見出し画像

【83日目】2100年の人口予想


ご隠居からのメール:【2100年の人口予測】

 2100年には日本の人口は6千万人にまで減少するのか。そうなると、お家断絶が続出してファミリーヒストリーの物語の多くは消え失せるだろう。その予測があたるかどうかわからないが、2021年の現在でもファミリーヒストリーはほとんど存在しない。われわれは父母のことも祖父母のこともほとんど知らないからだ。

たとえば、生母の名前が貴美か貴美子かということさえ、この歳になるまで知らなかった。お墓には貴美子と書いてあるが、戸籍では貴美だ。どちらが正しいのか? 

三吉明『山室軍平』には次のような記述がある。「山室は女児の名にはどれも子をつけてはいない。そのほうが平民の子の名前にふさわしいと考えていたからであろう」。もし、岡村素さんが山室軍平の教えに従っていたとすれば、娘の名前は「貴美」だろう。

山室軍平の著書『平民之福音』は四十三万部も発行されているのに、帝国議会で痛撃を受け、葬儀の前日、発行を停止され、紙型は警視庁に没収されてしまった。

山室は「時局に対する救世軍の指導方針」で、皇室への忠誠を説いたが、『平民の福音』という思想そのものがけしからんと、帝国議会で批判されたようだ。


返信:【Re_2100年の人口予測】

帝国主義は、本当に強烈だね。人権を訴える救世軍が邪魔になったんだろうね。まるで、秀吉や家康のキリシタン弾圧を連想してしまう。人口が6000万人になるのであれば、人権が、より一層尊重される時代になることを願うよ。それとも、民衆の不満がたまり、ふたたび革命が起きるかな。


<<<次回のメール【84日目】私小説

前回のメール【82日目】価値観の違い>>>

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?