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VOLLEY TOUR 2019/20【33】~欧州五輪予選4日目SRBvsBUL

欧州五輪予選4日目
第一試合:セルビア対ブルガリア

2勝しているブルガリア相手に
勝利しなければ自力では
準決勝に進めないセルビア。
しかも3ポイントが必要なので
2セット取られたらほぼアウト…
2セット取られてもその後の
フランス対オランダで
フランスが負ければ可能性がなくもない…
ですが、それはかなり難しい話。

この戦いに、この勝利に、
全てがかかっているのです。

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今日も一番乗りで会場へ入ると、
一昨日と同じエリアの席へ。
訪れる観客に見慣れた顔も多く、
一昨日出会ったおばあさん夫婦と
シンガポールの男の子に挨拶します。

今日はベンチ裏にセルビアサポーターの団体さんも。

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心強い味方がたくさん集まり
安心感も増しました。

とはいえ緊張で押しつぶされそうな私…
ブルガリアにはここ最近負けていないし
勝てる気満々だったのが
ブルガリアがフランスを破ったことで
そんな安易な自信はきれいに消え去ってしまいました。
むしろ劣勢、ピンチ状態…。

ですが、肝心な選手たちは、
これが驚く程、笑顔のリラックスムード。
この状況でなんでそんなに
笑っていられるのー!?と不思議に思う程。
ペトリッチこそ一人無言で
自分の世界に入っていますが、
その他の選手たちは笑ったり会話したり、
いつものバレーを楽しむセルビアチームでした。

対して、ネットを挟んだ向こう側には
険しい顔、無言でストレッチする
ブルガリアメンバーたち。

緊張で固くなっているのか、
それとも集中力を極限に高めているのか、
明らかに正反対の両チーム。
これが試合内容にどう影響するのか…
それはわずか数分間後に思い知ることになるのでした。

第一セット、序盤から
一進一退の攻防が続き
対等な戦いを繰り広げていましたが
中盤から引き離されていったセルビア。
気が付けば3点、4点…と差が広がっていき
追いつけないままセットを奪われてしまいます。

セルビアのレセプションが良くないのもありますが、
それにしてもブルガリアのサーブが
全員良過ぎ!!
誰が来ても痛めつけられる…
隙のないブルガリアでした。

1セットを失い、早くも後がなくなったセルビア。
つづく第2セットは、終始拮抗したまま終盤を迎え
デュースの末にセットを取り返します。

なんとか…これでなんとか1セット。
先が繋がった…
夢はまだ続いていることを信じて
一心に応援するのでした。

第3セット、序盤リードしながら試合を運ぶセルビア。
いいぞ、いいぞ、この調子だ!
このままいけば2セット行ける!!
そう強い願いをもって、祈るように応援します。

しかし、じりじりとその差を縮めるブルガリア…。
サーブがいいし、その上ブロックもいい!
なかなかセルビアの攻撃を決めさせてくれません。

そう、悲しいくらいに、
アタナシエビッチの攻撃が決まらない…
決めさせてもらえない…
なのに、対するソコロフは一人で
ガンガン決めていきます。
2人のオポジットのこの違い…
完全にエースの差を見せつけられた試合でした。

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でも!
これまで見てきてソコロフは
最終的に脚の不調で下り気味になることも多かった。
だからきっと今日もそうなるはず…
そんな相手の不運を期待しましたが、
これが全く衰えることなく、
調子を崩しません。
イタリア・LUBEで優勝の立役者となり
さらにステップアップすべく
ロシアの強豪カザンへと移籍したソコロフ。
現状に甘んじない向上心の高さが
この差を生んだように思えてしまうのでした。

もちろんそれだけでなく、
ブルガリアの他の選手も今までの印象と全然違います。
スクリモフってこんなによかったっけ?
ヨシホフだけじゃなく若いミドルの
ゴロズダノフも存在感がある。
監督が代わればこうも違うもの!?
近年戦ってきたブルガリアとは別のチームのようでした。

悔しいけれどセルビアよりも
いいバレーをしていることを
認めざるを得ません。

期待のリシナツも今日は絶不調…
ペトリッチとコバチェビッチで
なんとかセルビアも点数を重ねていきますが
そこにはやはり限界が見えてしまうのでした。

いやだ、いやだ、
これで終わりなんて嫌だ。
嘘だ、これは夢にきまってる。
目覚めたら試合前に戻っている…きっとそう…。
信じこませようとしましたが、
目の前の試合は続いていきます…。

20点目に到達したブルガリアは
そのままどんどん点数を重ね
セルビアを待つことなく
つに25点目に到達…。

これでセルビアは、
自力での出場権獲得が叶わぬものとなりました。

2セット先取し準決勝進出に喜ぶブルガリア。
一方セルビアは…

彼らがどんな表情をしているのか
私はとても見ることはできませんでした。

斜め上、大画面に映し出される得点を見上げながら
溢れそうな涙をただただ堪えるのが精一杯。
コートに体を向けることもできず、
得点版を眺めるふりをしながら
じっと耐えていました。

だけど、重力に逆らいどんどん溢れてくる涙。
そんな状態でも目の前ではまだ
セルビアの戦いは続いているのです。

いっそ、もうこの場から
逃げ出したい…
ここにいたくない…

そう思っても、
目の前で必死に戦っている選手を見たら
逃げ出すわけにはいきません。
涙を必死に堪え、これまでの通り、
コート上に目を向けようと気持ちを立て直すのですが、
視界に入ってくるのは
ベンチで頭を抱える選手や
下を向いて考えこむ選手の姿。

それを見たらもう、私の涙腺はコントロール不可能。
完全に崩壊してしまいました。

第4セット第5セット、
メンバーチェンジで挑んだ試合は
フルセット負け。

それでもオランダがフランスに
ストレートで圧勝すれば
セルビアに可能性がなくはない!
ですが…それは前にも言った通り
期待度は限りなくゼロに近い数字。

それでも可能性が消えたわけではないので
試合を見届けました…。


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結果は…
フランスがあっさり2セット連取。

これで、セルビアの五輪出場は消えてなくなりました。

【34】へつづく…









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