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【245日目】登場人物

ご隠居からのメール:【登場人物】

尼子一族は登場人物が多すぎる。しかも、「久」という通字が入っているのでまぎらわしい。たとえば、尼子経久つねひさには政久まさひさ国久くにひさ新宮党しんぐうとうの祖)、興久おきひさという三人の息子がいたが、政久まさひさは早々に戦死、興久おきひさは自刃したため、政久まさひさの息子晴久はるひさが後継者とった。晴久はるひさの死後は、息子義久よしひさが継いだが、秀久ひでひさ倫久みちひさという弟がいた。

諸田玲子の小説によれば、尼子姫は興久が日御碕神社ひのみさきじんじゃの巫女に生ませた娘で、国久くにひさの養女となり、国久くにひさの息子誠久さねひさと結婚して、勝久かつひさを生む。これだけ複雑な一族の関係性を頭にたたきこむのは難しいし、さらに難しいのは読者にわかってもらえるように説明することだ。

諸田玲子は、興久おきひさに注目して、荒法師の霊として再登場させている。それから、年代を覚えるのもたいへんだ。


>>こうやって、対戦国側の立場で歴史を調べると物事の本質がみえてくる
>>ということが、よくわかった。尼子氏の歴史を紐解くときもその視点で
>>調べてみることにしよう。

ーーそれは歴史研究の正しいすすめかただと思う。「敵を知り己を知れば百戦危うからず」「ナメタラアカン」。


返信:【Re_登場人物】

たしかに「久」の通字もややこしい理由のひとつだね。お父さんのメール読んでも、頭がついていかない。一人ひとり感情移入できる短いエピソードでもあればいいのかな。

政久、国久、興久の三兄弟は、中国地方一帯に勢力を拡げる父とともに、尼子一族の武将として戦に参戦していた。長男の政久は、勇智に優れ、笛なども好む教養をもち、文才も高かったという。山名氏の娘を正室に迎え、一女二男の子宝に恵まれた。

そのような非の打ち所がない政久に悲運が訪れる。1518年(永正十五年)、反旗を翻した麿石城とぎしじょう主、桜井氏の反乱鎮圧に出撃すると、味方の軍勢を鼓舞するために、政久は得意の笛を吹いた。すると城兵が笛の音が聞こえる方に向かって、矢を放つと、政久の喉に当たり即死した。享年26歳。

このくらい書いて、ようやく政久のことが頭に入るよ。

昨日は、数十年ぶりに高校の同級生に会って酒を飲んだ。長い間、会ってなかったのに、会話が弾んだ。考え方や波長が合うのだろう、懐かしいというよりも、笑い絶えない時間だった。酒のつまみは、お互いの家庭や仕事、昔話に花が咲いた。

彼とは高校時代、同じサッカー部でよく、彼の家に遊びに行った。おじさん、おばさんにも、よく面倒をみてもらって、姉ちゃんにも顔を覚えられていた。高一のとき、おじさんが、「競馬で勝ってるから、お前ら三千円ずつ、賭けていいぞ」といわれた。そのとき買ったのが、万馬券となり、十数万円手に入れたことがある。考えてみるとあのときから、ギャンブルにハマりだしたような気がする。

他にもスナックに連れて行ってもらい、酒をごちそうになったこともある。車で家まで送ってもらったのだが、気持ち悪くなり、車内で吐いてしまった。おじさんは「気にするな」と言ってくれたが、迷惑かけたな。

ファンキーだが、男らしいオヤジで自分も慕っていた。

そんな、おじさんが十年前くらいから行方不明になっているらしい。原因は、わからないという。戸籍に名前が残ってるから、亡くなってはないらしい。そんなこと、知らなかったな。


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