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「偶然と必然の時制」

先日、「日本語ジャーナル」でインタビューさせていただいた荻野雅由さん。その時に伺ったお話で印象に残っていたのが、「偶然と必然」についてです。私たちが「偶然」だと思っていることも、本当は時制が違うだけで「必然」であることもあるというお話でした。それで自分自身を振り返ってみても、そのようなことが結構あるなと思ったのです。

まず自分のキャリアの中で、働いてきた場所ですが、必然に導かれたとしかいいようがないケースがあります。最初の就職先であるP社との出会いは、ある偶然でした。大学4年生で就活を始めようとしていた時、たまたま見た雑誌(マガジンハウスの「オリーブ」)にその当時女子学生に人気のあった企業の社員たちの座談会が掲載されていました。先輩として就活やオシゴトについてアドバイスするような内容だったと思います。そのうちの1社は私が以前から気になっていた企業。写真が載っていた社員の方もキラキラしていて、憧れる~。それで私はその企業を受けました。1次、2次、日本青年館でペーパーテスト、さらに面接、全部で5回ぐらい面接があったような。ラッキーなことに100倍以上の倍率を乗り越え、入社が決まりました。研修期間を終えて配属が決まった時、なんと同じセクションの斜め前の席に、あの雑誌オリーブで見た先輩社員のC・Sさんがいたのです!
これって偶然?必然?

次は
そんな思いをして入ったP社だったのですが、退職してしまい、これからどうしようか考えていた頃、またまた雑誌で日本語教師という仕事を知りました。(まあ、あの当時の情報源って雑誌ぐらいしかなかったから)その雑誌で見たある学校の学園長夫妻のお写真がすごく気になり、直感的にここで働きたい!と思いました。その後、ハワイに行ったりとか紆余曲折の末、偶然この学校の求人広告を見つけ、教え始めたのは以前のnoteにも書きました。たまたま書店で雑誌を手に取った、そして学校紹介のページを見た、それも未来からの必然だったと思わずにはいられませんね。

さらに、自分でも一番驚いた偶然について書きたいと思います。
その頃、私は上記の学園長夫妻の学校S校で非常勤講師として働いていました。
ある日、電車に乗っていたとき、午後だったので車内は空いていて、立っている人はいませんでした。私は座席に座って何気なく向かいの席を眺めていました。すると私の前に座っている女性の顔が何故か妙に気にかかるのです。小柄な若い女性でした。顔立ちがちょっとエキゾチックで、日本人?中国人?それともベトナム?等、職業柄思いを巡らせていました。

さて数日後、1学期の最初の授業の日でした。教壇に立って、出席を取っていた時、教室のドアが開いて、遅刻した学生が息せき切って入ってきました。その時、私は、心の中で「あっ」と言ってしまいました。その女子学生は先日、私が電車内で妙に心を惹かれたあの女性だったからです。
これ、本当の話です。創作ではありません。
あの時はなんて偶然!と思っていたけど、マサさんの話を伺ってから、これも未来からの必然のストーリーだったんだと納得しているところです。

というように、私の人生の中では偶然の一致、いわゆるシンクロニシティかな?と思えることがよくあります。

最近のハイライトは、何といっても甲子園ボウル!
ってなんのこっちゃですよね。

元NHKアナウンサーでラジオパーソナリティー、日本語教師でもある近藤冨士雄さんとインタビューやイベントなどで知り合うことができ、SNSもフォローさせていただくようになりました。それで近藤さんの投稿で2021年の大学アメフト関東リーグで法政大学オレンジが優勝したことを知ったのです。近藤さんがそのゲームを実況していらっしゃいました。法政大学オレンジと言えば、息子の高校時代のチームメイトがキャプテン、そのお母さんとは中学高校を通じてのママ友です。最近はコロナ禍もあって会えていなかったけど、優勝したんだ!すごい。じゃあ、おめでとうって言わなきゃと思い久しぶりにlineしました。それで、ちょっと近藤さんの投稿で優勝を知ったということを書いたのです。
すると、なんとなんと、その方だったら、中華街のレストランで会った!というのです。そんなことってある?中華街ってレストランいくつあると思いますか?星の数ほどあるレストランの一つで偶然にも近藤さんと解説の宍戸さんの隣のテーブルに私の友人たちが座っていたんですね。

そんなことから、近藤さんがラジオ番組の中でそのことを話してくださり、友人たちはラジオ番組を聞き、メッセージを投稿して読まれ、というつながりが続いて行きました。
法政大学オレンジは、東北大学にも勝ち、東日本代表として、西宮市甲子園球場で行われる甲子園ボウルに出場することになりました。そして私の友人であるキャプテンの母とWRの母は甲子園で近藤さんに再会したのです。さらにさらに関東リーグ戦で解説をされていた共同通信の宍戸さんがキャプテン母の記事まで書いてくださいました。

彼女からlineでこの4年間は息子優先だったけれど、この記事のおかげで自分もリセットできたように思う。この記事は自分へのご褒美だ。これからは自分優先で生きるというメッセージをもらいました。
彼女の4年間がどんなに大変だったかと思うと、私も胸が痛くなるのですが、中華街のテーブルでの偶然の出会いから、アスリートの母である彼女への最高のプレゼントにつながったこのお話、やっぱり必然だったのかな。
私は近藤さんと友人をつないだだけでなんもしてないですけどね。

マサさんインタビュー記事
https://nj.alc-nihongo.jp/entry/20220127-nihongokyoshi 

宍戸さんコラム
https://www.47news.jp/sports/turnover/7197146.html 

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