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【81日目】ふりかえってみると
ご隠居からのメール:【ふりかえってみると】
ふりかえってみると、花嫁さんとの人前結婚式で披露したサプライズ・ビデオメッセージがファミリーヒストリーの原点だね。それから十数年後に同じカップルがタイムトリップをはじめる。旅を重ねていくうちに、断片的な出来事の点がつながって線になり、さらに面になっていくというストーリーか?
昭和二十年以前の日本人は結婚するにしても、個人の意志などはほとんど配慮されなかった。婚姻は家と家との格式によって決められたのだ。岡村素さんはある日、帰宅してみると、見たこともない女が座っていたそうだ。それが嫁さんだったという。ふゆさんが善右衛門さんと結婚して分家し、別に一家をたてるという話も面白いが、詳しいことは何もわからない。
昭和二十年以後は、自由主義、個人主義を拠り所とする新しい価値観に変わった。それによって日本人が幸福になったかというと、必ずしもそうではない。ファミリーヒストリーへの着眼は古い時代の婚姻制度の良さを見直すことにもつながると思う。
孤児院で育って、身を立てた関勝さんのご先祖が新見藩の藩主だったことを知り、新見市の名誉市民になるという話もおもしろい。やはり、物語はハッピーエンドのほうが望ましいが、どうすればハッピーエンディングになるのかーーこれはエンディングプランナーの小野崎さんの仕事か。
返信:【Re_ふりかえってみると】
すると、やはり敗戦から日本の文化が劇的に変化したんだね。いまのブライダルマーケットは、わずか、80年で激変し続けてるのか。
冷静に考えると、GHQがファミリーヒストリーのいい伝えを無くそうとする試みが、自由主義や個人主義だったのかもね。ふたたび、天皇の赤子と称して、特攻されたらたまらない。先祖をたどれば誰かしらの天皇につながるのだろうから、アメリカに消された文化なのかもしれない。
その結果が、「1人でも幸せになれる時代」となった。言い換えれば、「自分の幸せが一番の時代」になってしまった。子孫のために、いまの時代を生き抜くという考えが薄れてしまい「家」と「DNA」の有り難みが消えてしまいそうだ。
自分の結婚式で、あの映像をつくったのは、両親や親族が喜ぶと思い、断片的な歴史情報を繋いだ。いわばプロフィールビデオ。今回考えているファミリーヒストリーは、時代背景というか周辺情報もプラスされたもの。「自分が何のために生きているのか」という問いに、答が導かれるものだと思ってるよ。
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