#89 アブ・シンベル神殿ツアー!エジプト最強のファラオが建てた大神殿🇪🇬
7/28 早朝3時起きでアブシンベル神殿ツアー!
昨日の昼間、アスワン市内のオールドスーク(商店街)を歩いていると、一人のエジプト人が話しかけてきたので、「ごめん、アブシンベルに行くツアー会社を探してるからまた後で」と伝えると、なんと彼もまたツアー会社の人間だったらしい。さっそく交渉に入った。最初値段を聞くと600EGP(2700円)と法外に吹っかけてきた。「600!?高すぎだろ!」と去るフリをすると、すぐにあっさり500EGPに下げてきた。一年前の日本人YouTuberの動画では400EGPだったはずだ。そこからもう少し粘ると480になった。まだ下がるはずだ。「他の相場も知りたいから」と近くのホテルの受付で聞いてみると、「うちはプライベートカーしかやってないけど、乗り合いなら500が相場だろう」という。うーん。どうしてもエジプト人の肩を持ってるように聞こえてしまう。
ホテルを出たところで偶然日本人の若者二人が通った。すかさず「アブシンベル神殿ツアーの相場ってどのくらいかわかります?」と尋ねると、彼らは船で行くらしく、分からないといった。しかしそれでも良い。エジプト人が理解出来ない日本語で話したというのが交渉材料になるのだ。若者二人が行ったあと、営業のエジプト人に「彼らは450EGPだったらしいぞ」と揺さぶりをかける。エジプト人は「そんなはずはない。おそらくコミッション(手数料)抜きの金額だろう」というが、470EGPに下げてきた。そして「たった20ポンド(90円)じゃんか、そんなに違わないでしょ」というので、「違わないんでしょ?だったら下げてくれよ笑」と食い下がった。
しかし結局470EGP(2118円)で手を打つことにした。契約成立すると、パスポートをスマホで取られる。運転手のスマホに送るのだとか。代理店で申し込んでいる訳ではないから、料金を今このエジプト人に渡すと飛ばれる心配があるので信用出来ないなと思ったが、この場では手数料の70ポンドだけ渡して、明日運転手に400ポンド払ってくれれば良いと言われて安心した。つまりこの70ポンド(315円)が彼のマージンとなるのだろう。
「3:45に君のホステル近くにあるオールドカタラクトホテルの入り口集合だ」という。オールドカタラクトホテルは、あのアガサクリスティが泊まったホテルで知られている。自分のホステルから歩いて5分のところだ。交渉成立し、彼と握手して別れた。
翌日3:10。アラームよりも先に起きた。というより昨夜、「帰国後の仕事はどうしようか、何をして生きていこうか」などを考えていたら眠りが浅くなってしまったのだ。
日焼け止めを塗り、持ち物を確認してからキッチンで紅茶を一服してホステルを出た。オールドカタラクトホテル前で座って待っていると、車は予想より早くやってきてスマホのパスポート写真で本人確認をした。自分が一番のピックアップで、そのあとに韓国人一名、中国人カップル一組、西洋人家族四名の合計八人が今日の参加者らしい。座席は満席だ。
ナイル川にかかる橋を超えたところで一旦停まる。検問所が5時半にならないと開かないのか、30分ほど車内待機の時間があったが、そこからミニバスはものすごいスピードで暗闇の中を走り出した。寝不足な自分はシートベルトを閉めてから爆睡の体勢に入った。
起こされた時にはすでに到着していた。現在7:20。2時間の見学時間がある。我々が一番乗りらしい。トイレにまさかの10ポンドかかった。チケットオフィスで券を購入する。415ポンド(1900円)。神殿の裏側から表に回る途中、ナセル湖が見えてきた。ナセル湖は巨大だった。ここに世界一長いナイル川の水が貯められていると思うと人間の治水技術の高さに驚くばかりである。ちなみにナイル川の水源はスーダンなのだとか。
ナセル湖前に解説が書いてある。アブシンベル神殿は今の位置より65mほど下方にあったのだが、アスワンハイダムが造られると水没する危険があり、それを避けるため移設されたのが現在のアブシンベル神殿である。ちなみにこの大規模移設事業が始まりで、世界遺産というものが創設されたらしい。アブシンベル神殿は世界遺産の象徴なのだ。
そしてついに大神殿の前に立つ。中央には太陽神ラー像が彫られ、左右に2体ずつ計4体、高さ22mのラムセス2世の着座像がある。太陽神ラーより自分の像が大きいあたり、絶大な権力を誇ったラムセス2世らしい。左から30歳、40歳、50歳60歳の像なのだとか。確かに30歳の像は60歳のものに比べて若干顔のシェイプが鋭くなっている気がするが、それ以外はほとんど変わらない。
足もとにはラムセス2世の子どもたちと言われる像が並んでいる。
神殿の内部に入ると、これまた左右に4体ずつラムセス2世像が並んでいて、壁には壁画が描かれている。ヒッタイトとの「カデシュの戦い」の画が有名だ。馬の躍動感や弓を弾くブレを実によく表現している。
そして一番奥には4体の着座像がある。右から太陽神ラー、ラムセス2世、テーベの神、そして闇の神らしい。年に二回だけこの部屋まで太陽の光が届くよう設計されているというのだから、当時の天文学の正確さには脱帽するばかりだ。とても三千年前に作られた建物だとは思えない。
小神殿の方はラムセス2世が王妃ネフェルタリのために建てたとされるもので、ネフェルタリ像をラムセス2世が守るように配置されている。内部の壁画も夫婦が仲睦まじく生活している様子を描いた壁画が見れる。
2時間の観光はあっという間だった。帰りの車内でツアー代金400ポンドを渡した。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?