小説? 薄い顔をしている 短いよ

薄いのはさちではないことを願う。

わたしは日本人形のような見た目だと言われた、言われたというのは今はあんまり人とそのような容姿の話はしないから。
幼い頃は交遊関係や親戚づき合いなどもあった気がするが、家庭環境が悪化してから、どうにも人付き合いに負い目をかんじるようになってしまった。
それからというもの、わたしは本や音楽、アニメに動画あとはゲームとか、一人でできることを重視して没頭することが多くなった。
これらは一人のわたしにとってはとてもいいものだ、ある種の友みたいなものかもしれない……すこし暗いか?でもまあいいじゃないか、だれに言うでもなし、わたしがそう思っている分にはだれを不快にすることもないだろう。
文章はあまり得意ではない、いや、かなり苦手だ。
なんせ、読書をするにしても好きなものを好きなようにしか読まないし、勉強だって必要にせまられてしかやらない。
とはいえ、友などと比喩してしまうくらいには手放し難い趣味の一つ、というか友はもっと気軽に手放してしまった、追い縋るべきだったのだが、離れる相手の気持ちを想うと、居た堪れない、おっと閑話休題。

しかし物語の登場人物というのは、とてもい、みんなわかりやすくバックボーン背景を持っていて、ときにストーリー物語の都合でステレオタイプ画一的な人間関係の衝突が起きても、最終的にはご都合的に和解する、あるいは破局する。
そこは現実は物語よりつまらなく、すこし辛い。
頭の中で登場人物と登場人物の会話をする。どちらもなにを考えているのか、文面以上に頭の中で想像する、……ふふふ、思考は尽きないな、雄大に考えられそう(無限ではない、有限)
それでも考えても考えても答えなんてないんだ、それは現実もそうだ。

わたしは目が細め、瞳は大きい、はなは……普通?んんー認識阻害が発生していますな、まあいいでしょう、
唇は薄め、きっとお化粧……メイクはよく乗る方、すこし長めの髪に隠れがちな耳は、音楽を静かに心地良く聴き取るためについているのだよー、赤い頭巾のおんなのこに話し聞かせるように、わたしは頭の中で一人、独りごちるのです。

お金はあまりない、父親は出ていった、いなくなった、養育費ってなんだったのだろう。
お母さんは困っていた、だからお母さんのそばで眠ることにした、喜んでくれてたら、いいな。

異性の親に愛されないのは不幸だとだれかが言っていた。
同棲の親は敵だとも言っていた。
それぞれその人なりの理由があるんだろうなと思いながら、わたしは音楽に耳を傾けうとうとと眠る。
イヤホンからながれる状況に似つかわしくない激しめのEDMエレクトリックダンスミュージックに、疲労感がまさった。
おかあさんがあたまをなでてくれる、人はちがう、いきもの、なんだな。

「お母様のご生年月日を教えて頂けますか」
「はい、○年の○月○日です」
「ありがとうございます、続きましてお父様のご生年月日のほうもお願いできますでしょうか」
「……すみません、……わかりません」


アニメもすこしみる、ゲームはかなり好き、え?あんまりお金はないんじゃないかって?それはさ、その、無いなりに、それぐらいはあるんだよ、ていうかそんなこと言われたら、言われたほうがどんな気持ちになるか想像できないのかな、わたし、楽しい話をしようとしているんだよ、なんでそんな、わたしを責めるような、非があるような、矛盾点を付く、粗を探すような、……まあいいか、聞きたくなる理由があったんだよね、しょうがないよ、うん。

人といるとつかれるな。
なんにもしたくない。
……音楽聴きながらゲームしよ。

暗い話が好きだ。
破滅願望とかがあるわけではない。
ただ、暗いものに惹かれる。
それはきっとわたしが、しあわせだからなのだと思うのだけれど。
現実に悲しいことは嫌だ。
別にひねくれてるわけでも逆張りしてるわけでもない。
ひねくれてはいるかもしれない、心根がねじれているのか、まっすぐに育たなかった自負はある。
母のお腹を突き破ってこの世に産まれてきたわたしは、そのときの母の産む痛みをまだ想像もできないが、っていやちょっとまて、ちがうちがう、わたしはそこまで化け物ではない。
思い付きで口からでまかせりょく巫山戯ふざけすぎてしまった。
まだ、そういったことと真っ当に向き合える人という生き物らしさを養えていないのかもしれない。
やっぱりまるで人格破綻者じゃないかわたしは。
ところで産む痛みは、くるしいのかな?痛みだもんな?
母さんは、わたしを産んで、…………。

くるしかったかな?

んー、ディレクターズカット


わたしのこころすら切り貼りハリキリ
身勝手?幸せだよ、個?じんるいしゅ?これ以上なにを希求すればいい。

ああ、これあれだ
わたしが人から離れるときのやつだ!

あははっ


人の気持ちなんてわからない。
自分のことさえ、どこまで理解できているのか、それを確認する術をカミ様はわたしたちに与えてはいない。
だからただ、ひたすらに、想像するだけ、痛みを、かなしみを、よろこびを、恐怖を、怒りを、快楽を。
呆れに怯え、失望に諦観し、苦痛を忘却することで、わたしは人間の考える。
こんにちは、人間さん、わたしはあなたのことを1つもわかってあげられませんが、
あなたのことをたくさん、たくさん考えるんですよ、これからも
今までも。