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木こりのジレンマ VUCAな時代に異常値を叩き出せ!

TwitterがXになるとかならないとか正にVUCAな時代ですね。

VUCA(ブーカ)とは

・Volatility(変動性)
・Uncertainty(不確実性)
・Complexity(複雑性)
・Ambiguity(曖昧性)

の略語です。

要するに何が起きるか予測できないことを意味しています。
天気も経済も科学も政治もあるゆることが予測できそうで予測不可能。

かくいうバイデンのシステムもTwitterでアフィリエイト活動をする前提で開発を進めたわけですが、経営陣が変わるわ、APIの無料は廃止されるわ、サービス名は変わるわでワケワカメですね。

そして、Chat-GPTとStable Diffusionなどの登場で生成AIブームが来ています。

これらを去年の夏頃に予測できたかというとまったくできませんでした。はい。
AIが台頭するにしてももっとあとで違った形かなと思っていました。

しかし、地獄の釜の蓋が開けばミソもクソも一緒なわけで、巨大テック企業が余すことなくAI分野に参戦しています。
残るのは焼け野原。

さて、そうなるとネットビジネスもいろいろと変わってきます。
特にSEOは大きく変わります。

AIによるライティングが当たり前になるとブログの価値は下がるだろうし、検索エンジンよりAIに質問した方がより親切で分かりやすいとなれば、検索エンジンも検索結果だけを表示するのではなく、答えそのものを表示するようになります。

つまり、検索結果からサイトへの流入が減ってしまうだろうと考えられます。
以前より検索結果のスニペットが問題視されていましたが、それが加速する形です。悪い形で。
ブログはAIの教材として消費され、やがてはAIが毎日のように商標登録や実用新案、著作を提出するようになれば人間軍の詰み確定です。

私はWordPressを中心に仕事をしてきましたが、ランサーズの案件なんかも減ってきていますし、そろそろ潮時なのかもしれません。
ダメなら別の分野に移ればいいだけなのですが、問題は集客です。

ネットでの集客というとSEOとSNSに集中しています。
SEOは前述したように難易度が上がります。
SNSについてはインフルエンサーありきに篇重しています。

もちろん、既にある一定の実績を経てウェブサイトを運営している方や、既に多数のフォロワーを獲得している人たちは安泰かもしれません。
ではこれからスタートするカネもコネもモノもチエもない人たちはどうなるかというと、詰み確定です。

検証用に私のアカウントはわざわざ新しいSIMを購入して、メインとは別に新規アカウントでやっています。
フォロワーも2桁台です。

今ネットで問題にすべきは、モノはあるけど知ってもらえない知名度問題です。あるいは認知度問題。
名前さえ分かってもらえれば買ってくれる、売ってるところさえ分かれば買ってくれる、という人がいるかしもれません。

しかし、その最初の知識、知って分かってもらうまでのコストが異常に高いんですね。
ネットは情報をプルするのは簡単なんですが、プッシュして誰かに届けようとすると途端に難易度が上がります。
情報税ともいうべきバリアが張り巡らされています。

良い商品やサービスがあったとしても、それを必要な人に届けることが難しい、それがネットの集客問題です。

で、答えを先に書いてしまうと、集客問題を解決するのは、「うまくいくことがうまくいくコツだ」ということです。
成功することが成功するコツ」だとも言えるし、「売れているものが売れているモノ」だということです。

A = A ということです。

なんだか禅問答みたいですね。

これはコールドスタート問題とか、鶏卵問題と呼ばれている命題です。
服がなければ服を買いに行けないとか、仕事経験がなければ求人に受からないみたいなもので現代人にかけられた呪いですね。

立ち上げ初期というのは、たいてい「生産者(卵)」も「消費者(鶏)」もいないゼロからのスタートです。
生産者がいなければ消費者が集まらないし、消費者が集まらなければ生産者が集まりません。
需要と供給を同時に満たす必要
があります。

需要と供給を同時に満たす方法は古来より広告宣伝です。
広告を打つことで生産者と消費者の両者に需要と供給をアプローチすることができます。

ではなぜみんな広告を使って一儲けしないかというと、広告の効果は一時的だからです。
広告は打てば打つほど効果が逓減します。

ということは、初回の効果を二回目、三回目と上回るには広告費を増大するか、商品自体がよくなければいけません。
これがいかに難しいかはヒットした映画の二作目がさらにヒットするのが難しいことと似ています。

人の感覚というのは対数比例的に麻痺して逓減していくため、期待値を上回るには相当の努力が必要です。
かくして一度広告に手を染めてしまうと、ずぶずぶと抜け出せなくなり広告費が利益を逼迫することになります。

もちろんお金がジャブジャブに余っていれば別ですが、カネもコネもチエもない立ち上げ初期には到底無理ですね。
じゃあ、あきらメロンと言ってしまえばそれまでなのですが、集客問題というのは今や企業や商店だけの問題ではなく個人の問題としても立ち現れてきています。

例えば、SNS上での発信力がある・ないがそのまま力関係になることだってあります。
VUCAな時代リアルはSNSなんて関係ないよ、とは言い切れないんですね。怖いことに。

では、SEOはAIコンテンツに汚染され競争が激化する中、残るはSNSでインフルエンサーになることが集客の鍵だとすると、それはそれで厄介です。

SNSが個人で発信力と影響力が持てる拡大装置だったとして、SNSでの発信って疲れるんですよね。
好きな人はいいんですけど、私のように開発をメインにしている者にとっては、そんな暇ないと言いたくなります。

これは、「木こりのジレンマ」という寓話で説明できます。
こんな話です。

ある木こりが、一生懸命がんばって木を切っている。
通りがかった旅人がその様子を眺めていたが、斧を振る勢いの割に木が全然切れてない。
見ると木こりの使っている斧が刃こぼれしている。
そこで旅人は言った。

「斧を研いだほうがいいのでは?」

すると、木こりは言った。

「わかっちゃいるんだけどね、木を切るのに忙しくてね、それどころじゃないよ」

この話は効率の悪い仕事の喩え話として用いられます。
アメリカ大統領のリンカーンは

「もし8時間木を切る時間を与えられたら、そのうち6時間を私は斧を研ぐのに使うだろう。」

なんていう名言を残しているとか。

私の場合は開発で使う脳と情報発信で使う脳は違うので、一度没頭すると頭の切り替えが難しいですね。
でも情報発信をこまめにしてファンを増やす、というのは理解できます。

だからSNS上でセルフプロデュースやセルフブランディングが重要なんだ、という話に繋りがちなんですが、それもなんだか危うい。
私が思うにセルフプロデュースやセルフブランディングというのはある意味プロミスなんですよ。
私とはこういう人であるという一貫性を定義してその通りに演出する。

でもそれって、「本 当 に 私 の や り た い こ と か?」といつも疑問符が付くんですよね。
ワナビー君にとっては願ってもないのかもしれないが、度が過ぎたセルフブランディングは必ず崩壊する。イメージは必ず本体を追い抜く。だって実体がないからね。
他人の期待を一身に背負うのは立派だけれど、そこに本当の自分らしさはあるのだろうか?

お金は手に入るけれど、自由意思を失うのならば本末転倒じゃないの? と。
(成功したフリーランサーは田舎で農業やりがち問題とか)

私が個人的に怖いなーと思うのは、例えば毎日6時間ライティングをして日給1万円/月給30万円です、というのは確かにすごいけれど、それはある意味一生6時間のライティングを強制され続ける刑にも思えること。言うならば作文刑。

やりたくてやるのでないのならば、斬新な刑罰であり、それがあと何年も続くと想像するだけで気が遠くなる。
魂が磨り減りそうだ。あるいはMPがめちゃくちゃ減りそう。

意味分かるかな?

しかし、ボロボロの斧を使い続けても意味がないことも事実。
時代が個人開発者も情報発信に力を入れるべき! と移り変わっているのなら、その通りにした方がいい。

ただし、ただ漫然と情報発信をしても意味がない。
研究すると分かるんだけれど、例えばバズったツイートがあったとして、それをそのままパクってもバズらない。
アルゴリズム的にも類似したツイートはシャドウバンになりやすい。

これは何を意味しているのかというと、SNSで発信する情報そのものに価値があるわけではないんだよね。
発信するタイミングやそれを見つけて理解するフォロワーの有機的な働きによって拡散されていく。
なにを言ったかではなく誰が言ったかが重要なのだ。真実より事実が現実になるようなもの。

間違ってもおじさんがランチの写真を上げ続けてもフォロワーは増えないだろう。
とはいえ、本業そっちのけで夢中になるのも本末転倒だ。

そういった意味でいうと、有名フォロワーのいる発信者のツイートはバズりやすいし、注目されている人は注目されやすいという身も蓋もない結論になる。

うまくいくことがうまくいくコツなのだ。
べき乗則が働いていて閾値を超えると指数関数的にうまくいく。

ポイントは閾値を超えることだ。
ここでいう閾値というのは量が質に転換される特異点のようなもの。

異常値を叩き出せ。これに尽きる。
本業をやりながら異常値を叩き出すというと、犯罪やギャンブルに手を染めがちだけれど本末転倒なのは言うまでもない。

で、私の場合はどうするか(どうやって斧を研ぐか)というと、AIを組み込んだSNS用の自動ツールを開発することにした。
今までは単なる自動ツールだけだとブランディングが難しかったが、AIを組み込むことで学習と成長させることができる。

例えばTwitterであればAPIに頼らない投稿ツールを開発すれば、本人は開発中でもセルフブランディングができる可能性がある。
魂を汚さないデタッチブランディングが可能だ。

可能性というのはやってみなければ分からない。だからとりあえずプロダクトを作ってみる。これ大事。

ポイントは全ての木こりより多く木を切る必要がないこと。
完璧さは不要で、言うならば追ってくる熊より早く、自分の横を走る奴より速く走れればそれでいいんだよね。
それが閾値となる。

早速ツールの管理画面を作り始めています。
これから個人サービスをローンチするにしてもコールドスタート問題は常につきまとうので、ハックするに越したことはない。

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