読書感想文が死ぬほど嫌いだった僕が、どうすれば楽しく読書感想文が書けたかを考えてみる

読書感想文の話題がTLをにぎわす時期になりました。
みなさまいかがおすごしですか?

僕は読書感想文ぜったい殺すマン。
この話題がTLを流れてくるたびに、「読書感想文への恨みつらみのこもったツイートを垂れ流したくなる邪心」と「児童書作家として健全な人間性を子供たちにみせなければという良心」が争い、きまって邪心が勝っています。

ただ毎回そんなツイートをしているのも生産性がないので、「じゃあどうしたら自分も読書感想文が好きになっただろうか?」ということを考えてみました。聞いてください。


「感想文」ってやめようぜ! ってこと

個人的には、「読書感想文」の、「感想文」がよくないんだと思う。
自然に、「自分がどう思ったか、どう感じたかを書かなくちゃいけないんだろう」って考えになっちゃう。
「自分の心」以外のアプローチがみえなくなっちゃうんだよね。

誤解を恐れつつ書くと、僕、“心の動き”に着目するのって、女性文化なんだろうな、と思っとるのです。
男の場合……特に小中学生くらいのころって、「自分の心」の動きにそこまで目を向けられるやつは多くない。(読書感想文の目的がそれなのだといわれればそれまでなんだが)
ファンレターを読んでるとよくわかるんだが、女の子は自分の感想や感じ方をていねいに書いてくれる子が多いんだけど、男の子は書きなぐりがドバー! ダーッ! で、語彙ねーな! って感じ。
それは表現手段のちがいであって、彼らに本の感想を表現してもらうなら、渡すべきはペンと原稿用紙じゃなくて、マラカスとかなのかもしんねーな! と思ったりするのだが。

なにがいいたいかというと、「自分の心」に着目するアプローチをニガテな層が一定数いる以上、ほかのアプローチもあった方がよい。
その方が、わたしはこういう文章にしたい、僕はこういう文章にしたい、っていう、自分にあった選択肢ができて、読書感想文も楽しくなるんではないか? と思うのであります。

SNSをみていて、こういうのいいな~! と思ったのが2つ。

1つは、ハヤカワ・ジュニア・ブックスさんのいっている、「犯人だと思った人物とその理由を書こう」ってやつ。くわしくは下記。


あともう1つは、以前どこかの学校での取り組みとして記事を読んだだけで、ソースは忘れてしまったんだけど、本を読み終わったあとに、その本にでてきた「国の地図を描く」とか「キャラをまとめる」みたいなアプローチ。

「自分」とか「心」に着目するアプローチ。
それだけじゃなくて、「推理(ロジック)」とか「情報」とか、そういうものに着目して書くアプローチが、もっとあっていいんじゃないかな、と。

そして、そういうやり方をしていても、乗り気でやってさえいれば、感想なんていうものは、自然とその行間ににじみでてくるものであろうと思っとるのです。
逆に乗り気でやっていなければ、空疎な文面をただ書きつらねる苦行になってしまい……そうやって書くことが嫌いになっていってしまうのは、悲しいことだと思うのです。

自分も、そういう読書感想文でいいよといわれていたら、もうすこし楽しく書けたかもしれないな~、と思ったりする。


大人が評価するのやめようぜ! ってこと

もういっこ、僕が読書感想文が嫌いだった理由がこれ。
大人が! 大人が嫌いなんだー!(アラフォーです)

自分は書くときにすごく他人の目を意識してしまうタイプなので、先生が読んで評価するっていうのが、とにかく苦痛だったのです。それ先生のただの好き嫌いじゃん、としか思わなかった。
でも大学の講義で、クラスメイトに向けて文章を書く講座は、すごく楽しかった。好き嫌い、大事だな! と思うわけです。

わかったのは、自分は「友達を楽しませるための文章」は好きだが、「先生に褒められるための文章」が嫌いなんだということ。
距離感のある大人に向けて書くときと、親しくなりたい同級生に書くときで、感覚がぜんぜんちがってるんだ。

なので、読書感想文の読者想定を、もっと明確にしてほしいと思う。
そのときに、大人を想定するより同じ子供を想定する方が、やっぱり考えやすいし興味持ちやすいんじゃねえかなと思うのですよね。


文章に必要なのは、読者想定(日記は別)。
文章力というのは、読む相手に対して自分が何を伝えたくて、そのためにどういうアプローチをとるのかという姿勢そのもののことなんじゃねえかなと思ってます。
伝えたいものをどう伝えるかのために、いろんな技術や作法があるのであって、伝えたくもないのにそれに従ったところで意味はない。
伝えたければ、人はどうとでも考えて学ぶもんだ。

伝えたい、をどうやって育てるか、そこなんじゃねえかなと思っていて。
子供にとっては、先生や大人より、やっぱり友達とのコミュニケーションのなかにそれがでるんじゃねえ? と思うので、読書感想文も、友達に伝える、ってことを意識したものがあればいいなと思ったりするのだ。(ビブリオバトルとかは、そういう流れでできたものなのかなぁ)

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