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The blue sky of the outlook34

ナーシャはクアルに頼む。

ナーシャ
「クアル!エノクを安全な場所に!」
クアル
「え、ええ‼︎ベクターBOX‼︎」

等身大の石化に変えられた私を一瞬で格納する

「セリャド」
ナーシャ
「コイツら‥」

ナーシャがベクターBOXから剣を呼び出そうとする。

出ない。

ナーシャ
「え?アレ⁈」

ナーシャが真っ青になる。
常備の稽古用の剣が無い。

ナーシャ
「剣を忘れた⁈」
クアル
「何で忘れるの⁈」

絶対絶命か⁈

「お笑いだな勇者。いや、モンド・ソヴァール」
ナーシャ
「 」
クアル
「モンド⁈」
ナーシャ
「何処‥その名前を‥」
「調べさせてもらったぞ」
クアル
「ナーシャ‥勇者なの⁈」
ナーシャ
「アンタら、目的は?」

不気味に笑う男達。

「ラグラを我々が統治する。跪け‼︎」
ナーシャ
「あ?本気¿」

手ぶらのナーシャは余裕だ。
男は右手を突き出し詠唱の構え。
その寸前でナーシャが唱えた。

ナーシャ
「ベルクライスフェルトグーマン‼︎」
「何⁈」

男が痛いイラストのTシャツ男に変わる。

「フ、だからどうした?リヒトブリッツ‼︎」

詠唱し右手から発動した魔法が
大量の同人誌に変わり、ドサドサ落ちた。

「 」
ナーシャ
「プッ」
「ふ、ふざけるな!ブリッツシュラーク‼︎」

右手から発動する。
痛いイラストの抱き枕がドサドサ落ちた。

笑いを堪えたクアルもたまらず噴き出す。

ナーシャ&クアル
「ブフッ‼︎」
「き、貴様‼︎何を突っ立ってる!さっさと仕留めろ‼︎」

仲間に指示を出されて陣形に立つデニッシ族がようやく戦闘態勢に入る。

一人目に突っ込んで行くナーシャの動きは早い。
稽古用がないなら、勇者の剣で対応するまで。

ナーシャ
「ベクターBOX!」
「リベラシオン」


ベクターBOXから剣が
一瞬だけ現れ、一人目が切られた。
剣が消える。

その間1秒。
端末が機能するわずかな瞬間でナーシャは抜刀する。
二人目に突っ込み、斬撃する。
次々と倒されるデニッシ族。

空間の式が解かれ、ノイズが発生した。
これで固有結界から解放される。

「くそ!ならば貴様から消えろ!リヒトブリッツ‼︎」
クアル
「キャア!」
ナーシャ
「クアル‼︎」

ナーシャが魔法のベクトルからクアルを突き飛ばした。

クアル
「な⁈」
ナーシャ
「ゴメン、ドジった」

閃光はナーシャの縛った後ろ髪とリボンを無残に吹き飛ばし、後頭部に炸裂。
爆発する。

吹っ飛ぶナーシャから血液が大量に飛び散った。

ドサリと、横に倒れるナーシャが沈黙した。

クアル
「ナーシャ!しっかりして‼︎ナーシャ‼︎」
「見せしめだ。お前も消えろ!」

男の右手が詠唱と共に発光した
その時。

扉から閃光が男を直撃する。
爆発で吹っ飛んだ男が沈黙した。

クアル
「せ、先生!」
グレッゾ
「‥間に合わなかったか。クアル、ナーシャを頼んだぞ」
クアル
「は、はい‼︎」

涙声で返事をするクアル。
グレッゾは迅速にサングラスを取り出し装着、地に手をつける。

グレッゾ
「目を隠せ、失明するぞ」
クアル
「え、あ、はい!」

クアルがぎゅっと目を瞑る。
確認したグレッゾが唱えた。

グレッゾ
「光波・陣‼︎」

空間が一瞬で光に包まれる。
溶接の光を数百倍にした閃光が一帯を照らす。

デニッシ族は視力を失い、その場で目の痛みに悶える。
グレッゾの背後から更に詠唱する人物。

ディール
「エクレール‼︎」
「ぐああああああああああ‼︎‼︎」

ディールの脳天に電流を帯びた角が伸びている。
悶えるデニッシ族らに
稲妻の鉄槌が落ちた。

ビクビクと、痙攣を起こした野党どもが戦闘不能に陥る。

固有結界は完全に破られていた。

ディール
「エノク!エノクは何処⁈」
クアル
「ナーシャの回復が先です。シュタルククーア‼︎」

ナーシャの出血が止まる。
あくまで応急処置だが。

クアル
「ベクターBOX!」
「リベラシオン」

岩塊となって変わり果てたエノクが召喚された。

ディール
「な‥⁈」
グレッゾ
「馬鹿な‥⁈」
クアル
「大丈夫です。私が何とかします!」

盲目と石化の解除魔法をクアルが唱え、私の体は元に戻り、現場は事なきを得た。
前もって救助要請を出したエイマのおかげで、空中救助隊G-BARTが上空から舞い降りて来た。

一方、教室では
窓を破壊されて侵入して来たデニッシ族と対峙するビオラの姿があった。

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