見出し画像

VOLLEY TOUR 2019/20【87】~Trento vs Modena

2月16日20:30
トレント対モデナ

体育館へ入るとまずは友人に頼まれていた
グッズを買いにショップへと向かいます。
この旅の初め12月に訪れた際は
ジャネッリの9番しか
取り扱いがなかったのですが、
今回はグルベニコフのがありました!

画像8

友人の一人に「あったら買っておいてほしい」と
言われていたので、希望のサイズを手にお会計へ。

が…
残念ながらクレジットカードでの支払いは
受け付けてもらえず断念。
明日の帰国に備えこの時点で
手持ちが50ユーロを切ってしまっており、
恥ずかしながら全く足りない状態だったのでした…。

せっかく在庫があったのにな…
罪悪感を抱きながら友人に謝罪のメールを送り
気を取り直して座席へ移動。

旅の最終戦、今回の席は頑張って
トレント側のベンチ裏3列目のVIP席を
確保することができ、
絶好のポジションでの観戦が叶いました。

そんな客席にて…

試合前ウォームアップを見ていると、
お隣のお兄さんが声を掛けてきました。

実はその彼を知っていた私…
というのも、12月に観戦に訪れた際、
仲良しになった日本人のファンの方が
試合中この席でこの男性と話しているのを
斜め後ろから見ていたのです。

気さくな感じで楽しそうに
やり取りしていた彼を覚えていたので
初対面ながら身構えることなく会話。
案の定、
「2ヶ月前、ここに日本人の子が座ってた」
という話をしてきた彼に、すかさず、
「それは私の友人なの!」と答え
トークが弾みます。
英語が話せる方だったので
ひとしきりバレーのお話をしているうちに
打ち解け、この体育館に専用の
VIPルームがあることを教えてくれました。

はて…VIPルームとは…???

聞けばこのトレントのベンチ裏
VIP席のチケットには
VIPルームの入場も許可されていると。
これまで何度かVIP席に座ってきたのに
そんな情報、初耳!!

ということでお兄さんにお願いして
一緒に連れて行ってもらいました。

一階の通路を奥へと進み、部屋の入り口で
チケットをスタッフに見せれば入場OK。
そこはこれから観戦をしようとする
大勢のお客さんがひしめき合っており
ドリンク片手に皆楽しそうに
歓談しておりました。

部屋の一角にはバーがあり
ワインやソフトドリンクを提供。

そして壁沿いには生ハムやチーズ、フォカッチャなど
おつまみがずらり。

画像2

生ハムにサラミに…と種類豊富な加工肉の数々。
お腹いっぱいだけど味見程度にいただいてみると
ん~、なかなか質がいい!!
食いしん坊で貧乏性の私、
これはお腹いっぱいでなければ
全種類制覇したいところでした(笑)。

一通り楽しんで席へ戻ると
いよいよ、大一番のはじまりです。

画像4

呼びこまれるトレントのスタメン、
今回はラッセル・チェブリ対角。
残念ながら私の期待コバチェビッチは
ベンチからのスタートとなりました。

画像5

対するモデナは…

今季、彼らの試合を全く見ていないので
どういう状態になっているのかは
分からなかったのですが、
時折、格下に負けたり調子を崩すことも
耳にしていました。
現に後半第1節でパドヴァに敗北を喫しています。
故に、トレントにも勝利の可能性はあると信じて、
ドラマティックな最後を期待し、
この試合を最終戦に選んだわけなのですが。。。

ドラマのようにそう上手くいかないのが
現実というもの。

ベテラン揃いのモデナ、
格が違う…と思わせるパフォーマンスで
トレントを軽くあしらっているようにみえました。

画像7

ホントに不調なこともあるのか!?
と思わせるような強気のパフォーマンス。
安定した攻撃力のアンダーソンに
高くて分厚い壁のホルト、
ザイツェフは衰えてるかと思えば
サーブでのワンマンショーをこれでもかと見せてくるし、
初めてお目にかかったミドルの
ボッシが意外に存在感がある…
そして何より驚いたのが
ベドノシュの頼もしさ…
スクラ時代に控えに甘んじていたのに
こんなに変貌を遂げるとは
いやぁー、全く以って予想外…

ここで今季のモデナの恐ろしさを
目の当たりにするのでした。

一方、応援するトレントは…

第1セット、ブロックに阻まれ苦戦しますが、
第2セットは待ち望んでいた
トレントらしいバレーを展開。
ベットーリ、ラッセル、チェブリ、
アタッカー陣も息を吹き返したように
目を見張る攻撃力で点数を重ねていきます。

画像6

これならば勝利できる!
そう確信し奪い取った第2セット。
しかしながら第3セットは
デュースの末に失セット。
惜しくも逃してしまったこの状況に
不穏な空気を感じずにはいられず、
第4セット、食らいつきながら粘るも
追いつくことはできませんでした。

結果1-3で敗北。

画像3

この旅の最後の戦い…
最高のフィナーレとはかけ離れた現実が
目の前に広がっていました。

最後は劇的勝利でワーッと喜びたかったな…
…なんて…

でも、これがリアルな旅の終わりであり
夢ではなく現実世界の厳しさだと
分かっています。

その中でしっかりと記憶に残るリシナツの活躍。
これまでの絶頂を知っている分、
炸裂しなかったことに無念さは隠し切れませんが、
彼らしさが要所要所に現れていました。
チームが劣勢の時でも
不穏を破ってチャンスを作るパフォーマンス。
それを何度も見せてもらったことで
彼の真の強さを感じることができました。

いい時ばかりが全てじゃない、
逆境でも我慢する力、諦めない力、
そこから突破する力…
彼が最後に見せてくれたのは
人生を強く生き抜くための真髄でもあり、
それこそが、今の私に足りない
必要なものだと思えてくるのでした。

バレー観戦ツアーは楽しいばかりのもではなく
時に、いろんな学びを与えてくれます。
旅の準備に始まり、旅程、選手のパフォーマンス、
そして出会った各国の人々から
いろんなことを教わってきました。
最後、旅を終える前にこの試合を観たのも
単なる偶然ではないのかもしれません。

人生は思い描く甘い夢とは違って
しばしば残酷なもの。
それを受け入れながら目の前のものを
しっかり見て、学んでいくことの連続。

それがこの先の自分への
メッセージであるように思え、
バレーツアーという長年の夢からいよいよ離れ、
新たな一歩を踏み出す覚悟に
力を与えてくれる気がしました。

【88】へつづく…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?