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#183 国境大移動!ニカラグア・レオンから一旦ホンジュラス入国し、第27ヶ国目、エルサルバドルへ!(🇳🇮→(🇭🇳経由→)🇸🇻」
1/25 レオン・バスターミナルへ/チナンデガ行きチキンバス乗車/国境グアサウレ行きミニバス/出入国手続き①(🇳🇮→🇭🇳)/ミニバスで国境エル・アマティージョへ/出入国手続き②(🇭🇳→🇸🇻)/チキンバスでサンミゲルへ/最終バスを逃す/ヒッチハイク敢行!👍
6:45に起床し、荷物をまとめる。今日はこのニカラグアの古都レオンからホンジュラスを経由してエルサルバドルの首都であるサンサルバドルへ大移動の日である。今回はTICABUSなどの国際バスは使わない。確かにそれらのバスが便利なことは間違いないが、逆に便利過ぎるが故、「移動の苦労」をすることで生まれる旅本来の楽しみが失われてしまう気がするからだ。これを考慮することはかなり重要なことであると自分は思っている。以前にも書いたが、
「何が起こるか分からない不安定さ、それこそが旅の醍醐味である」
この言葉を肝に銘じていきたい。
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さて現地通貨・コルドバがなくなっていたので、ホステルをチェックアウトしてBCAバンクのATMで500コルドバ(2014円)を下ろしてからバスターミナルに行く。町の東側、「ラ・テルミナル市場」裏からチナンデガ行きのバスが出ているという情報を昨夜のうちにホステルのスタッフから聞いていた。
朝7時半だというのに、バスターミナル付近は活気に満ち溢れていた。バスはどこかなと探していたら、前からチキンバスがやって来て、呼び込み係が
「チナンデガ!チナンデガ!!」
と叫んでいるではないか。これは幸先が良い。すかさずバスに乗り込んだ。レオンからチナンデガまでの運賃は30C(120円)だ。窓を全開に開けて走るバスは気持ちが良く最高だ。チキンバスは何度も乗客を乗せたり下ろしたりして進んでいく。運転手が紐を引っ張るとチキンバス特有のクラクションがなってテンションが上がる。道は一本道。車窓からは立派な山が見える。
チチガルパの町で3分ほど停まって客を呼び込んだあと、道に戻ってチナンデガに向けて走り出した。
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9時にチナンデガに到着した。早速次のバスを探す。バス停にいる人にお馴染みのフレーズで聞いていく。
「¿Dónde está el bus para Guasaule?(グアサウレ行きのバスはどこですか?)」
そうしてミニバスが停まっているエリアに行くよう促された。ここからはミニバスで行くらしい。
「このミニバスはグアサウレ行く?」
「行くよ。あそこで切符を買ってきな」
小さな切符売り場があり、66C(265円)を支払った。値段が紙に書き出されていると安心する。横に物乞いのおばあちゃんがいたので、昨日買ったチーズパンを2つ渡してあげた。袋に入ったジュース「フレスコ」が売ってあったので、売り子のおばちゃんから赤いのを一つ10C(40円)で買ってみた。袋の端っこを噛みちぎって飲む。美味しい。何かの果肉が入っている。粒からしてイチゴか無花果だと推測する。
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9:25、ミニバスはチナンデガバスターミナルを出発した。満員になったら出発するスタイルだったらしい。あまり待たず出発してくれて良かった。
10:45、ホンジュラスとの国境の町グアサウレに到着した。自転車トゥクトゥクの兄ちゃんたちが「乗っていけ!」と声をかけてくるが断りながら進む。道路の左手側で両替商のおじちゃんやおばちゃんがいたので、残りのコルドバ全部をホンジュラスの通貨「レンピラ」に交換することにした。手持ちは434コルドバあり、290レンピラに両替してくれるという。アプリレートで確認すると292レンピラなので非常にレートが良かった。
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青い塔の下にいる係員にパスポートを見せてから、白い建物で手続きする。売り子のおばちゃんが「裏手に行くのよ」と教えてくれた。
若い出国審査官は英語を話さないらしく、自分もスペイン語は話さないので何を言っているか分からず、スマホ翻訳に力を借りた。
「あなたの職業は?」とだけ聞かれ、あとは隣で出国税(ターミナル使用料かも)を3ドル支払う。この対応してくれた審査官が曲者なのか、自分が20ドルを出すと15ドル返し、「2ドルは持ってない」という。「いやいや(笑)、持ってない、じゃないだろう(笑)」
粘ってその場で待っていると、ようやく折れたのか若い係員に「崩してきて」と依頼していた。2ドルは俺にとっちゃ大金なんだぜ。
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手続きが終わると別の制服を着た男性が話しかけてきた。ニカラグアのツーリズムを調査している人のようだ。スペイン語は厳しいというと、英語で質問してきた。
・何日間グアテマラに滞在したか
・どこの町に滞在したか
・ツーリズム、宿泊、移動に使ったお金
・ニカラグアは好きな国になったか etc...
かなり詳しく聞いてきたので仕事に熱心な人だなぁと感心した。この勤勉さならば日本でもやっていけるのではなかろうか。
手荷物検査のところで、出国審査でもらった小さな切れ端の裏にサインを書いてもらい、ホンジュラス側国境に進んでいく。このサインが無いともう一回往復する羽目になる。橋の前にいる係員にそれを提出し、これをもってニカラグア出国が完了する。
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国境に架かる橋は日本が援助協力をしたらしくニカラグアとホンジュラスの国旗の中央に日の丸が書かれていた。やはりこういうのを見ると母国日本を誇らしく感じる。
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ホンジュラス側イミグレはツーリストは左手に行けと看板に出ていた。露天商店を通過して、やがて出てくる白い建物がイミグレだ。自分の前に先客が多かった。「Entrada a Honduras」と書かれた列に並ぶ。45分並んでようやく自分の番が来た。
「¿Para dónde va?(どこ行くの?)」
「El Salvador.(エルサルバドルです)」
ホンジュラスの入国管理官に対して「エルサルバドルに行く」と伝えるのは、「ホンジュラスには訪れないよ」と言っているのと同義と思われて気分を害したりはしないか気になったのだが、当人は特に何も思っていないようだった。一応エルサルバドルを堪能した後に、ホンジュラスのコパン遺跡だけは行こうと思っているから許してくれ。入国税の3ドルを納めて入国スタンプを押してもらえた。
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12:26、第27ヶ国目のホンジュラスに入国した。バス停がどこか聞きながら進む。どうやらエルサルバドルとの国境まではミニバスで行くらしい。バックパックは上車体の上に載せるタイプだが、梯子が見当たらなかったので自力でよじ登り荷物を置いた。後から梯子を持ったおじいちゃんが現れたが時すでに遅し。俺の労力を返しておくれ(笑)
しばらく発車する様子が無かったので売店で1Lの水を20レンピラ(119円)で購入した。
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何か不具合があったのか、全員別のミニバスに乗り換えて発車したのは13:15だった。運賃は170レンピラ(1013円)、または7ドルだ。走り出してすぐ、警察が車を停めて乗客の身分証を確認する。パスポートを出すと興味を持ったのか「スペイン語は出来るか?どこへ行く?観光客か?」と質問してきたので適当に返事を返す。
検問を抜けて、太陽を追いかけながら田舎道を再び走り出す。チョルテカの町では野焼きをやっていて、煙がバスの中まで入ってきた。
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14:20渋滞に巻き込まれたが、検問所を見てすぐに理由が分かった。今回の検問は入念で、全員が車から出てチェックを受ける。外国人の自分は一人クーラーの効いた別室に通されてチェックされたのだが、ホンジュラス流のおもてなしだろうか。手荷物の全てを開けられる徹底ぶりには驚いたが。「行っていい」と言われて再度車に乗り込んだ。
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グアサウレ出発から2時間半の15:50、エルサルバドルとの国境の町「エル・アマティージョ」に到着した。予定より二時間ほど遅れている。荷台からバックパックを受け取ってすぐにイミグレに入り、ホンジュラスの出国審査官に
「サンサルバドルに行く」
と伝える。陽気な審査官で、出国スタンプを押してくれたと同時に親指を立てて「グッドラック!」と言ってくれた。
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国境に架かる橋からの景色は川が流れていてまさに田舎という感じで自分には絶景に感じた。少し長めに見ていたかったが、遅れを取り戻さないといけないので急いでエルサルバドル側のイミグレに向かった。こちら側の審査官はすごく優しかった。
「どこに行くの?ホテル名は?何日くらい滞在する?ホンジュラスには戻るの?」
といった定型文を英語で聞いてくれ、入国スタンプを押すときに「ここに押していい?」と確認までしてくれた。こんなことは初めてだった。
一日のうちに二つの国境を越える経験はこれが初めてだったかもしれない。無事に第28ヶ国目、エルサルバドルに入国を果たした。今回ホンジュラスは通過しただけだったが、数日後にコパン遺跡を観光するために戻る予定である。
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店のお姉さんにバスはどこで乗れるか尋ねると、「この先だよ」と指差してくれた。確かにバスが止まっていた。呼び込み係のおじさんが降りてきたので、
「首都のサンサルバドルに行く?」
と尋ねたが、
「サンサルバドルまでのバスはないよ。サンタロサを経由してサンミゲルで乗り換えだ。乗りな。」
どうやら出発直前だったらしい。16:05、チキンバスは出発した。運賃は2ドル。20ドル札を出した。お釣り18ドルで10ドル札と5ドル札が一枚ずつ、あとは1ドルコインが三枚きた。このコインを見るのはエクアドル以来である。エルサルバドルの法定通貨は基本米ドルで、加えてビットコインも法定通貨になっているという面白い国なのだ。
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サンミゲルのバスターミナルに着いたのは18時丁度だった。次は首都サンサルバドル行きのバスを探そうと思ったが、様子がおかしい。ターミナル内にいる客も少ないし、停まっているバスの数も2、3台だ。嫌な予感がする。係員に尋ねてみると、
「サンサルバドル行きのバスはもうないよ。5時半が最終だ。」
....うそだろ。
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確かに予定より2時間遅れていたが、まだ18時だ。最終が出ているなんて思わなかった。これならサンタロサの待ちで降りてそこからサンサルバドル行きのバスに乗り換えれば良かったと後悔する。そして呼び込み係のおじさん、教えといてくれよと思う気持ちが残った。
「タクシー、タクシー!」
と叫ぶ兄ちゃんに一応聞いてみた。
「タクシーでサンサルバドル行くといくら?」
「80ドル(11932円)だ」
さすがにそこまでは払えない。
ターミナルの前にホテルがあったので、
「今日はここで就寝か...サンサルバドルのホステルとってあるのに」
そう思った時、まだ可能性があることに気がついた。
「サンタロサからのサンサルバドル行きのバスが大通りを通るんじゃなかろうか」
現在18時半、大通りで待ってみる価値はある。夜中のエルサルバドルを歩くのは少し怖かったが、車も多く走っているので襲われることはないだろう。
20分かけて大通りまで歩いている時、もう一つ出来ることにも気がついた。
『ヒッチハイク』である。中米サンサルバドルの国で知らない人の車に乗るなど、少し危険な部分もあるので進んではすべき行為ではないと思うが、現在は非常時だ。
大通りに出てバスが通らないかずっと確認していたが、通るのはトラックか乗用車だけだ。こうなったらもうヒッチハイクしかない。ヒッチハイクをしようと思った場所にバイク関係の店があって、兄ちゃん2人がいたので尋ねる。
「自分サンサルバドルに行きたいんだけど、サンサルバドル行きのバスはもう来ないんだよね?」
「もうないよ」
「わかった。ヒッチハイクで行けるかな?」
「トラック運転手を捕まえればいけると思う」的なことを言ってくれているとフィーリングで理解する。スペイン語難しい。
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トラックが通るたびに運転手に向けて親指を立てる。兄ちゃんたちも時々手を振って手伝ってくれていたが、全く止まる気配がない。乗用車にもやってみたが、兄ちゃんたちが
「ダメダメ!トラックじゃないと!」
という。乗用車は危険が多いのだろうか。トラックなら会社も特定できるから危険は少ないということなのだろうか。窓が空いている車の運転手にも「サンサルバドル行きますか?」と尋ねていく。
30分ほど粘ってみたが、成功できなかった。マップを見ると、この先にガソリンスタンドがある。そこで給油してきたトラックに頼み込もうかと考え、手伝ってくれたバイク屋の兄ちゃんたちにお礼を言ってから歩き出した。
「もしヒッチハイク失敗したらバスターミナルまで戻ってホステルを取るか、もしくは雑魚寝か...」
そんなことを考えていると、赤信号で車が止まった。窓が空いている白いハイエースのような車の二人組に、
「サンサルバドルに行きたいんですけど」
というと、悲壮感を感じ取ってくれたのか車を路肩に止めてくれた。これを逃したら後はない。
「サンサルバドルに今日の宿を取ってあるんですが、バスが無くなってしまって。今日中にサンサルバドルに行きたいのですが」
とかなり拙いスペイン語でお願いすると、
「OK.」と言ってくれた。神かと思った。
「ありがとう!!」
後部にバックパックとサブバッグを乗せて三人で前に乗る。自己紹介をして、親切な二人の名前を聞く。助けてくれた運転手はネトさんで、助手席に座っているのがマルヴィンさん。毎日仕事でサンミゲルとサンサルバドルの2時間半の道を行き来しているらしい。この仕事をして8年&20年と言っていたが何の仕事かは分からなかった。
旅のことについてや、家族のこと、日本のアニメのドラゴンボールとかで話が盛り上がった。エルサルバドルの夜道は道路の灯りが極端に少なくて対向車線の車の位置が分からず怖いのだが、地元民は慣れたようにスピードを出して車を走らせている。ヒッチハイクしたのは自分だから、これで事故に巻き込まれて死んでも本望と思おうと心の中で納得させた。幸い、ネトさんの運転が上手かったのでこのブログを書けているのだが。
ヒッチハイクに成功してから2時間後の21時、ネトさんが
「あの灯りがサンサルバドルだよ」
といって前方を指差す。ついに来た。今日は辿り着けないのではないかと思ったサンサルバドルの夜景が目の前にあった。首都なのだが灯りに強さが無く、エルサルバドルの経済状況が分かる気がした。
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21:23、ネトさん&マルヴィンさんのお二人の親切で、ホステルまで辿り着くことができた。ありがとうの意味を込めて握手と写真を一緒に撮ってもらった。
「本当にありがとうございました!このご恩は忘れません!」
彼らの車が見えなくなるまで自分は手を振り続けていた。
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