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#50 世界最高峰・エベレストを見たかったけど...🇳🇵

5/21〜22 ナガルコットの村🚌

ネパールに来たんだ。せっかくだからエベレストを見に行きたいと思った。バクタプルからは「ナガルコット」という場所がなかなか良いビュースポットだとホステルのオーナーが言っていたので、約一時間かけてバスで向かう。バス停はホテルから5分ほど歩いた町の北東にから出ている。すし詰状態で発車する。山には段々畑が広がり、長閑な田園風景が広がっている。空気が悪く、霞んで見えるのが残念だけれど。

ナガルコットの田園風景

到着して降りると、運賃回収の若い兄ちゃんが、「運賃は100ルピーだ」という。「こいつ、やってんな笑」と思った。明らかにぼったくられている。事前に調べたところ、35ルピーから50ルピーほどが相場のはずだ。ウクライナ戦争で石油の値段が上がっていたとしても、倍の値段にはなりはすまい。実際、地元民が払っている金額は100ルピーより少なかった。前の西洋人二人は何の疑問も持たず、あっさり100ルピーを払っていたが、自分は兄ちゃんに質問してみる。「100ルピーよりも下だと思うんだけど」というと、「いや、100ルピーだ」と慌てたように強い口調で言う。どうやら質の悪いバスに当たってしまったようである。100ルピーは約100円に相当する。ここで揉めてもしょうがないから、100ルピーを払っておいた。確かに、いくら貧乏旅行者といえども、この金額くらいならばどうってことはない。むしろ一時間乗って100ルピーなら安すぎるくらいだ。しかし、そうは言っても料金をごまかすのは良くない。

ネパールについての色々なブログや旅行記を見ていると、「ネパール人は基本的に人懐っこくて穏やかな国民性だが、悪いところは、お金持ってる人からはボッタクっていいという考えがあることだ」という意見があった。
国民全体からすればとんだとばっちりなのだろう。しかし、自分ひとりの行動によって、観光客が抱く国のイメージが決まってしまうこともあるということもまた事実だ。

これは自分も反省しなければいけない。日本人として、今までの言動はどうだったろうか。どんな相手にも、誠意と真心を持って接しているだろうか。「人のふり見て我がふり直せ」とはこのことだろう。ひとりの日本人として気をつけようと、彼を前にして思った。
ちなみにバクタプルからカトマンズへの帰りは50ルピーだったので、やはりこの金額が適正なのだろう。

ナガルコットでの昼食は「ディド」と呼ばれる、蕎麦がきを山菜やスープと一緒に食べるネパールの伝統料理にチャレンジしてみた。まさか、ナガルコットでこの料理に出会えるとは思わなかった。ネパール人になりきるべく、右手を使っていただく。オーナーが自分の隣に座り、味はどうかと聞いてくる。どうやらディドはネパールでもスーパーフードの扱いのようで、健康に良いらしく、オーナーも大好きなのだとか。食感はもち米を半殺しにしたような感じで、ほのかに蕎麦の香りが立っている。好き嫌いは別れるだろうが、自分は好きだった。付け合わせが少なくなってきたのを見たオーナーがおかわりをしてくれる。ディドを食べてまた一つ、ネパール人に近づけた感じが嬉しかった。

ネパールのスーパーフード、ディド。

夕陽を見に行こうと思い立った。どこか良い場所はないかと山道を歩いてあてもなく探したのだが、結局町の中心にある小高い丘が一番良さそうだった。犬が三頭先着している。夕陽が落ちるのを犬たちと一緒に待っていると、インド人のツアーの人たちも登ってきた。夕焼けとともに感傷浸ろうと思っていたその場は、瞬く間に喧騒のインドと化した。彼らの煩さから逃げるように、いつのまにか夕陽は雲の中に沈んでいた。

翌朝、朝四時半に起床し、朝日が拝めるスポットまで山道を歩いていくことにした。ホテルのドアは空いていなかったので、ベランダから飛び降り、他の客を起こすまいと、そろりそろり草むらをかき分けて抜け出そうと思っていたのだが、部屋にいた犬が、どうやら自分の気配と臭いを感じとって吠えられてしまった。自分はまさに泥棒であるかのように一目散に逃げ出した。
ビュースポットまでは徒歩で約40分の道のりだ。途中、タクシーが三台ほど自分を追い抜いて行った。残念ながら空は曇っている。ヒマラヤ山脈を観るのは絶望的だが、せめて朝日だけは見たいと思った。
スポットに着くと、既に先約がいた。彼はポルトガルから来たらしい。壊れた椅子に腰掛け、朝日が顔を出すのを待つ。かなり肌寒い。ウルトラライトダウンを持ってきて正解だった。途中でマグネット売りのおじさんがやってきて、我々二人に売りつけようとしたが、どちらも「ノーノー、サンキュー」と言って断る。こんな朝から営業とは恐れ入った。断っていると、ようやく朝日が出た。
後から来た西洋人カップルに席を譲って、下にあるカフェに入ってチャイニーズブレックファーストを頼んで朝食とした。しばらく粘ってみたが、ヒマラヤ山脈は姿を見せなかった。残念だが、こういう時もあるだろう。
また今度、山好きの母を伴ってリベンジすることにしよう。その時はヒマラヤ登山の玄関口「ナムチェバザール」までトレッキングするのも良いかもしれない。

ナガルコットの朝日。曇ってた。

徒歩で村まで帰ってきて、11時ギリギリまで寝た。バスでその日のうちにカトマンズまで帰ってきた。もちろん、途中のバクタプルでズーズーダウを食べてから。

日本でも流行らせたい😄

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