■【より道-8】随筆_『尼子の落人』(長谷部さかな)
父からのもらった随筆は、このような内容だった、、
1)野菊の墓
野菊の墓にお参りした。五十年前、木下恵介監督の映画『野菊の如き君なりき』で笠智衆(りゅうちしゅう)の演じる老人が墓参りするシーンを思い出したからだが、そんな昔のことを思い出して徘徊するとは、いよいよ老化が進み、頭がボケはじめているといわれてもしかたがない。当時の笠智衆は老人といってもまだ、五十代だった。現在の私は七十代半ばだ。
野菊の墓があるのは、北総線矢切駅から徒歩十分の西蓮寺。私は、武蔵野線東松戸駅