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#104 賄賂の現場🇲🇦
8/26 マラケシュからワルザザート/アトラス山脈を越える!
8/27地元民だけの満員ミニバスでアイトベンハッドゥへ
9時にホテルで朝食をとる。11時にチェックアウトし、フナ広場のATMで1000ディルハムをキャッシングして市内バスでマラケシュ駅に向かった。運賃は4ディルハム(58円)。昨日のうちにスプラツアーズバスの窓口でワルザザート行きのチケットを120ディルハム(1752円)で購入しておいた。出て右側に受託手荷物用カウンターがあり、バックパックをバスの荷物入れに入れてもらうために5ディルハムを支払う。
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12:45にバスは出発し、マラケシュの街を抜けたら荒涼地帯に入り、それからカーブが連続する山道路を進んでアトラス山脈を越えていく。スネークパスに近い感じでかなり酔いやすい。三半規管が強いと自負している自分でも若干乱された感がある。アトラス山脈の山肌は石が多く、色も場所により赤茶けていたり、灰色だったり、黒っぽかったりした。山間に幾つもの村があるが、その土壁や家の簡素さを見れば経済状態が良くないことは明白だった。
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走って2時間で頂上付近にある「Taddart Izdar」という村にバスは停まった。運転手に聞くと20分の休憩だという。乗客各々が村のレストランに入って行って遅めの昼食をとっている。入り口に山羊肉が吊るされてあって、タジン鍋がすでにセットされていたりする。日本語で「こんにちは」と声がかかり、「タジン鍋食べないか?」とお誘いがあるが、自分は大して空腹では無かったので、近くの売店で10ディルハム(144円)のポテチを買って食べた。休憩は20分だと思ったが、14:20までの勘違いだったようで、40分の休憩だった。
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アトラス山脈を越え、反対側に下っていく。隣のおばちゃんが車酔いに勝てず透明な袋に戻していたので、咄嗟に黒いビニール袋とトイレットペーパーを渡した。
バスがワルザザートのバスステーションに着いたのは17時を過ぎた時だった。どうやらこの駅から長距離バス、乗り合いバス、タクシー全てが出ているようだ。大量の勧誘がかかったが、今日はこの街の近くに泊まることを説明してやり過ごした。今日の宿までは7kmほど離れており、川を越えた先にあるので、タクシーを使う必要がある。「一人で行くと42ディルハムで、相乗りタクシーで行くと30ディルハムだ」と言われた。もちろん相乗りをチョイスする。自分が助手席に座ったのだが、3人シートの後部座席には女子4人がすし詰め状態で乗っていた。その内の一人が英語ができたので、軽い雑談をした。後ろの全員を下ろした後、運転手のおっちゃんは自分の宿を知っているらしく、その近くまで送ってくれた。ちなみに川を越えたところにあるグランタクシー乗り場まであれば、定期シャトルでグランタクシーが出ており、7ディルハム(100円)で行けたらしい。以降はそれを利用した。
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ホステルのオーナーは中年の女性だった。パスポートとホテル代2泊分を支払った後、ドミトリーのベッドまで案内してくれる。6人部屋だったが、まだ誰もいなかった。
休憩したあとは、街に繰り出した。夕食探しと、町の情報収集がてらにぶらつく。東洋系が珍しいのか、かなり視線が集まった。夕食はグランタクシーが多く停まっているバス停近くのレストランでチキンタジン鍋をお願いした。下味がしっかりと付いていて、鶏肉の繊維が細かい良い肉を使っていた。
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翌日、アイト・ベン・ハッドゥの集落を訪れるため、8時にホステルを出た。町の中央からグランタクシーが出ていて、バスの発着所まで7ディルハム(100円)で行けるのだが、調子が良かったので歩いていくことにした。歩いて出勤していく人がちらほらいる。長い橋を越えたところで、靴に違和感を覚えた。踵の部分が少し剥き出しになっていて、靴下が擦れている。世界一周に出て4か月半、何万歩も歩いてきた証がこの靴に刻まれている。靴底に至っては凹凸がもう殆どない。応急処置をしてからバス停に向かった。時刻は9:20になっていた。
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「何時に出発するの?」と聞くと、「10:30だよ」という。あと一時間もあるので、席を確保してもらってから朝食を取ることにした。客が多く入っている店に入って、ベルベルティーとパンを頼んだ。ティーポット、グラス2つ、大きな砂糖、そしてミントの葉が添えられて出てきた。最初ミントの葉をグラスに入れてお茶を注いだのだが、店員さんが「違う違う」といってミントと砂糖をティーポットの中に入れ、「2分間待って」と教えてくれた。自分はそのまま注いで飲んでしまったが、本来ここから7回ほどグラスとティーポット間にお茶を行き来させて混ぜるらしい。そのためにグラスが2つあるようだ。これは後から知った。パンの中にはオニオンが入っていたが辛かった。お会計は13ディルハム(187円)だった。
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ミニバスは時間通りに出発した。隣に座った現地人の青年イマドと仲良くなった。簡単な言葉は英語で、その他はグーグルの翻訳機能を使い、意思疎通を図った。13人乗りのバスは何度も泊まり、乗客はどんどんと増えていった。気付けば21人が乗り込んでいた。
興味深かったことは、検問所で警察官二人が座っているところに、バスの運転手が1.5Lの冷たい水ペットボトルを渡していたことだった。イマドに「あれは何をしているのか」と尋ねると、「賄賂だよ」という。つまり、定員オーバーの車をペットボトル1本で見逃してもらうという訳なのだ(笑) 賄賂がペットボトル1本で済むというこの事実はかなり面白かった。イマドも「これがモロッコだ」と笑いながら言う。警察組織も腐敗しているようだが、今回は可愛らしい腐敗を見た。
【次回に続く】
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