見出し画像

【299日目】酸素が足りないよ

ご隠居からのメール:【酸素が足りないよ】

テレビドラマの一シーンのように点滴のチューブが何本か患者の体につながれている。なかでも特に重要なのは酸素補給をするため鼻に差し込められたチューブだ。患者の体は「酸素が足りないよ」と訴え続けているので、補給してやらなければならない。

パルスオキシメーター(酸素飽和濃度計測装置)の数値を示す点滴チューブは、95%が目安。それ以下になれば、危険シグナル点灯だが、私の場合、今までのところ、ほとんどいつも)95%以下で低迷している。

その他の点滴チューブは、血液サラサラにする薬やアレルギーを抑える薬、ステロイド剤などを補給してくれているらしい。

シャワーを浴びる。「元気になった」と看護師が言ってくれた。


返信:【Re_酸素が足りないよ】

酸素が足りないとはいえ、体調のいい日が続いてよかったね。月末に退院できると聞いたのであと10日間の辛抱だね。こちらは、父さんの体調がよさそうなので、不安が解消されている。相変わらず、母さんは寂しそうだ。

やはり、「あたり前」の毎日が大切だね。人生には「あたり前」の毎日が、一瞬で「あたり前」でなくなることがあるということだね。今回のトンガの噴火や震災などもそう。やっぱり、ありとあらゆる「あたり前」に対して「ありがたい」という気持ちが重要だよ。


最近、「より道」の創作活動をして、結構書きためているのだけど、近代史、特に、731部隊と100部隊について、掲載することを迷っている。下手したら、親戚一同に迷惑をかけてしまうかもしれない。

「戦争」は、サバイバルゲームのようなきれいごとではないね。もっと、もっとドロドロしている。あの、異常な状況が組織的に「正義」とされていたことを、知らないといけないね。

自分たちが見ているきれいごとの戦争映画では当時の様子をちゃんと伝えきれていないね。板垣征四郎が「人道に対する罪」として裁かれたのも無理はないと思ったよ。

戦後80年経って、「日本は悪くない」という風潮さえ出始めているが、確かに、そうかもしれないけど、どう考えても「戦争」は残酷で悲惨だ。

どんなにひどい差別があったか、多くの日本人は、忘れてしまっている気がするね。嫌なコトを忘れるのは、長生きの秘訣かもしれないけど、中国人や韓国人が未だに日本人を恨んでいるのには理由があるわけだ。嫌なこともちゃんと知るべきだね。

昭和初期を生きた、祖父・與一さんと祖母・貴美子さんはじめ、伯父さん叔母さんの時代は、本当に大変な時代だった。日本の歴史のなかで一番過酷な時代だったのではないだろうか。

もちろん、古代や中世の方が貧しく、法も整備されていないので、生きること自体苦しかったかもしれないけど、あの時代は逃れられなかった。

ある意味、與一さん、貴美子さんが、中世を過ごしたご先祖様の咎を背負ってくれたのかもしれない。


<<<次回のメール【300日目】初症例

前回のメール【298日目】ナースコール>>>

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?