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佐原を訪ねて①

最近、千葉の佐原へ行ってきた。用事もあったとはいえ、日帰り旅行の感覚に近い。

自宅から佐原までの所要時間は約3時間。現地での用事はあまり時間帯を気にしなくても良いものだったが、いくつか見て回りたい箇所がある。それもあり、最寄り駅を8時台に出発し、佐原へ向かった。車内、今日が卒業式なのだろうか、振袖姿の学生、出勤に向かうと思われる人、土日に外出するときに乗る電車ではあまり見かけない人たちだ。いつもより早い時間に家を出たのを実感する。

東京駅から総武快速線津田沼行きで成田方面へ。15分ほど後に成田空港行きが出ているが、津田沼の駅ナカを見てみたいので、津田沼行きに乗った。15両編成の車内は閑散としていた。東京の中心部を走っているのにもかかわらず、である。これから混むとも思えない。千葉方面から折り返すときに混むのだろうか?事情はよくわからない。

錦糸町付近でスカイツリーが見える。だが、天候が悪い。いつ雨が降り出してもおかしくない。スカイツリーは微かに霞み、町並みも薄い灰色の背景と混じりあっている。

津田沼着。成田空港行きまで15分ほど時間があるので、駅ナカを散策してみたが、釣果なし。基本的には地元の人たちがターゲットなのだろう。その場で買って家へ帰るときには便利そうな店が多い。だが、これから佐原へ向かうユーザーには合わない。面白そうな店もあったが、その店は別の場所にあることを知っている。そちらへ行けばよい。そんなこんなで釣果なしに終わったが、こればかりは仕方ない。

成田空港行きに乗る。11両編成の車内は座席がすべて埋まっている。この光景を見ると15両編成の電車が走るのも頷ける。車窓も低層の住宅が増えているものの、まだまだ住宅密集地を抜ける気配はない。

千葉を過ぎると車窓から見える景色がだんだん変わり、空が広くなってゆく。四街道辺りまで来ると、だいぶ落ち着いた昔ながらの町並みの様相を呈してくる。庭付きではなくとも、ガレージをゆったりとるスペースの余裕がある。都市は便利だがどうも窮屈だ。

千葉”都心”を思わせる風景は完全に終わりだ。田畑が広がってゆく。まだ作付け前のようで、茶色い土と水たまりが広がるだけだが、夏になると一面の緑になるのだろう。そして、こういうところで作られた食材が都市部に住む人々の生活を養っている。駅が近づくと住宅街が多少広がるものの、ゆったりとしている。つくづく思うが、住むならこういうゆとりのある町に住みたい。

成田からは銚子行きの電車に乗り換える。4両編成の電車は座席が埋まるくらいの乗車率だ。佐原や銚子へ行く人が多いのだろうか。佐原や調子だと土日に行くにはちょうど良い。総武線沿線に住む人たちにとってはちょうどよいお出かけスポットにもなるだろう。

11時過ぎに佐原着。以前訪れたときと雰囲気が異なっている。「0番線なんてあったっけ?」なんて思いながら改札を出た。駅舎も小江戸の町並みにちなんだ風情の建物だ。伊能忠敬像が観光客を出迎える。それにしても、駅前は小江戸の風情が全くない。昔ながらの町並みが残っている地域の多くに共通している。今までに行ったところで言えば、川越、栃木、津山、倉吉がこれにあたる。蒸気機関車が走っていたころの名残なのだろうか。そう感じざるを得ない。

佐原を巡ったときの感想は次回に回そう。


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