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国際物流総合展 2023 見学

 9/13(水)~9/15(金)3日間、東京ビックサイトで開催された「国際物流総合展 2023 第3回INNOVATION EXPO」を見学してきました。仕事で物流に携わっている身としては、毎年気になってはいましたが、平日開催というのがとてもハードルが高く、なかなか行くことが出来ませんでした。今年は研修の一環として見学することが出来たので、感想を投稿したいと思います。

 今年の展示会は、401社/1,230ブースが出展しており、過去最大規模とのこと。与えられた見学時間は2時間、サクサク回ったつもりでしたが、全然時間が足りませんでした。会場の区画が「スタートアップ特別展示」、「ロジスティクス最適化ゾーン」、「輸配送効率化ゾーン」、「保管業務効率化ゾーン」、「その他物流業務支援ゾーン」の5つに分かれており、全てが濃厚でした。見学者も多かった。調べたら、来場者数は3日間で4万4千人強、注目を浴びた展示会でした。ずっと人が途切れないエスカレーターの光景には思わず笑ってしまいましたが、あんなに密度の高いエスカレーターには久しぶりに乗りました。

 今回の見学で私が一番感じたことは、作業の無人化が思ってた以上に現実味を帯びてきたということ。無人フォークリフトや無人搬送機、自動ピッキングシステムなどのデモンストレーションを多くのブースで見ることができました。コンテナから段ボール箱を1箱ずつ降ろせるロボットまでありました。降ろした段ボール箱をパレタイズするのは人でしたが・・。無人化の技術開発には、比較的新しい企業が多く参入しており、大手企業との競争の中で、飛躍的な技術の向上を実感することができました。今では無人機の移動に、床のレールは必要無いんですね。AIが学習して判断する無人機が主流となっています。ただ、学習するといっても、搭載されたAIが人のように様々な要素から判断し、作業ができるレベルにはまだ至っていないようです。無人フォークリフトを見ても、作業動線は人が操作するよりも広く取らなければならず、障害物があれば退かすことができずに停止する。動作にも制約が多く、基本的な動作しかすることができません。搬送区画も限定的。コストにおいても、車体費用が1台1千万円越え、1動作のプログラミングに数百万円、ランニングコストは年間数百万円と、まだまだ実用段階とはいえません。しかし、あと5年もしたらもっと技術が進歩し、手の届く価格帯となって私の感想もきっと変わっていることでしょう。
技術力の向上には将来的な期待感がありましたが、動力源には大きな課題があると感じました。基本的な動力源は全て「電気」です。電気を蓄える方法は色々ありますが、電気が絶たれてしまった場合は、今と変わらないアナログなマンパワーの対応が求められます。電気以外の動力源はこの先出てくるのでしょうか。他にも、通信システムについても不安があります。通信障害が発生したときのあの無力感。100%機械に依存することに、大きなリスクを感じます。

そうは言っても、やはり昨今の状況の中では、機械やAIに頼らざるを得ません。物流業界の「人手不足」は、皆さんご存知の通り年々深刻化しています。ECサイトが拡大し、働き手の需要が高まる中、非常に大きな問題となっています。働き方改革で進めないくらいの向かい風。解決手段は「自動化」しかないと私は考えます。少ない労働力で生産性を高めていくためには、人に代わってロボットを導入し、一貫したシステムをAIが管理運営することで解決することができると考えます。人ができる仕事量には限界があり、感情や体調、環境の変化でパフォーマンスに影響が出ます。機械であれば、常に一定のパフォーマンスで無制限に仕事ができます。「自動化」は最適な解決手段です。

 AI研究が進んでいく中で、シンギュラリティ(技術的特異点)という問題があります。2045年にはAI自らが人間より高い知能を生み出すことが可能になるというもので、アメリカのレイ・カーツワイル博士が提唱しました。人類に与える影響としては、①今ある仕事の47%が人工知能に置き換わる、②人体の一部を人工化が言われています。①人工知能の仕事に置き換わる職業としては、事務員、スーパーやコンビニの店員、飲食店の店員、警備員、銀行員、運転手など。既に置き換わりつつある職業もありますね。②人体の人工化としては、臓器が不要となったり、意識をデータ化してコンピューターへアップロードすることができるようになるようです。不老不死が現実のものとなる可能性があります。人間<AIとなることで、AIが人間から主導権を奪い、機械が人間を支配する世界についても問題視されているようです。「ターミネーター」や「マトリックス」の世界が現実に起こる可能性があるなんて、とても信じられませんね。

シンギュラリティには不安を感じますが、今回の見学で気になった企業については、先端技術の情報として、ホームページを定期的にチェックしていきたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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