No.6 双生児譚
フェテェシズムと言うには耽美過ぎ、オタクと言うには重過ぎる、この種の「嗜好」をなんとよべば良いのか分からない距離感でもって、「双子」モチーフが好きです。
きっかけは幼い頃に観たディズニーのアニメ、ふしぎの国のアリスに出てくるツインズ、ディー&ダムだったような?
うさぎを追うアリスを半ば強引に止め、自分達の話をむりやり聞かせるストロング・スタイルと、その話の内容のえげつなさ!まだ子供だった私の心に充分すぎるインパクトを残しながらそれ以上の何か説明できないポップさの裏に潜むギリギリラインの悪どさに惹かれるものを感じてそれ以来ファンに。彼らを見ると同時にあのセイウチと牡蠣のきわどいお話もセットで思い出しちゃうあの嫌な感じ、癖になる禍々しさは軽い中毒性も帯びているように思います。
積極的に双子グッズを集めてるわけでは無いけど、彼らに遭遇すると「えっ!こんなところにいたの?私以外に誰が買うねん」という謎の使命感にかられ、その度にお持ち帰り。あと、アリスグッズであまりにも彼らのグッズが少なく商品自体がレアなことも理由の一つかなと。(そらそうか、おじさんモチーフなんてニッチか…)
このフィギュアは海洋堂のもの。ご存知の方も多いでしょう、まだ「ガチャ」という言葉が本当にあのカプセルガチャガチャにしか使われてなかった時代、何十年も前に売っていた食玩(クッキー付き)!チェック柄の箱入りのそれは中身が分からない仕様になっており、よくトランプ兵や三月うさぎがかぶって出てきた思い出…。
お目当てのこの双子ちゃんに出会えず、結局廃盤になってからも諦めきれなくて、日本橋のフィギュアやカードを中古で売ってるお店で買いました。出会えた時はやっとご対面できた喜びと同時にあぁ…こんな形でしか購入できないんだな…と悔しさも入り雑じった複雑な気持ちで買ったのを憶えています。でも宝物!
あとこんなものも。ポストカード等々、KNOLLのミニボトルはヘアミストだったもので、空になった今も旅行用に使うヘアミストを詰めて持っていくという貧乏性…。だって捨てられない!まさかの双子とアリスモチーフなんて見つけた時びっくりしたし、デザインしてくれた方に直々にお礼言いたいくらい嬉しかったな。
上のピンズはお土産として頂いたもの。精巧さに惚れ惚れする。落とすのが怖くて勿体無くてあまり使ってないけどたまに眺めては仕舞うという謎の行為をしてます(変)。
毎日当たり前に使いすぎてミラーの存在を忘れてました!こちらはアフタヌーンティーのもの。これももう下手したら10年くらい前に買ったもの。
あとはこちらも超昔、PLAZAがへたしたらまだSONYPLAZAという名前だった頃かも?の時に買ったTシャツ!着込みすぎて今は部屋着用ですが、双子とアリスってだけで買う!って思った記憶があります。
もとからあったプリントの掠れ加工がこれまた経年によってより良い味出してて好き。
ヘッダーにしたvivienneのハンカチもmen'sのものですがこれを見つけた時の感動といったら!私のためのハンカチやん!?って衝動買いしたのを思い出します。バッグの中に入ってるだけで幸せになる。
小説や漫画のモチーフとして登場する双子ももちろん大好きです。(ここでは映画まで含めると果てしなく長くなってしまうので省きます、いつかじっくり書けたらな……)
私がリアタイで買っている数少ない連載もの、加藤和恵(以下敬称略)著「青の祓魔師」も双子が主人公。自分にしては珍しくストレートに主人公の燐が推しです。ストーリー的にはいよいよ大詰めか…と一抹の寂しさを感じながら読んでいます。
三原ミツカズ著「たましいのふたご」、これも絶対に絶対に外せない作品。双子も登場しますが、どちらかというと様々なかたちの「ソウルメイト」についてのオムニバス形式の物語。
ストーリーテリングの秀逸さ、上下巻でスパッと読めるサイズ、だけどラストの余韻の半端無さたるや……!読後感はまるで90年代終わり~00年代のハリウッドの傑作映画を丸1本観たような気分に。(超主観です!)
世界のさまざまな双子についての事例なども調べたくなります。
吉野朔実著「ジュリエットの卵」、この漫画については話すことが、話したいことが山ほどありすぎて上手くまとまらず逆に口を噤むしかなくなる厄介な(褒めてる)作品でして。
「ジュリエットの卵」から与えられた衝撃から生まれたいろんな感情は、この先どんな漫画や映画、小説と出会ってもこの漫画でしか味わえないんだろうな、出会えないんだろうなともう一種の諦め、イコールそれはマスターピースの証し、喜んで白旗をあげたくなる、それくらい本当に自分にとって特別な無二の漫画。是非一読を!としか勧められないもどかしさ、いろんな人に読んでもらいたい、そしてラストについての見解が知りたい所存です。吉野さんの漫画に自然と出てくる「スタイルカウンシルが~」とか、「イーノーの新譜が~」なんてUK音楽好きをくすぐりにくる台詞をキャラに言わせるところもまたたまりません……。楠本まき先生もそうですが、漫画というカルチャーに音楽や映画などをうまくミクスチャーするセンス、10代からずっとずっと人生の勉強になるなあ…と思いながら読んでいます。
小説では真っ先に「悪童日記」が思い浮かびました。まだ夫と結婚前、面白いからとすすめられ読み、「私は今猛毒を摂取している、でも止められない…」と気持ちよい後ろめたさを感じながらのめり込むように文字を追った記憶。
まだまだ双子モチーフの漫画や小説は山ほどありますが、樹海のように荒れた我が本棚から探し救いだす気力が無く……また改めて続きが綴ればなと思っております。
番外編として三つ子漫画「BROTHERS」!あんこ可愛い~~~!!!に尽きます。(おい…)
ちなみに最後〆として自分が双子座だという超どうでもいい情報をドロップして終えさせてください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?