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#73 ギリシャ神話の舞台、クレタ島クノッソス宮殿!ミノタウロスに気をつけろ!🇬🇷

6/26〜27 クノッソス宮殿と古代博物館。そして長期計画の変更。(1€=¥157)

船がクレタ島に着岸したのは午前6時半だった。この豪華客船を下りるのは残念だ。バックパックを背負って、自分はまた旅人となる。今日のホステルは市内から少しばかり離れている。取った理由はもちろん、宿泊の値段が安かったからだ。
長距離バスターミナルの目の前の道路に路線バスが走っている。バス停で切符を買おうとしたが、どの切符を買えば良いのか思案していると、先に座っていた二人のお年寄りが助けようとしてくれた。しかし英語が伝わらず、お礼だけ伝えて当てずっぽうな切符を購入した。目当ての7番路線バスはすぐに来た。運転手に切符を差し出し、地図を見せて行き先を伝えると運転手はすぐに了解してくれた。

バス停。クノッソスの表示もある。

バスは市内を抜けて、バスなんか通れないだろうと思えるほど狭い道を進み、小高い丘を一周してから今夜のホステル前に停車した。

切符を切られる🎫

ホステルには年配の男性がいた。風貌はバイデン大統領をもう少しコミカルにした感じだろうか。独特な緊張感と寝不足も相まって、自分でも恐ろしく拙い英語になってしまった。のちにわかったことだが、彼はオーナーのお父さんだった。とにかく自分に一台のベッドを当てがってくれ、リネンを渡してくれた。シャワーを浴びて、自分はベッドに突っ伏した。
11時に目が覚める。オーナーが帰ってきていたので、改めてパスポートを見せてチェックインをやり直した。このホステルの地下はレントルームになっていて、ドイツから早期退職をして移り住んで来た夫婦がゆるゆると暮らしていた。まだ40代と思われる。どうやってFIREしたのかは聞き損ねたが、彼がスイカを自分とオーストラリアからきた18歳の若者にご馳走してくれた。🍉

14時半になって、ふと今日のうちに観光を終わらせておきたいと思った。スイカを一緒に食べていた二人に何番のバスが市内まで行くか聞いて、少し離れたバス停に向かった。ちょうど目の前でバスが行ってしまい、日差しが強い中、小一時間待つ羽目になったが、次に来たバスに飛び乗った。運賃は2.5€と少し高い。
市内まで出てきて、クノッソス宮殿行きのバスに乗り換える。チケット係が立っていて、1dayパスが5€でお得だと言われたので購入した。最初から知っていたら、ホステルまでの往復料金も浮いたのに。初めての土地ではこのような小さい出費はしょうがない。経験して学んでいくしかないのだ。
2番のバスがクノッソス行きのバスなのでそれに乗り込む。市内のバスは結構頻繁に流れていた。

インフォメーションチケットのところで1dayパスを買うのがお得。

クノッソス宮殿。紀元前1900年付近に建てられた宮殿。ミケーネ文明よりも400年前に興った文明である。高校時代、世界史の資料集でクノッソスから発掘されたミノア文明の豊かな絵のタッチを見て、心躍らされたのを覚えている。今から4000年前の人々の写実は、描かれた生き物たちが本当に動いているように思える。
この宮殿はギリシャ神話にも絡んでくる。現在は土台部分しか見れないが、ミノタルロスのラビリンス(迷宮)の舞台として知られている。4階まであったのだというからまさに迷路のようだったろう。

博物館とセットで20€
黒い色が特徴
王様に部屋
ラビリンス

イラクリオン古代博物館の入場料とセットになったチケットは20€だった。後ろに日本からの年配女性がいて、値段を知りたがっていたので教えてあげた。クノッソスの遺跡はミケーネ遺跡よりも大きかった。フレスコ画も多少残っている。遺跡には孔雀がいたのが印象的だった。🦚

観光客慣れしている
美しい毛色

観光もそこそこにして市内中心部に戻ってきたのだが、せっかく買った1dayパスを使わなきゃ損だということで、バスでスーパーまで買い物に行った。合計が予想よりオーバーだったが、まあ良いだろう。
食材を買い込んだ後で、古代博物館に入る。現在19時。20時に終了するということで駆け足で鑑賞する。壺や陶器に描かれている海の生き物たちは、生き生きと描かれていて躍動感を持っている。自分はそれらを鑑賞しているうちに、この文明がどんどん好きになっていった。クノッソス宮殿の模型があり、確かに迷宮感が凄かった。

ミノア文明の陶器
生き生き描かれている
ミノタウロス?
模型見ると確かに迷宮だね。

ホステルに戻って、夕飯の用意をする。例の如くペンネを茹でて食べた。食べ終わってオーナーと少し話す。
「日本人は結構泊まりに来るんですか?」と問うと、
「最近では君を入れて三人だけだ」という。日本人は誠実な人たちなのは知っていると前置きした上で、一人目の男の印象が無愛想だったらしく、ホステルの評価基準も厳しめだったみたいで、オーナーは語気を強めていた。まあ確かに、綺麗好きで平均的な日本人からしたらこのホステルは高評価には繋がらないのだろうが、自分は今のところ結構楽しめている。

ホステル屋上から。
長閑な景色。

次の日、自分はこれからの旅のルートに悩んでいた。そして三日後には、世界一出入国が厳しい国と言われているイスラエルに向かう飛行機に乗り込むのだが、おそらくその時に尋問されるであろうホテルの場所や行先、滞在日数などが全く決まっていない。無難に答えられないと入国が怪しくなってくる場合もある。イスラエルに行ったYouTuberの動画をみると、かなり質問攻めにあってるようで不安になってきた。午前中と午後の3時までを旅のスケジュール調整に割き、それからホステル近くのビーチに遊びに行った。しかし海に入ることはせず、持参したポテチを食べながら、遥か彼方の水平線と、そこからはるばるやって来たのであろう波打ち際とを交互に見つめながら、これからの大まかな旅程を考えていた。

カルテロスビーチ
落書き

深く熟考した上、アフリカ大陸を縦断する計画は断念することにした。どうやら時間も資金も足りない様子だ。急いで回れば出来なくもないが、スタンプラリー型の旅は自分の望むところではない。
しかしアフリカをじっくり旅しようと思ったら、時間的にも厳しい。そしてアフリカ旅は資金の面で予想以上に高くつくらしい。どうにか費用を抑えようと考えると、アフリカ旅にはテントや自炊セットが必須で、現在の自分のキャパシティをオーバーしてしまう。
自分はどうもアフリカを甘く見ていたようだ。

最終的にアフリカ大陸の縦断ではなく、横断をすることにした。エジプトから西へ向かうルートである。エジプトの西にあるリビア🇱🇾は国内情勢的に不安定で、外務省が発表している危険度もレベル4なのでそこは飛び越え、チュニジアを経由してモロッコを目指すルートだ。こうすることで南米大陸の旅に余裕を持たせることができるはず。縦断できないのは悔やまれるが、時間的にも金銭的にも、そして旅の情熱的にも、これが自分ができる最善策だろうと思った。

もともと気ままな旅の予定だったのだ。我ながら適切な判断だなと思った。縦断を断念したのは残念だが、アフリカ旅はアフリカ旅でまたいずれ挑戦しようと思う。

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