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「真犯人フラグ」がすげーおもしろかった!(まだ見てない人向け)

真犯人フラグとは?

 日テレのドラマ。企画・原案は秋元康さん。え? 秋元康さん? それってAKB48の? と思われた方も多いのではないだろうか。私はそう思った。芸能事情に疎い私は、秋元さんはアイドルプロデューサーである。しかし、調べてみるといろいろドラマの企画もやっているようだ。

 タイトルから想像されるとおり、サスペンス。話は、西島さんが演じる主人公:相良凌介の家族(嫁、娘、息子)が失踪するところから始まる。全員だ。相良凌介は、特別な人間ではない。運送会社に勤める一般人である。そんな彼の家族が失踪してしまったらどうなる? 当然、彼は警察に届け出る。しかし、警察は家庭内不和での家出だろうととりあってくれない。そこで、彼はメディアを使っての捜索を試みる。

 炊飯器失踪事件。相良凌介が家についたときに炊飯器でご飯が炊かれていた。だから家出ではないと訴えたがゆえのネーミングだ。こんなおもしろい事件を皆が逃すわけがない。SNSで好き勝手に盛り上がって、犯人の考察などが行われる。そうなれば、相良凌介犯人説などもあがるわけだ。情報は交錯する。無責任な正義と利己的な善意が入り乱れる中、相良凌介は家族を取り返すべく失踪事件の謎に挑む。

真犯人フラグのおもしろさとは?

とりあえず引きだけ見ておけ

中途半端な終わり方でその続きが気になるようなシーズンエンド(つまり作品全体の大団円ではなく、1シーズンの最終回)での物語の進行を遅延・未解決にする作劇手法

wikipedia

 真犯人フラグの何がおもしろいって、とにかく引きである。「引き」とは引用にもあるように、話の最後を気になる形でぶつ切り、次回も見てもらう手法だ。連続ドラマでは、引きが弱いと次の週は見てもらえない。そのため、とても大事な要素なのだが、真犯人フラグは引きがいい。

 とにかく次回が気になる。正直、1時間のドラマの中間は、たらたらとしているところも多々あるのだけど、終盤の引きの部分でいいかんじで新たな展開、明かされる真実、更なる謎と盛り上がっていく。こうなっては次も見るしかない。

 そうしているうちにあれよあれよと最終回。20話分楽しく見てしまった。これは問答無用でおもしろかったと言わざるをえないだろう。

謎解きはするな

 ミステリではなくサスペンスという分類だと思われる。少なくとも推理ドラマではない。というのも、謎はフェアに配置されていない。このドラマは、視聴者が驚くことを第一に情報の開示が行われているからだ。

 だから、考察はいいけれど謎解きはしないことをお勧めする。そっちの方が絶対に楽しい。相良凌介達と一緒に謎に右往左往されながら、翻弄されるのが吉だ。

キャストが豪華

 豪華というより好み。西島英俊、宮沢りえ、芳根京子、田中哲司、佐野勇斗。うん。好き。この人たちがやったらだいたいおもしろくなるのではないだろうか。特に田中哲司さんが好きなんだよな。この人、前作の「あなたの番です」にも出ている。世界はリンクしているっぽいけれど、役は別のようだ。

阿久津刑事と落合刑事のかけ合いが本編

おまえってさ、みんなで焼き鳥屋行くと盛り合わせ頼むよな。あれ、誰も喜んでないぞ。

真犯人フラグ#18

 何の話だよ。

 ベテランの阿久津刑事が、新米の落合刑事に唐突にそんな話をし出す。事件に関係してそうで関係していない、そんな話をコミカルなBGMのもとに繰り広げる。阿久津刑事の話は、え? そう? という話題なのだけど、聞いていくと、まぁ確かにそういう一面もあるか、と説得させられる。偏屈な阿久津刑事のキャラもよく表れている。

 一方で、阿久津刑事といえば、このフレーズだ。

 これは悪夢か? 現実か? どっち?

真犯人フラグ#12

 阿久津刑事の二択を強いる口癖。この口癖が好き過ぎて、私もつい日常で口にしてしまう。絶対やめた方がいい。これ、言われる方はだいぶきついと思うから。けど、言う方は気持ちいいのよね。

 実際に人気があったのだろう。後編からは、冒頭の語りが阿久津刑事になっていた。いや、初めから決まっていたのかもしれないけど。

所詮日本のドラマでしょ?

 友人に「真犯人フラグ」を勧めたら、所詮日本のドラマでしょ。私、海外ドラマしか見ないのよね、と言われた。しかも、秋元康? ってことは、演出ばっかりの中身すかすかドラマじゃん。

 まぁ、言わんとすることはわかる。けど、ドラマもマンガもアニメもそうだけど、私は、減点方式ではなく、加点方式で見るべきだと思う。いくら内容が薄かろうと、演出がめちゃくちゃよければ、それは大きなプラスなんだ。

 とにかく黙って、頭を空にして、第一話を見てほしい。絶対に最後まで見てしまうことだろう。

 あなたは信じる? 信じない? どっち?

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