見出し画像

プロシーンのBreeze攻略①:ブリーズの現状

てんぱと申します。ゲーム関係でライターをやっています。

VALORANTのアナリストに興味があり、新マップ「サンセット」に続きブリーズについて考察しました。2度目の試みということでレベルはそこまで高くありませんが、読んでいただけると幸いです。

サンセット記事一覧→リンク

今回はやや趣向を変え、①現状②エージェントごとの特長③④サイトごとの戦略⑤定点集の形を予定しています。

1.改修前のBreeze

Breezeは2023年1月公開のPatch6.0でマッププールから除外された。まずは改修前はどのような状況だったか、確認する。

VLR.gg」を参照すると、「Masters Reykjavík」においてBreezeの登場はわずか3回。全体で60マップ戦われたことを考えれば非常に少ない。構成もJett / Sova / KAY/O / Chamber / Viperを5チームが採用、例外はKAY/Oに代わりSkyeを使用したDRXのみとかなり限定されていた。

「Masters Copenhagen」では全66マップ中5回とやや出番が増えたものの、プレイしたのは6チームのみ。Yoruを使用するなどスタイルが独特すぎるFPX / PRXを除けば構成の幅は狭いままで、Chamberに代わりCypherが一部出た程度となった。

「Champions 2022」では86回中11回に増加。Cypherのピック率が27%に上昇、Jettに代わりNeonやPhoenixを出すチームも現れ、FNCがBreachを出すなど多少の変化があった。一方でSova / Viperはピック率100%を維持、Jettも82%、Chamber68%、KAY/O64%と大枠は維持されていた。

各サイドの勝率を見ていくと、Reykjavíkはアタッカーサイド勝率59%、Copenhagenで49%、Championsで47%と推移している。さすがに見返すことはしないが、サイファー採用チームは守り側でより勝率が高くなっていた。

2.改修後のブリーズ

その後、2023年8月30日スタートのPatch7.04にてBreezeはマッププールに復帰。リワークの目的としては、「エージェントとチーム構成の多様性について改善の余地がある」「空間をシンプルにする機会を持つマップでもある」と述べられていた

「シンプルな空間」に関してはまさにその通りで、midのルートは実質半分になり、Aホールの通路は消え、Aケイヴも通れなくなった。リワーク後の主な変化をまとめると、以下のようになるのではないか。

①中央ピラー・スペース・ウッドドア
→攻守両方で中央pushが難しくなる。ウッドドアが全開になったことで、防衛側はAからドアを通してmid抜けを確認することができるようになる。

②Aショップ・ケイヴ
→ケイヴが無くなり狭くなったことで、攻撃側が設置後に引いて解除阻止というプランが取りにくくなる。また攻撃側のルートが1つになったため、防衛側が前目で守るプランが生まれる。

③Aホール
→防衛側pushと攻撃側ラークの確率を考えれば、防衛側有利な改修。ドアを開けて階段で守る選択肢を取りやすくなった。

④Bサイト・バック
→狭くなったが、箱の追加などでバックの耐久力上昇。段差を利用し、Bトンネルへの射線を置けるようになった。

3.改修後の構成

ラークのリスクが減ったことにより、Patch7.06-7.08ではノーセンチネル構成が流行した。「TEN VALORANT」ではDRX,EDG共に2イニシエーター2コントローラー構成を採用、ヴァイパーハーバー構成が人気を集めていた。

さらに中国大会「China Evolution Series」でもAct1でハーバーのピック率が75%を記録。(ヴァイパーは100%) Act2でも68%と高い数値を残し、ネオン・スカイ・ゲッコーも登場するなど、「エージェントとチーム構成の多様性」も見られていたように思う。

しかしPatch7.09でCypherのトラップワイヤー(C)が大幅強化されると、状況は大きく変わった。防衛側Bサイトにおける強さからピック率が急上昇すると、ワイヤーを破壊できるショックダーツ(Q)を持つSovaも人気となり、必須のJettとViperにフラッシュ要因で枠が埋まってしまっている。

小さな大会のデータも含むが、「RIB.GG」ではパッチ7.10においてJett / Sova / KAY/O / Cypher / Viperの古い構成が全体の4割を占めている。KAY/OをSkyeやReyna、Yoruと入れ替えれたものを含めば6割超えで、あまり多様性は見られていない。

4.今回見た試合

こうした前提のもと、今回は以下の9試合をチェックした。

ESL Clash of Nations 2023
・Team NKT vs Oasis Gaming (11/24)

China Evolution Series Act3: Heritability
・EDward Gaming vs FunPlus Phoenix (11/25)

Game Changers Championship 2023
・Team Liquid Brazil vs Shopify Rebellion GC (12/4)

AfreecaTV LEAGUE
・Paper Rex vs DRX (12/7)
・T1 vs Team Liquid (12/8)
・Sentinels vs Paper Rex (12/10)

Sean Gares Showdown
・Moist x Shopify vs Oxygen Esports (12/11)

Mandatory Cup
・Acend vs UCAM Esports (12/15)

Convergence 2023
・Team Vitality vs FURIA (12/15)

5.主な構成・統計

以上の9試合で見られた構成は以下の通り。

Jett,Sova,KAY/O,Cypher,Viper: OAS,FUR,SEN,ACE,UCAM,TLBR,SRGC
Jett,Sova,Cypher,Viper,Harbor: DRX
Jett,Yoru,Sova,Viper,Harbor: T1
Jett,Yoru,Sova,Viper,Omen: PRX
Jett,Skye,Cypher,Viper,Astra: VIT
Jett,Skye,Cypher,Viper,Harbor:OXG
Jett,Sova,KAY/O,Viper,Harbor:MxS
Jett,Sova,Skye,Viper,Harbor: NKT
Yoru,Sova,KAY/O,Cypher,Viper: TL
Neon,Skye,Gekko,Viper,Harbor: EDG
Raze,Sova,KAY/O,Viper,Astra: FPX

さすがに全構成を触れるわけにはいかないが、Yoru構成、2コン構成、2イニシ構成、Cypherがいる場合いない場合などいくつかに分け、次回以降考えてみたい。

なお9試合の結果を合わせると攻撃側のラウンド取得率は56%となった。様々な大会を見ていると、ほぼ五分~攻撃側微有利程度の結果が多くなっている。

今回の記事では攻撃側or防衛側有利という話が出ない。各サイドの基本的なプランなどについて書くことが多くなると思われる。読んでいただけると非常に嬉しい。

次回→プロシーンのBreeze攻略②:ブリーズの基本プラン



この記事が参加している募集

#VALORANTを熱く語る

847件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?