VOLLEY TOUR 2024【1】~イタリアバレー観戦旅の計画
2009年に初めてイタリアリーグを見てから早15年。コロナ禍の3年間は渡航ができず日本にこもっていたものの、毎シーズンのイタリア現地観戦は恒例のものとなり、気が付けばイタリアだけで80試合を超えるまでになりました。以前は2~3ヶ月の旅をするために短期派遣の仕事を選んでいましたが、そろそろ先の人生を考えるべきかと就職をしたため、観戦の為に連休をもらえても1週間…。なんとか交渉して10日間が限界だろうな…。そんな中、有難いことに上司の計らいで異例の12日間のお休みをいただくことができ、今回の旅が実現しました。
旅の計画を立てるに当たってまず優先したかったのは、リシナツのワルシャワとヨボビッチのヴェローナの観戦。「セルビアチーム推し」としては、6月と10月の国際大会、セルビア代表が日本に来てくれたにも関わらず、2人には会うことができなかったので、どうしても会いに行きたかったのです。それに加えて、年齢的に引退が迫っていと思われるポドラスチャニンのトレントも。
さて、この3チームをいかに効率よく回り、加えてセルビア選手のいるチステルナ、カターニャ、モデナをも回ることができないものか…。無謀だと思いながらも考えに考え、シーズン当初から各チームの力を観察し、各リーグ、CEVのスケジュールも調べ上げ、絶好の機会を見つけました。
CEVのカレンダーによると、チャレンジカップの決勝2戦目が2月27日(火)に確定済。今季チャレンジカップに参加するワルシャワは恐らく決勝まで行くことが容易に予想でき、対戦相手として一方のトーナメントを見るとどう見てもモンツァが有力。スケジュール的にも2月27日はモンツァでのホームがほぼ確定と思われたので、ここにワルシャワが来るだろうと早くに予想していました。
一方で、同じ週にチャンピオンズリーグ(CL)の準々決勝が予定されており、上位で予選を抜けると思われるトレントは、この週の試合、ホームであることが濃厚。2月27~29日(火~木)で予定されているCLの試合ですが、セリエの日程上、週末のアウェーから戻ってすぐの27日(火)に試合が行われることはほほぼ不可。ならばチャレンジカップと被ることなく見られる‼と、心躍る日程を見つけることができたのです。
27(火)にチャレンジカップ、28(水)または29(木)にチャンピオンズリーグ、そして週末の3月3(日)にヴェローナ。
よし、これで完璧!!
当初9日間の休暇で日程を組んでいましたが、勤務のスケジュール表をもらってみたら上司の気遣いで+3日間お休みが増えており、これにより3月6日のセリエのプレーオフ1戦目も観戦可能に。これを利用すればチステルナもカターニャもモデナも見られるかも!? 希望を抱き出発準備を進めました。
ところが…
シーズン始まって各チームを観察していましたが、離脱しているリシナツの具合が思いのほか間に合いそうにないことに気付きました。ワルシャワホームではエンドで席で観戦している姿は見えますが、アウェーでは国内でも帯同していない様子…。プレーは見れなくても、姿だけでも見られれば…と願うも、この様子ではイタリアまで帯同は難しい模様。仕方ない、諦めるべきか…と、他の地への移動を考え始めたのです。
ですが…
いざ、モンツァでのワルシャワ戦に合わせ予約していたホテルをキャンセルしようと思ったら、まさかのキャンセル不可…。こういうことを予測し、キャンセル可能の宿を押さえたつもりだったのに、間違ってキャンセル不可のプランを予約していたのです。宿泊費1泊1万円ちょっと。まぁ、無駄になるけれど、別の場所へ行くためにここは捨てるか…。一瞬、そんなことも頭を過りました。しかし、なんとなく、ここに運命的なものを感じたのです(笑)。
探りを入れてみると、どうやらリシナツがチームに帯同する可能性もあるという情報をキャッチ。わずかな希望が見え、そのままモンツァ訪問を残すプランで準備を続けました。たとえ会えなくても、その時はその時だ…。ちょうど同じ日にモンツァの会場を訪れる友人がいたことで、「友人との再会」という違った目的ができ、リシナツに期待し過ぎず向かうことができたのもよかったのかもしれません。
そして…
2月26日(月)、出発当日。
移動の途中で見たSNSで、一枚の写真に目が留まります。
じっくりとしっかりと目を凝らして見てみるも、どこにもリシナツの姿が見えません。これは…やはり帯同していないのか…。
もしかしたらチームとは別便で来るのかも…
帯同だけなら当日移動もありでしょう…
運命を信じた自分を恥じながらも、この期に及んでまだ期待をいだいている諦めの悪さは、よく言えばポジティブなのかもしれません。
間もなく出発…明日にはイタリア。
果たしてその地でリシナツに会えるのか…
どんな結末でも受け入れる覚悟で向かおうとした日本出国時。窓の外には雨上がりの大きな虹がかかっており、なんとなく明るい未来が待っている気がしました。
2へつづく…