真 触手

前回の
小説にも
書いた

触手

触手にも
種類がある

伸びたり
侵食したり
首絞められたり

知らない間に
足元から
張り付く

見えない
実体

先端は
鋭利な物も
あれば

姿も変わる

博士は
生前

妻の
肩の事を
指摘していたのを
妻は
覚えていた

私は
博士の
豹変ぶりに
頭が
真っ白になり

鈍かったから
覚えていない

博士は
妻を救う為

宇宙金属
イルコジウムの
インターロックを
那須与一様と
果たした

亡き
博士との
チャネリング

妻の肩を
見詰め
集中する

四十肩の
原因を
見詰め
それが

触手だと
分かった

細く

肩から
二の腕まで
広がっている

重い体を

無理矢理
動かす
妻を

細い
触手は
千切っても
握りつぶしても

また伸びていく始末

ママでなければ
清められない

七月一日に
妻と
母の
友人を
送迎し
向かう

母は
直前に
骨折

行けなく
なった

安静必須だ

魂の母

清めの
儀式

輝きの
嵐で

触手が
パァンと
砕ける

妻は
驚愕を
隠せない

だから
ママは
凄い

そして

実体は
触手により
侵食するもの
ばかりでは
ないが

一つ
分かる事は

儀式の後
暗い瞼を
開くと

一体の
地域が
真っ白に
輝き続ける

輝きの
グラウンドゼロ

妻の
肩の重みが
軽くなる

私達は
談笑
しながら

雨風強い
筈の
教会から

雨上がりの
駐車場へと
向かい

送迎した

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