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【89日目】坂の上の雲

ご隠居からのメール:【坂の上の雲】
 
『坂の上の雲』(文春文庫)四で、次のやりとりを見つけた。

「豊島少将と、話をしましたか」
と、乃木は伊地知にきいた。豊島陽蔵は、乃木軍の隷下にある攻城用の砲
のすべて一かつしている「攻城砲兵司令官」という職にある。(p222)

二十八サンチ榴弾砲四門を旅順に送る件に対する乃木軍司令部の返電は、
歴史に大きく記録さるべきだろう。「送ルニ及バズ」というものであった。
古今東西の戦史上、これほどおろかな、すくいがたいばかりに頑迷な作戦
頭脳が存在しえたであろうか。(中略)
豊島も伊地知も、じつは専門家ほどの専門知識をもっていなかった。この
巨砲はいかに分解運搬が困難であるとはいえ、据えつけには十日もあれば十
分ということは、この世界の常識であった。かれらは一知半解の知識で、体
面だけは傲然として専門家の態度を東京の「しろうと」に対してとってみせ
たのである。(p224)

かなり手きびしい評価だが、その後、豊島陽蔵は原敬の知遇を得たりして、出世した成功者のようだね。


返信:【Re_坂の上の雲】

昨日、暇だったので多摩霊園を調べたら、東郷平八郎や児玉源太郎など、錚々たるメンバーの墓がある霊園だとわかった。明治に活躍した方たちはみんな多磨霊園にお墓があるのだろうか。ただ、調べたところ、豊島陽蔵さんのお墓はどこにあるかわからないようだ。

戦時中、活躍した人のお墓はいいけど、第二次世界大戦で汚名を背負った軍人さんのお墓とかは、子孫からすると静かに見守りたいだろうな。。


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