見出し画像

#189 アカテナンゴ火山ツアー!🌋過酷で死ぬかと思った🇬🇹

2/2-3 アカテナンゴ山登頂/オプショナルツアー参加/日の出アタック🌅

今日は1泊2日のアカテナンゴ火山ツアーに参加する。昨日のうちに『ペンション田代』のママにお願いして予約を入れてもらった。田代ではツアーは2種類から選べる。内容の違いは出発時間と朝食が付くか否かだけで、その他の項目はほぼ同じだと思われる。自分は9時発の朝食抜きツアーにした。以下に概要を載せておく。

朝食抜き(入山料100Qが含まれていない)
朝食あり(こっちは入山料が含まれている)

防寒着とパンやスナックなどの軽食、3リットルの水も昨日のうちに準備しておいた。水や食料が少な過ぎると命に関わるし、逆に多過ぎると登る際の負担になるから調整が難しいところである。

当日の9:16、ホステルに電話が掛かってきた。どうやら迎えのバスが来たらしい。田代ママにお礼を言って宿を出発した。ツアーガイドの男性はウィリーと名乗った。自分は4人目で、アンティグアの町をまわって次々に参加者を乗せていき、結果的に9人が集まった。他のグループもいるようだからさらに多くなるだろう。
9:48、ホコテナンゴという町で一度下ろされ、ここにあるツアー会社の建物に入りミーティングが始まる。「Getaway Adventures」という名前のツアー会社らしい。ツアー日程の概要と注意事項を受け、昼&夜の食事を受け取り、帽子&手袋を貸与してくれた。案内はスペイン語の後に英語で説明してくれるので安心だ。噴火するフエゴ山火口近くまで迫るオプショナルツアーに参加する人は追加で200Q(3770円)支払う。自分はもちろん参加する予定だ。アカテナンゴ山の頂上は3976mと富士山よりも標高が高いので体調管理に気をつけようと思う。数年前個人で登った登山者が死亡したこともあるとか...

迎えのバス
会社の建物内で説明を受ける
昼と夜の食料を渡される

隣の座席に座ったカナダ人のイルシュカは日本に3回も旅行に来ていて、好きな町は「下北沢」という。カフェやお店が集まっていてとても落ち着くようだ。日本の清潔さにも感嘆していた。彼とは何となく波長が合って仲良く出来そうだ。サッカーが好きで、さらにポジションは自分と同じDFという共通点で盛り上がった。以前サッカーで足を怪我したために、アキレス腱に人工物が入っているようで今回の登山を少々心配しているようだった。
「アカテナンゴ山は(アルゼンチンの)エルチャルテンよりも大変って聞いたよ」
と言うと余計にビビらせてしまったようだった(笑)

11:25にアカテナンゴの麓に到着した。ウィリーとケビンが今回の引率だ。他のメンバーも集まり計18人となった。オランダ、アメリカ、ペルーなど国際色豊かなグループだ。東洋人は自分だけだった。
「アカテナンゴの土壌は滑りやすいので杖を借りた方が良いよ」
とペンション田代で出会った女性がアドバイスしてくれたので地元民から借りることにした。レンタル料は5Q(96円)だった。

杖レンタル
グループ

11:35、アカテナンゴ山の入り口に到着し、登山がスタートする。ここで他のメンバーによる入山料のトラブルがあったが、どうやらホテルの人からそのことを聞かされていなかっただけらしい。
歩いてすぐに土壌の滑り易さを理解した。何万年という時間をかけて積もり積もったのであろう砂利が地面との摩擦を軽減させてしまい滑りやすくなっているのだ。そして何より砂埃が凄まじいのが厄介だ。

登山スタート!
休憩
滑りやすい足場
こまめに休憩

畑を抜けてようやく登山らしくなってきた。平坦な道は無く、ほぼ坂道が続くのだが、ガイドのウィリーは10分ごとに休憩をとってくれるので、遅れた人たちも何とか遅れずに登って来ていた。オランダから来たカップルの2人組の体力とテンションが化け物級で、周りが息を切らせて登っている中、キツい坂道も歌いながら登っていく。オランダには山が無いと聞いたが、どこで鍛えているのだろう。いや、国内に山が無いからこそ、登山への憧れや飽くなき探究心がこのテンションを作り上げているのではなかろうかと考えた時、何か自然と腑に落ちた気がした。
皆んなが「彼らはクレイジーだ(笑)」と言った。

何回目かの休憩のところで、ジュースや布製品を売っている子どもがいた。スペイン語で完璧にはわからないが、布マスクの営業をガイドにしていた。
「マスクにもなるし、はちまきにもなるんだよ!」
その実践形式の営業ぶりに感心したガイドは一枚購入していた。因みにマスクは1枚で25Q(481円)、2枚で40Q(769円)とのことだった。

実践営業中
子どもなのに話が上手い笑

13:00にエントランスブースに到着した。ここが本当の入り口ということらしい。そこからさらに一時間後、ようやく昼休憩となった。昼食は豆ご飯にチキンがミックスされたブリトーで、これが結構美味しく、また腹持ちも良かった。他のツアーでは豪華なチキン弁当を持って来てたりしたのを見たが、結構重い荷物になったろう。

エントランスブース
ブリトー🌯
アカテナンゴ山説明

15:22、初めてのビュースポットに着いた。山の名前は分からないが(おそらくアグア山)、向こうの山が雲海から顔を出していた。

犬たちもついてくる
アグア山だと思われる
すでに満身創痍

ここからさらに急坂となり、自分も流石に死にそうになりながら一歩一歩、必死に登る感じになった。ここで足を止めたら何かに負けてしまうような感じがして、その敵が何なのか分からないまま、気合いで足を動かし続けた。そうして歩き始めて5時間後の16:24に、キャンプ地に到着することが出来た。噴火するフエゴ山がすでに見えていて、時折音を立てながら噴火している様子は圧巻だった。陽が落ちればこれがさらに赤く見えて迫力ある噴火が撮れるだろう。
テントは一つに6、7人が横になって寝る感じの簡易的なものだが、マットが敷かれていて快適そうだった。

キャンプ地到着!
内部。しっかりマットが敷かれている

17:11にはオプショナルツアーに参加する7人の強者たちが集められ、防寒着が支給された。残念ながらイルシュカはすでに疲労困憊のようでここに居なかった。自分も内心どうしようかと迷ったのだが、ここで辞めるのは日本男児を代表している身としては情けないような気がして、悲痛ではあったがそのまま参加を決めた。
17:25、噴火するフエゴ山に接近するオプショナルツアーが始まった。さすがは精鋭たち、山道を走りながら駆け降りていく。自分はついていくのに一苦労だった。全く、身体が鈍ってやがる。このツアーの恐ろしいのは、一旦降って再度登るところで、しかも全員が精鋭なもんだから、そのペースもとても速いところである。自分はもうすでに一杯一杯だった。これをまた引き返さなければならないと考えたら気が狂いそうになる。だが、ここまで来たならばもう立ち止まることはできなかった。

走りながら下ってフエゴ山へ急ぐ
この上りがきつかった
寒過ぎる!
日の入り
満天の星空🌌

18:24、フエゴ山に再接近した。太陽は丁度沈んだところだった。ここで大爆発が起こってくれれば良い写真が撮れる。気温が寒くて身体が震える中、30分ほどの間に小爆発はするものの、赤い火山の大噴火は見ることが出来なかった。

19時を過ぎて、キャンプ地に戻る。辺りは暗く、自分はヘッドライトを持っていなかったが、他の客が照らすライトを頼りに下山した。上を見上げれば満天の星が輝いており、感動した。これがなければ自分の心は折れていたことだろう。
キャンプ地に戻って来たのは21時だった。オプショナルに参加しなかった人はすでに夕食を食べ終わっていて何人かは既に就寝していた。温められたホットチョコレートは格別に美味しかった。そのあとに持ってきてくれた温かいミートパスタを食べようとしたが、登山による極限の疲れのためか食欲が湧かず、ほとんど食べれなかった。
自分以外の全員がテントに入った後、自分は寒空の中一人で噴火するフエゴ山の撮影に苦心していた。あと一回、あと一回だけ大きな噴火さえ起こってくれれば写真に収めて寝ることが出来る。祈って祈った末、21:49にようやく満足のいく大噴火が起こってくれ、iPhone14のナイトモードで露出を最大に上げた綺麗な写真を撮ることに成功した。

火が噴き
広がり
流れて最高の写真!

22時、写真の出来に大満足をしてテントに入った。

翌日4:10、大音量でガイドに起こされる。ここから朝日を観に行くツアーが始まる。この朝日ツアーは元々の金額に含まれているのだが、参加したのは11人だけだった。昨日テント内で出来るだけストレッチをして足を労った結果、筋肉痛はそれほどなかった。

4:30、アカテナンゴの頂上へと向かう。歩き始めると足に疲労が蓄積していくのがわかった。しかも足場はとても滑りやすく、2歩進めば1歩戻されるような感じでこれがかなりの難儀だった。気合いと根性で食らいつく。
5:46、頂上付近に到着したが今日はここ数ヶ月で一番の超強風であったらしく、大袈裟でなく立っていられない。何とか岩陰に身を寄せ合って、寒さに身体を震わせながら日の出を待った。雲海がとても綺麗である。

6:28、向こうの山の裏から太陽が上がった。日の出はいつ見ても偉大に感じる。自分の人生ので、今まで朝日を見てきた中では今回が一番過激な状況だった。これは間違いなく断言できる。

日の出🌅

朝日が出るとすぐに下山になった。人数を数えるのに苦労していたが、斜面を滑り降りるようにしてキャンプ地まで戻ってきた。
帰ると朝食が準備されていた。シフォンケーキにジャムとコーヒーだ。コーヒーを飲んだ所で机に置いたら、突風に飛ばされて自分の服に掛かってしまったのは誤算だった。風は強かったが、朝の噴火を見ながらの食事は格別だった。

朝食🥞
朝の雲海
かっこよすぎ!
コーヒー☕️

8:35、ガイドがテントやトイレ回りの掃除をして下山になる。下山の方が得意だが、よく滑った。杖を借りておいて本当に良かったと思った。休憩時に昨夜の残りのパスタを食べていると、妊娠している雌犬がパスタ欲しそうに見ていたので半分くらいくれてやった。しっかり食べて丈夫な仔犬を産んでくれ。

残ったパスタ
🐕

11:27、麓まで降りてきて車に乗った。そこからアンティグアの町に戻って来たのは12:45だった。こうして1泊2日の地獄の登山ツアーは終了した。
ツアー全てに参加した感想としては、オプショナルツアーには参加する必要はなかったかなと感じた。もし、目の前で大噴火してくれれば大迫力の光景が観れたのだろうが、1時間弱という期限の中で運の要素が強いし、登山に慣れていない人には地獄の行程になるからだ。それよりもキャンプ地にいてそこから噴火を見ている方がよほど優雅な時を過ごせると思った。

ペンション田代に帰ってきて、屋上ですぐに洗濯をした。汚れがしつこくて大変だったが、ペンション田代には登山者のために洗濯場を用意してくれるのは本当にありがたかった。

帰りの車内
アンティグアに戻ってきた!

ところで、アンティグアには「世界一美しいマック」がある。登山から帰って来たその足で行ってきたが、中庭から山が見えてとても美しかった。

マクドナルド中庭
ドナルドもいる
世界一美しいマック

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?