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EURO VOLLEY 2019 観戦記録1~大会前

「強くなれ…」
セリエA1ファイナル5戦目を客席で観て
ペルージャの敗退を目の当たりにし、
ベンチで下を向くアタナシエビッチに
そう呟いてから3ヶ月…。
これをバネに8月の大陸間五輪予選では
一回り成長したエースの姿を
セルビアのナショナルチームで見られるはず…
そう思っていました。

が、ふたを開けてみるとイタリアに完敗。
わずか10ヶ月前、世界選手権で
にあんなに気持ちよく勝ち切った相手に
手も足も出ず、全くいいところなく
五輪の切符をセルビアは逃したのです。
もちろんアタナシエビッチ一人のせいではなく
全員がそれぞれに力を出せなかった結果。
会場にいた私と友人は愕然とし、
このままセルビア代表には
明るい未来は来ないのではないか…
そんな不安にまで苛まれるのでした。

が、その直後、飛び込んできた
「セルビア代表グルビッチ監督辞任」のニュース。
突然の事態にとにかくびっくりしました。
確かに采配に意味の分からないことも
多々あった…
けど、ここで監督替える?
1月のヨーロッパ五輪予選まで
半年もないのに、何ができる…??
セルビア代表の危機を察しながら
これが混乱で終わってしまわないか
ただただ不安に思うばかり。
しかし、新たに就任した監督が分かると、
私の中で安堵の気持ちと喜び
そして可能性を
感じずにはいられませんでした。

新しい監督はスロボダン・コバチ。
ご存知のように昨季までスロヴェニア監督を、
それ以前はイラン代表監督を務めてていました。
クラブチームでは長年ペルージャの指揮を執り、
以降もアンカラ、ベルゴロドと
名の知れたチームで監督を経験してきています。
これまで現地で彼の言動を見てきて人柄を知って、
私にとって、こんなに嬉しい就任は
ありませんでした。

グルビッチが作り上げて来たチームが
壊されてしまうい寂しさ以上に
新しくコバチさんが作るチームが楽しみで、
これはいいチームの空気が出来上がるはず
そう確信していたのです。

しかし、それが成績につながるかどうかは
未知の世界。

さて、新生セルビアはどうなる?

9月、まもなく始まったヨーロッパ選手権で
私はその変貌に驚かされることになるのです。


こんなことなら、職場にお休みをもらえるよう
お願いをしておけばよかった…
が、8月、OQTのために1週間も連休をもらってしまい、
さすがに2か月続けて連休のお願いをするには
社会人としてなかなか言い出せないもの。
そう、今や短期派遣をやめ、しがないパート…
ここはぐっと我慢し、
インターネットでの深夜観戦に
諦めることにしました。
公式TVがあるだけまだいい。
ちゃんと試合が観られるんだもん。
そう言い聞かせ、納得させていました。

だけど、コバチセルビアに期待を抱く私は、
どうしても思いを堪えきれずにいました。
もし、万が一、セルビアが決勝に行ったとして
そこに私がいないなんてありえない!(笑)。
人生をかけて応援するチームの
大事な舞台は何が何でも見届けたい。
これまで2度ほどヨーロッパ選手権を現地で見てきて、
どちらもセルビアは銅メダル。
金、いや銀でもいい、銅以上のセルビアが見たい…

そんなときです。
職場で渡された来月のスケジュールを見ると、
まさかまさかの、月末3連休があるではないですか!
これって10月1日を休ませてもらえば、
決勝だけは観に行ける!?
奇跡のような状況を与えられ、
次の瞬間にはもう、航空券を検索していました。

3位決定戦と決勝戦が別日に行われる
今回の大会日程。
3位決勝戦ではダメ、決勝でなければ観られない…。
セルビアが決勝にいなければ私にとっては
行く意味がないため、出発は
セミファイナルを観てから判断することになります。
もちろん、それ以前に敗退が決まれば
旅はキャンセル。

ファイナルのチケットと航空券、
それだけを手に、
私の18日間の戦いは始まりました。

2へつづく…

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