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ストーリー・オブ・マイライフ/私の若草物語

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監督 グレタ・カーウィグ 主演シアーシャ・ローナンによる
ルイーザ・メイ・オルコットの若草物語の映画化。

マーチ姉妹の暮らしを軸にした4姉妹それぞれの物語
次女のジョーが過去回想する方式で振り返りながら描いていく感じでしょうか。時系列が行ったり来たりする事に加えて、
その時系列が「比較的近い時代」なため、登場人物の見た目がほとんど変わらず、場面転換時に、過去回想なのか現代なのかわかりにくい部分がやや多かったのが気になりましたが、一応演出や、季節が違うなどで変化をつけているので、それを差し引いてもとても楽しめました。

監督の作品に対するリスペクト感と理解の深さもそうですが、
登場人物の演技の幅の広さもあり、セリフで全部説明しなくても、
演技と間で色々伝わるこの…若気の至りや、若さゆえに失いたくない物や、
自分を変えてしまう事の怖さという、普遍的な感情のキビといいますが、
そういうのがね、刺さるんですよ。

特に次女ジョーは小説家志望なので、編集さんとのやり取りとか、この作品は面白くないと言われた時の気分とか、物書きのモヤモヤや、やりたい事を実現する為の気苦労というか、自由にしたいが自由に出来ない辺りとか、何か色々共感出来るというか。 

そういうのは僕に限らず作る系の人達は皆、少なからず共感出来るのではないでしょうか。


4姉妹についても、言いたいのに言えない、とか、ぎゃくに絶対ここはゆずれない、みたいな感情表現がどの俳優も上手くて、作中の時代での女性の生き方や、それに立ち向かう姿等は、現代にも共通するテーマの一つとして素晴らしいのではないでしょうか。強く、自分で決める、という決断を4人それぞれがちゃんと選ぶ。かっこいいです。

そこにドンと居座るメリル・ストリープの重鎮感と、ジュラシック・パークや最後のジェダイでおなじみのローラ・ダーンの演技。

姉妹の「ずっとこのままなら楽しいのに」という部分も、兄弟姉妹ではなくても、学校生活などに当てはめれば、皆一度は経験したことがあるんじゃないかしら、という、
あの時ああしていれば、こうしていれば、なんて余計な事をつい
考えてしまう、そんな映画でした。

これは実際若い人も、年を取った人も、甘酸っぱい気持ちに
なるというか。感慨深いのではないでしょうか。

時代が古い設定、原作が作られたのもかなり前の作品ですが、
扱う内容やキャラクターが、普遍的な内容なためか、古さを全く感じず、
ああ、やっぱりいい作品はいつの時代も良いんだなぁ、という事を
再認識させられる、素晴らしい映画でした。

映画館で観る作品は基本的には派手なアクションを選びがちなんですが、
こういうのもいいな、と。


あと、漫画描きの僕としては作中の
「女性主人公ならエンディングはこうじゃないと売れない」とか
「ここはこうしないとダメ」
みたいな部分や、印税と著作権の部分のジョーと編集長のうち合わせ場面は
打ち合わせあるあるで面白かったです。

昔を思い出してモヤモヤしたい人は、是非。


後はあれですね、エマ・ワトソン。彼女は魔法が使えなくても、美しい(笑)

あと末っ子エイミーを演じていたフローレンス・ピューがラストオブアス2のアビーに顔が似てる。


と…ここまで書きましたが、実は僕は「若草物語」を読んでおらず、アニメも見ておらず。何も知らない状態で映画を観て、十分楽しめたので、原作物でたまに思う「原作知らないしなあ…」という人も、全く問題ないと思います。

この映画、僕は「映画一日観放題ドリンク飲み放題で2500円。イオンシネマ「ワンデーフリーパスポート」使ってみたのです(7月3日~7月31日まで)」

これで4本まとめて観まして、期待値としては

アンチグラビティ~千と千尋~若草物語~透明人間、の順だったんですが、

結果は若草物語~透明人間~千と千尋~アンチグラビティ、でした(笑)千と千尋は初見だったらもっと高くても良いんですが、何度も見ているのでこの位置で。







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