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「運命」とは。運は乗り物、命は命式

 運命の「運」は乗り物です。鈍行列車なのか急行列車なのか、新幹線なのか飛行機なのか。「運」に乗るためには、発車時刻前に、前の乗り物を降りて、予定時刻まで乗り物に乗る準備をしなければなりません。「命」は「命式」です。「命式」とは、生まれた生年月日と時刻で決まります。

 生まれた生年月日と時刻により、太陽と地球の相関関係が決まります。そして「命式」により、10年ごとにやってくる乗り物の種類がわかるのです。10年ごとにやってくる乗り物を「大運」と言います。乗り遅れると「大運」を逃すことになります。「大運」を逃したら、今まで乗っていた乗り物に乗り続けるか、徒歩で進むしかないのです。「命式」「大運」については、「命理学」の書籍に詳しい解説があります。

 伝記や時代小説の章立てに「あすなろ編」「立志編」「青雲編」「挫折編」「再起編」などとあるのは、「大運」ごとに章立てされていることが多いようです。「大運」に乗ると、舞台設定や登場人物など景色が変わります。知らず知らずのうちに何かをやっている、何かをやらせられている状況に置かれます。それが自分の生まれてきた「使命」であることに気が付きます。これが「立命の瞬間」です。

 遊園地に行くと、「コーヒーカップ」の遊具があります。この「コーヒーカップ」というものは、子供の遊具だと思って侮っていると、とんでもないことになります。特に真ん中にあるハンドルをいい気になって思い切り回すと,乗り終わったときに具合が悪くなったことのある人も多いのではないでしょうか。私も苦い思い出があります。

 「コーヒーカップ」はどんな仕組みなのでしょうか。コーヒーカップは、大円盤と中円盤、そして小円盤、すなわちコーヒーカップで構成されます。

 動くときは大円盤と中円盤が自動で回り、小円盤(コーヒーカップ)はハンドルで回す仕組みになっているのです。「回りながら回る」というのがコーヒーカップの動きの特徴です。

 実際のコーヒーカップには「遊星歯車機構」という機構が使われていて、その機構によって、「回りながら回る」という動きを得ているのです。「遊星歯車機構」とはその名の通り遊星運動(地球が自転しながら太陽の周りを公転するような運動)と同じような運動が得られる機構です。入力軸と出力軸を同軸上に配置できるのが特徴です。鉛筆削りや自動車のオートマチックにも応用されているそうです。

 子どもの頃、スピログラフ(英: Spirograph)という定規で遊んだことがあると思います。私の周りはこれを「遊星定規」と呼んでいたよう記憶しています。現在も100円ショップで手に入るそうです。

 スピログラフは、プラスチック製の板に歯車状の穴が空けられており、穴の内側にそれより小さい歯車(ピニオン)を付け、ピニオンに空けられた小さな穴にボールペンや鉛筆などの筆記具の先を通します。筆記具でピニオンを回す様にして動かすことで、その軌跡が内トロコイド曲線を描き出し、万華鏡を思わせる幾何学模様となるのです。ピニオンの大きさや穴の位置などによって曲線の形や大きさが変化するため、それらの組み合わせに応じて描かれる模様も様々に変化すのです。

 スピログラフが描く軌跡は、ゆっくりと流れるような円環を描く場合もあれば、ヘアピン状の折り返し円を大きく振れならヒトデのような軌跡を刻む場合もあります。

 「コーヒーカップ」も大円盤、中円盤、小円盤、それぞれの歯車のサイズの違いで軌跡が変わります。大円盤、中円盤は自動で回りますが、小円盤は手動です。大円盤、中円盤と同じ方向でハンドルを回すのと、逆方向で回すのでは軌跡が異なります。逆方向で回すと激しい軌跡となって、冒頭のような具合が悪くなる失態を起こすのです。

 「コーヒーカップ」は人生そのものです

 「コーヒーカップ」の柵の外には、笑顔で手を振る両親や家族がいます。コーヒーカップが動きだすと近づいてくる恋人や友人、恩人、はたまた宿敵がいます。一方で遠ざかっていく人もいます。「コーヒーカップ」の描く軌跡はまさに「運命」です。「運命」にしたがって生きれば、声援を送ってくれる両親や知人、その時々に一緒に伴奏してくれる家族や同僚、困ったときに知恵や援助を差し出してくれる恩人の存在を気付くことがいます。敵でさえも、自分の魂の成長を助けてくれる「ソウルメイト」だと気が付くことができます。

 一方で、「運命」に逆らえば、声援を送ってくれる人が視界に入りません。知恵や援助の手を差し出してくれる恩人にも気付きません。いつも孤独です。そして、世間に対して恨みや辛みが積もります。

 どんな軌跡を描くのか、近づいてくるコーヒーカップ、離れていくコーヒーカップに誰が乗っているのか、あらかじめシナリオを自分が書いているそうです。軌跡には、困難や苦難、失敗と挫折、裏切りと焦燥など「問題」が組み込まれているのです。その「問題」を解決し乗り越えていくのが「魂の成長」なのです。

 生まれてきた目的は、「運命」に従い、「魂を成長」させることにあったのです。

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