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【詩】 I'VE to WALTZ

息をとめていた口が開く
温かく湿り気を帯びた風
いざなわれるように
急斜面を駆ける

新雪が降りたような白い地肌
ひそむ熱を隠しきれない大地
感触を確かめながらゆっくり進む
跡をつけるようにゆっくり進む
西へ東へそして南へ

双子山の渓谷
抜けようとすると大地が震えた
ほんの気まぐれで片割れへ登る
頂の眺めを楽しむと
もう一度大きく揺れた
山の輪郭を外回りになぞり
等間隔に並んだ岩場を越える

たどり着いた平野の中心の窪み
その大穴にため息の橋を架ける
脈動に耳を澄ます
まだ大丈夫みたい
まだまだ足りないみたい
この先なにがあるか見てみたい

5つの影が滑べるホロヴォード
真っ白な雪が紅く火照るまで
融け出して彼の地を満たすまで


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