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ゴジラマイナスワン(ネタバレあり)神木隆之介、浜辺美波、佐々木蔵之介、吉岡秀隆、安藤サクラというエクスペンダブルズVSゴジラ

山崎貴監督作品、ゴジラマイナスワン。

久しぶりに国産ゴジラでしょうか。僕はゴジラは1984年の
いわゆる沢口ゴジラ序章~沢口ビオランテ沢口、の流れからの
ゴジラ組で、ゴジラは相当好きな部類の映画でして。
今回もやはり公開日に観ねばなるまい。
祭日公開日なので凄い込んでました。

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あらすじ

戦争後期、特攻を回避する為、戦闘機の故障を装い突如大戸島に着陸した
主人公敷島は、突如現れたゴジラに遭遇し対峙するが、自分の不甲斐なさで島の整備兵を全滅寸前に追い込んでしまう。
その負い目を持ったまま戦争は終わり東京に戻った敷島は子連れの女性、大石が家に住み着いた事で一緒に生活することに。
戦争と、最初に出会ったゴジラの出来事の精神的傷から悪夢を見る毎日。
数年後、ゴジラはアメリカの核実験で巨大化、今度は東京に現れた。

(以下ネタバレありです)

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まずもって作品の中心ゴジラから。
演出がカッコいい。最初に出る小さめのゴジラは
被爆前のゴジラのようで動きも早く小型、人を噛んで放り投げる位のサイズ。ジュラシックパーク的な躍動感で、通例の隠す演出も無く一気に出現し全身を見せ、大暴れする。
その後核実験を経て巨大化したゴジラはいつも通りの、といっても最盛期の
半分位の身長なんですが、初代ゴジラとあまり変わらない時代なので
建造物との対比などがちょうどよく、迫力がマシマシ。
海上戦闘も逃げる船から見たゴジラの顔面が迫る場面などがカッコいい。
ゴリゴリ人間を追いかけてくる、それが今回のゴジラ。

あとやはりあのBGM。今回はあれがモリモリかかるので上がります。
ある意味ゴジラが居て、あのBGMが流れれば勝ちと言う処はあります。

熱線の演出も、オマージュあり、思い描いていた熱線これだよなもあり。吐いた先でキノコ雲がボーンとか、新しいわけではないですが
やっぱ迫力ありますよね。

地表が放射能で汚染するとか、黒い雨が降るとか、ゴジラの皮膚片が落ちている(ゴジラ細胞)とか、普通に考えるとやばいんですが、国民全体に
放射能の怖さが知れ渡る前、と考えればまあ、ガンガン光を浴びても誰も
何とも思わないのも当然なのか。
トゥルーライズなんかホラ、目を覆えば大丈夫、なんて言いながら
シュワちゃんのキスシーンとかあったじゃないですか。

今回のゴジラはその生態、出現経緯から、すべてが謎で、行動原理も全くわからない、ただただ異形の化け物で、大戸島の伝説でだけ知られる怪獣。
それについて調べる人も出てこない。わかるのはアメリカの核実験で
さらに巨大化した、という事だけ。
戦後復興に忙しい時代に、ようやく少しづつ…という負100%からマイナスへ突き進む、それがゴジラマイナスワン。
地獄オブ地獄です。

ただですね、ちょっとだけゴジラの動き問題で気になるところが。
例えばゴジラが泳いでる所で、突如地面に足をついてるような立ち方を
する場面があってですね、上半身停止状態で。海底1500メートルあるらしい海上で立ち上がった姿勢で地面にいるような立ち方が凄い気になって…(いや、猛烈にバタ足してるならそれでもいいんですが、上半身にそれらしい動きが見えない)とか、
地表での上半身の動きや、歩いてないときの動きはカッコいいのに歩き出すと一歩一歩完全に停止する動きとかが気になるというか。
シンゴジラはとても合っていたんですが、マイナスワンは動きが激しい
ハリウッドオマージュ的な部分があるので、特撮っぽい動きが混ざると
雑音になる気が。
その辺はハリウッドのゴジラの歩き方のほうが好きかも、あれはあれで
動き早すぎる説ありますが。

あと、今回何故人間を襲うとか地表に来たとか特にないんですが、唯一
「縄張り意識」という事があったので、再び東京に戻ってくるのは
犬の散歩のようなものなんでしょうか。それにしては怖すぎます。

ゴジラの出現シーンや、過去作品のオマージュ(ニュースキャスターの演出や、ゴジラ細胞、音楽にラストのGMK演出など)は過去作品を沢山観ていれば楽しめる所ですし、BGMもいい。別に知らなくてもきにならないでしょう。演出自体はそれなりにカッコよく「おぉ」と。
ゴジラもう完全にカッコよかったです、僕は好きです。

再生能力の高さなどは、GMK系統の流れでしょうか。

GMKや、変化球だとファイナルウォーズとかも好きな僕としてはアリです。

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物語

主人公敷島と大石、連れの子供のいびつでな関係の中の小さな幸せに、
敷島自身のトラウマがブレーキをかける中、再び出現したゴジラとの対峙。
ゴジラを倒してこそ自分は過去を乗り越えることが出来るのだ。
というのが大雑把なベースで、ここに災害級モンスターゴジラが
一方的に東京を蹂躙。
アメリカはソ連の確執で軍隊を動かせず、日本だけでどうにかしなければならない。処分される予定だった軍艦を提供され民間でゴジラを討伐しなければならない…。さぁどうする!? 


結構物語も面白いと思うんですが、なんでしょう、ちょっと雑な部分と、
丁寧過ぎて親切過ぎる演出が、気分が盛り上がる前にネタバレを食らったような感じになってしまい、テンションが上がりきらないところも。
いや、そういうのはある意味「そんなんゴジラがかっこよければいいだろ!」というのもあるので、些細な問題かもしれません。
僕も色々思う処はあったんですが、書いてるうちに、まあ、いいかと(笑)

トラウマを克服するために戦闘機に乗りゴジラに向き合う主人公と、
民間が団結してゴジラと戦う、熱すぎる。

それより気になるのは俳優陣のですね。
気合が入っていてとても素晴らしいのですが、そこはかとなく感じる
レギュラー感
とか、
吉岡秀隆さん演じる野田博士の「あぁ、北の国からの彼がこんなにおっきく立派になって…」とか
安藤サクラさん演じる近所のおばさんのピーキー感というか安定の安藤サクラさんとか
そういうキャラクターだから、というのはわかるんですが佐々木蔵之介さんの佐々木蔵之介さん感とか
神木隆之介さん、浜辺美波さんの朝の連続ドラマ感、spec感がその…
強すぎてですね。ちょっとしたエクスペンダブルズなんですよね。
何が言いたいかというと、役者の演技が凄すぎて話が浮く位演技が凄い。
俳優がバツグンすぎて物語が別の方向で気になるというか。

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最終的にはある作戦によってゴジラにダメージを与え、神木隆之介さんが
大活躍しゴジラにとどめを刺すんですが、永遠のゼロ的で素敵です。
戦闘機がゴジラに向かう間とか、ちょっと日本的演出過ぎて、時間を取るのでもう少しスピーディーだと個人的には好き。

さて、ネタバレで一番大きいのはやはりここではもう未来の奥さんでいいでしょう。大石さんビオランテ演出。
中盤でゴジラの吐いた熱線の爆風から敷島を救うために
自らが犠牲になって助けた所、物凄い爆風で吹っ飛ばされ死亡した、
とされるんですが、
作中ニュースで「ゴジラの皮膚片」に言及する場面があり、
=それは沢口靖子を復活させたゴジラ細胞に他ならない。

ラストに大石さんは無事あのあり得ない爆風から生き延び、病院に
搬送されているんですが、首元に浮かび上がる謎の黒い血管…。

これはもう、一度死んだところゴジラ細胞の影響で再生したか、
瀕死の重傷の最中再生したか、
ともあれ大石さんは沢口化したわけですが、バラは咲かない。
次回作への複線でしょうか?浜ランテでしょうか。

そしてGMKよろしく、ラスト無事民間に駆除されたゴジラは
粉砕、海中で再生を始める所で終わります。

色んなゴジラや映画のオマージュあり、派手な演出、熱いドラマ
ともう万点に近いと言っていい映画なはずですが、俳優さんの
頑張りか、ゴジラの見えなかったバタ足のせいか、
何かが引っかかって80点位?
でも多分ゴジラシリーズ自分的ランキングだと神7位には
入るのかもしれない。
特に初代イメージが強い時代背景なので、戦後とゴジラ、
やはり合うのでしょうか。

いやぁ、面白かったです。





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