心の関節
ちょっとマニアックな話。
上の記事でキャラの魅力について考えてたんだけど、僕は小説におけるキャラの魅力って、キャラの「心の関節の数」みたいなものも大きいよなーとか思う。
人間って、首にも腰にも腕にも足にも、関節があるわけじゃないか。
棒みたいにまっすぐに立っているなんてことはほとんどなくて、それぞれの関節がバラバラな方向を向いて……でも完全にバラバラなわけじゃなく、ある程度相互に依存しあった方向を向いて、立ったり座ったりしている。
絵のうまい人って、この関節の動きがしっかり見えてるよなぁと思っていて。
僕みたいに絵心がないやつが人間を描こうとすると、真正面向き直立姿勢! みたいなのしか描けなかったりする。棒人間だ。
でもうまい人が描くと、首とか腰とか両腕両足が、それぞれしっかり独立した動きをしていて、そこにリアリティのディテールがあるというか、「人間らしさ」とか「躍動感」みたいなものが宿っているような気がする。
で、小説にもそんな関節みたいなものがあるような気がしていて。
もちろん小説にはビジュアルがないので、「頭-上半身-下半身」みたいな体の関節は関係がないんだけど。
「心-思考-言葉-行動」みたいな、心の関節はあるんじゃないかなぁとか思っていて。
その関節が、直立不動の一本線じゃなくて、すこしずつ違う方向を向いていて、でも完全にバラバラなわけじゃなくてある程度相互に依存しあっていたりすると、僕はそこにリアリティを感じるというか、「こいつ人間らしくて好きだな」とか思ったりする傾向がある。
なので……ってんでもないんだけど、僕は人物の「気持ち」と「考え」と「口にすること」と「行動すること」を、少しずつねじることが多い。
「思っていることを、その場面でその相手に対して口にするかしないか?」とか、「話しながらその話題について考えているか、あるいは別のことに気をとられてるか」とか、そういうことに結構気を配っている気がする。
…やりすぎてわけわからなくなってることも多いんだけど…。
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