小三元を作って3000・6000を上がり、南場も加点を続けて押し切った。
村上プロの勝利者インタビューは泣けた。
いつも通り陽気な村上プロの受け答えであったが、松かよさんが連敗中の帰り道での2人のエピソード触れた際、思わず涙する村上プロ。元気を装っていてもそれは深い闇の中にずっと居たことを感じざるを得ない。思うに、そうとう多くの視聴者も泣いたと思う。
並のインタビュアーでは選手の奥深い部分を引き出せない。さすが松かよさんだった。
11月9日 第2試合
サクラナイツはここ3戦3連対、1トップと復調をみせる堀慎吾、フェニックスは今季3勝目を目指す魚谷侑未、格闘倶楽部はタキヒサコンビで2連勝の滝沢和典、そして前節に今季初トップを獲得したドリブンズ園田賢が登板。
試合は、ドリブンズ園田プロでトップを獲り、チーム4連勝となった。
園田プロはリーチしている堀プロの当たり牌のペン3sを手中に入れてイーシャンテンの形を変えてから聴牌し、堀プロを出し抜いて上がるという「これぞプロ」という上がりを見せた。
ドリブンズは4連続4着後にトップを取って、また4着。その後4連続トップという派手な戦いぶりとなった。
Day23 込められた魂
11月11日 第1試合
チームポイントを減らしている雷電は本田朋広を起用、サクラナイツは今季4戦で連対が1と調子を落としている内川幸太郎、フェニックスは2連続4着中の近藤誠一、風林火山は今季6戦4勝、5連対、4着なしの勝又健志が登板した。
そして、勝又プロがトップを獲得する。
南1局の親番。闇テンで親マンの12000点を2着目の近藤プロから直撃して試合を決めた。これで個人4連勝。開催10日目迄出番がなかった男が超ハイペースで勝利を積み重ねている。
しかし、この試合は2着の近藤プロが惜しかった。親の自模り四暗刻を聴牌したのだ。しかも5巡目でのテンパイで山に3枚も残っていた。
これは役満が出る
と誰もが思った。
しかし流局してしまう。
なぜ?
インタビューで近藤プロは清々しく「3枚も居ましたか。まぁ、仕方ないですね」と紳士。これは、静岡のりんごちゃん(現在3歳)も応援したくなるというものだ。
11月11日 第2試合
ここ8戦で4着5回、3着2回、トップなしという厳しい状況のフェニックスはエース魚谷侑未。サクラナイツは今季2勝をあげ、チームを堀プロと引っ張る沢崎誠。風林火山は今季4試合で3連対1勝と好調の二階堂亜樹、1試合目でもポイントを減らした雷電は、再度本田朋広に試合を託す。
試合は沢崎プロが独壇場で場を進め、トップを獲得した。
東4局親番ではダブルリーチ・平和・赤・ドラ、12000点を亜樹プロに直撃。
これは厳しすぎる。
いったん牌を叩きつけてからの声高らかな「リーチ」の発声をこの日何度聞いただろうか。いや、聞かされただろうか?
その沢崎プロに引き込まれるかのように打ち込んでしまったのが魚谷プロ。箱ラスこそ免れたが-53.6ptの大きなマイナスとなってしまい、チームは雷電に抜かれ8位に転落した。
しかし、なぜか私はこの局で最も魚谷プロに引き込まれた。
南2局で箱ラス付近まで近づいていた苦しい魚谷プロに、本田プロが山4のリーチをかける。一方、魚谷プロも、ここで聴牌。愚形のペン3sで苦しいが追っかけリーチをかけた。これは山2しかなかった。
しかし、なんと魚谷プロ静かに3sを一発で自模る。
2着が見えてきた南3局。魚谷プロは満貫が見える萬子のホンイツに向けてしかけていく。しかし、先にリーチしたのは満貫以上が確定している亜樹プロ。上がりに向かうべく、やや危険な5sをプッシュした後、亜樹プロに完全無筋の6sを掴んでしまう。読みを入れる魚谷プロ。
その表情には明らかに苦悩がよぎる。
この時の魚谷プロの思考はインタビューでも語られたが、6sが危険なことは分かっていた。8・9mなど安全性の高い牌を切って降りる選択肢もあった。
しかし、あえて魚谷プロは6sを打ち込んだ。
空気が切り裂かれるような打牌に感じた。ある意味当然のように亜樹プロはロンを発声した。裏がのって12000点。
魚谷プロは箱下沈んだ。
この時の魚谷プロの打ち込んだ6s。この打牌を見て、私は魚谷プロに惹き込まれた。
100%の打牌をしても勝つかどうかは運しだいという偶然性の高いゲームである麻雀。しかし、そこに懸命に己を賭けている者がいる。決意の一打、6s。
当たるか当たらないか、そんなことはどうでも良かった。その一打に込められた魂。それを感じた。
この日魚谷プロはラスを取って、チームは最下位に転落。だが、私には魚谷プロの6sは忘れがたい一打となった。
Day24 予想外の一鳴き
11月12日 第1試合
ドリブンズから前戦フリテンのツモなど力強くトップをとった鈴木たろう、パイレーツからは4戦連続2着から前戦は3着と連対を外した朝倉康心、格闘倶楽部からは初トップ後に2連続3着の伊達朱里紗、ABEMASは今季初戦以来4試合連対を外している日向藍子が登板。
試合は、東1局から伊達プロが3連続で親マン12000点を上がり、ほぼ試合を決めた。
東1の2本場には朝倉プロが箱点に落ちてしまった。
伊達プロはトップを決めたが、朝倉プロは何度12000点を放銃しただろうか。-87.5ptの大きなラスとなった。
この試合で注目したのはたろうプロ。
オーラストップ伊達プロとは2万点以上差が開いた2着目。3着目の日向プロが猛追してきて2400点差に迫られている。しかし、たろうプロは2着を守ることは全く考えず、20000点以上離れる伊達プロを逆転するために倍満を作るべく聴牌を外してしまう。そして何と倍満条件を作りあげてリーチをかけた。
結果は流局でたろうプロ2着確定となったが、最後まで「トップ」を狙っていた。
そこにあったのはあくなき勝利への執念であった。
11月12日 第2試合
パイレーツは朝倉プロの事故的な4着を挽回すべく小林剛、格闘倶楽部はトップと逆連対がここ6試合繰り返されている佐々木寿人。順番通りなら今日は逆連対の番。ABEMASは第20節でたろう・堀のデッドヒートに押しやられてしまった白鳥翔。ドリブンズからは前戦で4連敗中のチームを救った丸山奏子が登板した。
試合は、髪を青で染め上げた白鳥プロが東発の親から上がりを決めていった。小林・寿人・丸山プロは何もできないまま白鳥プロが5万点近い点数を積み上げた。
しかし、こつこつ挽回していったのが丸山プロだ。
地道に点棒を積み重ねて追い上げていく。印象的なのがそのダマ聴の多さだ。リーチをかけて上がれないよりも、上がれる方が良い。見た目とは裏腹にしたたかに局を進める。
そんな丸山プロ、意外だったのはラス親での発の一鳴きだった。
以前のオーラスの発対子ではラス牌の発を鳴かずにトップをとったが、今回は一鳴きで発を鳴いた。結果1000オールとなり、白鳥プロに1200点差まで詰め寄る。が、決めきれなかったとも言える。
2019シーズンのデビュー戦で、3着確定のハネマンをスルーして流局直前に倍ツモしてトップを取った雀士だ。見た目の可愛さとは裏腹に段違いの胆力を持っている。そういう意味で意外さがあった。
しかし、白鳥プロも放銃は許されなくなった。丸山プロ、次局も聴牌を入れる。ここで決められればいよいよ逆転。山2、いける。
だが、無情にも山一の小林プロの上がり牌が丸山プロに流れ、丸山プロは2着でこの試合を終えた。
はなまる迄あと一歩。惜しかった。
からくも白鳥プロトップを獲得。
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