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第326回、最凶ヴィラン:ジャスティス VS 最弱ヒーロー:ヘルズン


汚職問題で世間を賑わしている、政治家の前に現れた、ジャスティスの前にヘルズンが立ちはだかった。

「やはりここに来ると思っていたぞ、最強ヒーロージャスティスっ。いや、元ヒーローというべきか。
お前がヴィランに寝返ってから、どれだけの人間を殺して来たと思っているんだ。お前が悪人を殺しまくっているせいで、悪人達は震えあがり、この街の犯罪率は、一桁台になっている。こんな事は、この街始まって以来だ。
今やコサックシティーは、世界で最も治安のいい街とまで言われている。
だがな、ジャスティス、こんなやり方は間違えている」

「ジャスティスっ」

ジャスティスがそうつぶやくと、手から放出されたビームが、汚職政治家を護衛するガードマンを貫いた。

「皆、ジャスティスに銃を向けるのはやめるんだっ!!悪人認定をされて、殺されるぞっ」

「ジャスティス、確かに人間は愚かな生き物だ。だが、俺達が倒すべき敵はヴィラン怪人のはずじゃないのか?ああわかってる、お前がヴィラン連合を一人で壊滅させたおかげで、今やヴィラン怪人も、殆ど存在しない事もな」

「ジャスティスっ!」

「皆、ジャスティスに殺気を向けるのはやめるんだっ。遠くからスナイパーが狙っても、あいつはその殺気を感じるんだぞっ」

「ジャスティス、お前を阻止しようとして、どれだけのヒーローが、お前に殺された事だろうな。今やお前の意思のみが、この街の正義になっている。
お前の望む通りの、理想的な社会になっているのかも知れない。
だがお前も、不老不死な訳ではない。お前が死んだ後、お前がいなくなった後に、この街はどうなると思う? これまで我慢をしていた人間達の欲望が解放されて、誰にも止められなくなるんだぞ」

「ジャスティスっ!!」

「おいっ戦車の砲門を、ジャスティスに向けるんじゃないっ。戦車なんかであいつは止められないぞっ」

「ジャスティス、俺にお前を倒す意思がないのはわかるな?大体、ヒーロー最弱の俺に、お前を倒すのは無理だ。俺の、相手を赤ちゃんレベルの強さにする能力も、生まれた時から、最強の頭脳とパワーを持っているお前には、無意味な事は、十分わかっている」

「ジャスティスっ!!」

「こらっ人工衛星で宇宙から、ジャスティスを狙うんじゃないっ。あいつは外惑星からの殺気でも、感知ができるんだっ」

ジャスティスが逃げようとした汚職政治家に向かって手をかざし、その手から、ジャスティスビームを出さんとしたその瞬間に、ジャスティスの動きが止まり、そのまま空を見つめた。

「ジャスティスっ」


ジャスティスはそう言うと、空へと飛び立った。
何が起きたのかわからずに、呆然とする汚職政治家とその護衛の人々。
そこへ全世界に向けた、国際臨時ニュースが流れる。

「大変ですっ、たった今宇宙から、大量のUFOが地球に向かってやって来ているとの情報がありました。その異星人は、地球の言語で、地球を侵略するとの意図を伝えて来ており‥」

「お前達、今回は命拾いをしたな。ジャスティスはより強い敵意を感じた、侵略異星人の成敗をする方を優先したらしい。だがこれで、お前達の危機が去った訳ではない。侵略異星人をジャスティスが退治して、あいつが地球に戻って来た時に、人間が今のままならば、あいつはまた、人間の制裁を行う事だろう。その時までに、俺達人間にできる事は、何なのだろうな‥」

ジャスティスが地球からいなくなって数カ月が経ち、コサックシティーでは再び犯罪が増加を始めていた。
市民の中には、ジャスティスがいた方が良かったと、ジャスティスが戻って来る日を待ちわびる者も多くいたが、どちらの社会の方が幸せと言えるのかその答えを知る者はいないのである。

※今回のコラボ元となっている創作小説が、下記の二作になります。
この人気のなさで、コラボ作品を書こうとする、自分の正気を疑います。

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