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怪談2「大きな猫の目:町の看板」

今回は、短い話を2話です。はっきり言って怖くないですが、とりあえず、ちょっと小話と思って読んでください。

◆「大きな猫の目」

その日は先輩の引っ越しの手伝いをしていました。
(先輩は1話目の「S」という方です。気になる方は1話目も読んでみてください)。

その先輩の家は、田舎のほうの集落で、その集落の山に上がる道路の上がり口にあります。
(この山もいわくつき、というかその集落自体が昔からいわくつきw)。
そしてそこから少しあがったところに旧斎場があるせいか、先輩の家に庭の先はすぐ崖になっている。
その崖の上は墓場になっていて、先輩の家の庭にはいくつか誰のものともわからない墓石が横たわった形で半分埋まってる状態だったりする・・・。
そんな先輩の家(実家)もいろいろあり、引き払うことになったため、引っ越しの手伝いに行きました。
手伝い中、いろいろありました(その話はそのうち書きます)が、ついでに事故にもあいました(笑)。
先輩の単独事故で直線道路わきの木に正面衝突(といってもそんなにひどいものではない)。
その事故の原因は先輩が私と引っ越し荷物を積んで軽トラを走らせていましたが、突然黒いもや(私にはそう見えた)がフロントガラスを覆ったように見えた瞬間、先輩が「うぉぉぉぉ!」と叫んでハンドルを急に切り、そして木に激突・・・。
ちなみに真昼間です。
ガンと勢いよくぶつかり、私も「あいたたた・・」というぐらいには衝撃を受ける。
おそらく黒いモヤが原因だろうと思って聞いてみると先輩曰く・・。
「いや急に大きな猫の目がフロントガラスいっぱいに出て、前見えなくなってあせったわ!」ということでした。
結局、軽自動車はフロントがへこんだものの、かろうじて動いていたので引っ越し作業は続行。
ただ、先輩はこう言ってました。
「あの道さぁ、よく変なこと起こるんだよねぇ・・・チッ」。

◆町の看板

町というのは名ばかりで、ほぼ村に近い町(当時はかなり田舎でした、今は結構発展してます)のある場所に看板がありました。
「ここで夜中に赤い服の女の子を乗せないでください。○○町町長」
・・・・不気味ですよね。
そこで当時、私の先輩数名でその謎を解きに行ったそうです。
先輩らは2人でその看板があるところに真夜中に行き、その看板から少し離れたところに車を停め、なにが起こるか眺めてたそうです。
そこそこ雨が降っていたそうですが、とりあえず監視できるぐらいには視界は確保できていたそうですが、車の中から見ている間はなにも起きなかったそうです(といってもこの二人はかなり短気なので、どのぐらい見ていたかは不明です、話を聞くかぎり10分ぐらいだと思います)。
そこで、二人はつまらね~と言いながら、今度は車を降りてその看板まで歩くことにしたそうです。
その時に確認したときは夜中0時過ぎだったそう。
二人が車を降りて、しばらく歩いていくと、いつの間にか、先輩たちとは反対車線側に赤い傘で、赤い服で、赤い靴履いた女性(雰囲気的に20代後半らしい)が歩いていたそうです。
顔は傘で見えませんが、いつの間にいたのか?そしてなぜこんなところを歩いているのか不思議だったそうです。
その看板のあるあたりは、当時は歩いて帰るような民家はなかったので、当然そうなります。
そして、その女性の後ろには、小学生低学年(黄色い帽子とランドセルに黄色いカバーがしてあったので、そう思ったそう)。が傘もささずその女の人の後をついていくように歩いていたそうです。
先輩たちは、ちょっとビビッてしまったそうです。
結局、ビビッて動けなくなった状態で、その親子?なのかなんなのかわからないものが通り過ぎて、暗闇に去っていくのをしばらく眺めていたそうです。
その話を聞いて、なぜ声をかけないのか?と聞いたみんなで責めたのですが、先輩曰く「いや、無理だって!あの時間にあの場所であんなん来たら無理だって、声も出せないよ。怖すぎ。無理無理無理!」と言っていました。
しかし、看板には「赤い女の子」と書いてあったのに、先輩たちが見たのは赤い女性と小学生。
なんかつながりがありそうななさそうな・・・。
まあ、夜中にいきなり男二人組がいきなり声かけたほうが怖がられると思いますが・・・。
その後、その場所に行った先輩のうちの一人が調べてきてくれました。
まずその看板はたしかにその町の町長が自ら作って置いたということ。
置いた理由はそこで赤い女の子を保護(そりゃ夜中に女の子が一人でそんなところにいたら、心配になる人が多いでしょう)して、車に乗せると、霊的な現象に見舞われるということ。
そこを夜中に通る町人が、怖がって騒ぎになったということ。
が分かったそうです。
ただ、そもそもそのあたりでなにか人さらいがあったり、埋められたりということはないそうで、結局、なぜそれが起こるのか、いったいなんだったのか?はわからないままだそうです。

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