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ホワイトフラッグとチェッカーフラッグ

 最近はTwitterのスペースなるものがあるおかげで、他の方と直接お話することができるようになりました。 自分はまだF1とか他のレースを見始めて年数が浅いので、毎回勉強になるなーと思いながら聞いてます。今回は昨夜、今日早朝に聞いたことを元に書こうと思います。長いです。

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 まず大前提として、4輪と2輪、あるいは欧州のモータースポーツ(特にF1)とアメリカのモータースポーツではルールも文化も違う。 たとえば、ホワイトフラッグもカテゴリで意味が変わりますし。

F1やFEなどでは、前方に遅い車がいることを示します。
https://youtu.be/qaQxlikD0MA?t=157

 NASCARやインディ、IMSAなどアメリカのレースではラストラップを示す意味。 自分はこのホワイトフラッグ振られる瞬間結構好きです。

 

 MotoGPでは、レース途中で雨が振って、レインタイヤを装着したマシンへの乗り換えが許可されたことを示します。これをフラッグ・トゥ・フラッグといって、少し前のフランスGPがこうなりました。

https://www.youtube.com/watch?v=4vKXY6m87u4

 赤旗や黄旗は意味が似ていますが、このように意味が異なるものも多いです。 しかし、チェッカーフラッグはどこでも意味は変わりません。 そういう意味ではどれも「モータースポーツ」であることに変わりはないんだけど、F1独特のことなのかな?って感じたものも少なくないです。

 F1が数あるモータースポーツの中では人気も知名度も、人やお金が動く規模の段違いに大きいのは事実。 各チームが自慢のマシンを作り上げ、ドライバーも実力差揃い。 毎戦、勝利をもぎ取るためにドライバーはバトルを繰り広げるわけだけど、その一番の倒すべき相手となるのは同じチームメイト。 これは以前に書いた記事でも引用したのですが、ジェンソン・バトンも同じことを行っているんですよね。初めに倒すべき相手はチームメイトだ。って。 
それは自体は当たり前のことですが、F1見ているとたまにチームメイトに道を譲ったりするじゃないですか。あと、レースが終わってドライバーが互いをたたえ合う姿が好きなんですが、チームメイト同士や、4位以下の選手など、ポディウム乗れなかった選手から讃えられるのって、F1では少し少ない気がするのです。 完全に自分の主観だけどね。そういう意味では、昨年のイタリアGPはガスリーの元にはたくさんのドライバーが来ていて、いい瞬間だなと感じました。 
 「チームオーダーで同じチームのドライバーに道を譲る」というのは、自分が見たことのあるレースだと、F1くらいしかありません。NASCARの周回遅れで道を譲るのも違うし(他にあったら教えてほしい)他にあるのかな。 正直、自分はこういうの嫌いです。 
2人で対等にバチバチにバトルしてほしいから、というのがその理由。 お互いにずっと譲らないままだと、フォーミュラEのDSテチータの2人みたいになってしまうけど…(今季何回か同士打ちしてて、本人たちはぶつかりたくないのにぶつかる、みたいなことを言っていた)

 MotoGPでは、昔ロレンソとロッシがヤマハでチームメイトだった頃、ピットで壁を作っていたことは有名だけど、いまはライダー2人いたら2人とも対等に接し、バトルさせるというところが多いんではないかな。 自分個人の印象なんですが。 そして、もし自分が勝てなくてもチームメイトが勝ったら一緒にお祝いするなんて姿も見たし、他のチームのライダーもそれを称える。 MotoGPは見始めて日が浅いけど、すでに今年そういった場面を何回か見ています。

 じゃあアメリカではどうなんだ、って話なんですが、こっちでも相手がチームメイトだろうが激しく競り合うなという印象を持っています。 
名門チームは一つのカテゴリで何人も走らせているけれど、そういうことやっていないんじゃないかな。それはたとえチップガナッシのような名門であっても。
 4月にこんな記事(有料のですが…)を読みまして。
 今年から若くしてガナッシへ加わったアレックス・パロウと、長くインディカーで活躍し、昨年チャンピオンにもなったスコット・ディクソンの話。

 テストの時点でパロウがディクソンに匹敵するタイムを出しましたが、ディクソンも対抗心を燃やしているよう。 2010年に、彼はこう言ったそう。

The following year Dixon told this writer, “You can’t beat intra-team rivalry. Your teammate is the guy with the same equipment and access to the same resources. If you look at what he does, it gives you a chance to analyse your own skills and add them to your own…
 

 訳すと「チーム内のライバル関係には勝てない。チームメイトは、同じ機材を持ち、同じリソースにアクセスできる男だ。彼が何をしているかを見れば、自分のスキルを分析して、それを自分のスキルに加えるチャンスになる..」という感じ。 この頃はインディ500を3度制してるダリオ・フランキッティとチームメイトで苦戦していたんでしょうね。 流石にその頃のインディカー詳しくないけども。
 パロウも目覚しい活躍してる一方、ディクソンも若造には負けんぞと対抗心燃やしているのがいいですね。20代と40代なんで結構な年の差あるけど、どっちも頑張って欲しい。

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   F1のモナコGPもそうだったんだけど、F1ってレースそのものだけではなく、その側で行われるパーティーとかイベントとかで来客をもてなしますよね。 たまにそっちが主目的なんじゃないかと思ってしまうんですよね、違うと思うけど。 いまはF1を無料で見れる国は少ないみたいです。他のカテゴリーもそうだし、これが悪いことだと自分は思いません。 
もう、誰でも気軽に見れるものではなくなってるし、レースを好きな人が契約して見ればいいと思ってます。 ちなみにNASCAR筆頭に、スポンサーのおかげでYouTubeでレースが見れるものもそこそこあります。S耐とかELMSとかGTワールドチャレンジ、あとは今週のニュルブルクリンク24時間レースなんかも。 国内レースのスーパーGTとかもライブ配信気軽に見れれば変わるのかな。幸いYouTube公式のおかげで少したってからフルレースは見れます。
 確かにF1はあまりニュースにならないし、知名度も高くはないのかもしれないけど、スーパーGTとかスーパーフォーミュラは海外にも人気だし、4輪に関してはモータースポーツ後進国だとは思ってません。2輪は…MFJ頑張って。

 F1って大きいが故に内部でもめたりお金の問題が絡んだりするわけで…素直に言うとF1見始めて少しげんなりした部分もそれ。まあ、映画を見てそれは1990年代からそうだったと知ったし、むしろその時のほうがもっとひどいこともあったんですけどね。
 F1のドライバーの頑張りすべてが必ずしも報われるとも限らないのかな、とも思ったり。そのぶんインディやNASCARなんかはちゃんとその努力が報われる世界ではあると自分も思っています。(そのぶん不運も多いけどね)
昨年までハースにいた2人は別カテゴリーへ行ったけど、こっちでは対等に戦えると2人ともインタビューで言ってたし、それがいまのF1なんかなあと感じたりもします。 そこは来年からのレギュレーションでどうなるかというところもあるんだけど。 
 いろいろ書いて長くなりましたが、アゼルバイジャンのレースは初めてなので楽しみですよ。

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  最後に、ここまで書いていてふとミュージカル「ラマンチャの男」の台詞の一節が頭に浮かびました。主人公が「見果てぬ夢」を歌うあたりの台詞。

「一番憎むべき狂気とは、あるがままの人生に折り合いをつけ、あるべき姿のために戦わないことだ」

 ドライバーやライダーたちはあるべき姿のために戦えているのだろうか。


実はいいね、って登録してなくてもできるのよ