どん底の不安が楽しみに変わってゆく

一時的に預かってもらった施設の子供達は皆、卑屈さがありませんでした。

確かこの施設には、半月か一ヶ月しかいませんでした。
もう顔も名前もぜんぜん覚えていませんが、みんな優しくて朗らかで。親に捨てられるかもしれない子供達とは、思えない位みんな明るく、楽しい人達でした。

とても記憶に残っているのが、おやつの時間に天ぷらアイスクリームを作って食べたことでした。衣は温かいのに中は冷たいバニラアイスで。
不思議で不思議で、とても楽しくて、おいしくて。
その時食べた天ぷらアイスクリームの味を今でもはっきりと覚えています。

後にその話を父・力に話したら、
「テメー、なんでそんな嘘つくんだ、ああ?。アイス揚げたら溶けちまうだろうがよ。頭イカれてんのか、バカが。」

父・力はいつもこの調子でした。頭が悪すぎて、まったく会話になりませんでした。 これ以上何か言い返すと、殴る蹴るの暴行をくわえてくるので、力と話をする時はほとんど黙って話を聞くだけでした。

その後、土浦にある「窓愛園」という施設に預けられる事になるのです。


    この二つの施設での生活がなかったら、私は、人殺しに                 なっていたかもしれません。

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