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La'cryma Christi "With-you"の感想と考察!典型的なJ-POPへの強烈なアンチテーゼ?パッヘルベルのカノン風のメロディとコードから一転、転調したサビが印象的

※本記事は下のYouTubeラジオ動画の台本のようなものです。ぜひ動画で臨場感をお楽しみください!

正直、With-youと未来航路の区別がついてないくらいのレベルだった。聴き直したら名曲すぎてびっくり!


ハードロックやプログレに挑戦したように「J-POP」に挑戦した1曲

いかにJ-POPのヒットチャートの中でラクリマらしさを出しながら結果も残していくか。
メジャー1stはインディーズ時代の貯金がある。2nd以降は新しい引き出しを開けていかないといけない。そんな過渡期にしか出せない良さがある。
アコギやピアノだけで演奏しても成立するような名曲。

売れてる曲=カノン進行でしょ?という挑発的な態度

Ivory Tree、THE CENT、南国とシングルが続いて、オリコン20位くらいで。よっしゃ一発売れ線の曲作ったろ→J-POPで売れ線ゆうたらカノン進行やろ、という雰囲気を感じる。

参考:カノン進行のJ-POPの名曲一覧

コード進行を拝借するだけならまだしも、「テッテレテッテレ」というメロディまで出てくる!これはもう確信犯!

ただ、一見すると普通に聞こえるこのパートも一般的な4小節単位ではなく3小節単位のフレーズになっており、ラクリマらしい捻りが感じられる。


サビの転調が醸し出すラクリマの"曲者感"

さらに、このままで終わってたらただのよくあるJ-POPだが、そこはさすがは我らのラクリマクリスティ。カノン進行の部分は実はサビじゃなく、AメロBメロを挟んでその後、急激に転調して「もう君なしじゃ生きられない」のサビへと向かう。


サビがめちゃくちゃ切迫感あって良い

こんなに良い曲だったっけ?って思った。正直舐めてた。(すみません)
AメロやBメロは割と達観しているというか「ケンカもたまにゃ いいスパイスになるよ」とか言ってて余裕ぶってる感じがするのに、この転調が効いてるのか急に真顔になってる感じがする。インパクトがすごい。


with you? without you?

「君なしじゃ生きられない」のに"With you"。" (I can't live) without you"じゃなくて。その辺もラクリマらしいひねくれ感。あなたと共に生きていくぜ、っていう決意表明だからwith youでいいのか。


「たまにゃ」とか「最終電車」とか歌詞がリアルになってきた 

アルバム"Lhasa"収録曲の"月の瞼"なんか「横浜へ行こう」なんて急に言われてドキッとした。笑 メジャーに来て作詞の幅が広がっている。


危うい「白い口づけをしたい」「それぞれの想いだけ」のピッチが魅力的

何回聞いても「おっ危ない」と思う。TAKAさんのボーカルに対して否定的な声もあると聞いたことがあるが、私は良いフックになっていると思う。


めちゃくちゃロマンチックでハッピーなラブソングでは?

失恋ソングという解釈もあるみたいだが、皆さんはどう思います?私はなんやかんやあったけど最終的には結ばれたと思ってます。なんならプロポーズソングでも良いかも。「この細胞の1つ1つ 君のイニシャル刻まれていく」なんてめちゃくちゃロマンチック!エンディングの木管楽器のアウトロも天使が祝福しているかのよう。

また、イントロの「夜の光が〜」がアウトロに来る時の歌詞の変化にも注目。「緑の蝶が染めるもの」が最初は「街と僕」だったのが、アウトロでは「二人」になる点も結ばれることを示唆しているのでは?



まとめ

ラクリマ屈指の名曲。シンプルな良い曲でラクリマのキャリアの中でも逆に異彩を放っている。貴重なTAKAさん作曲という点もポイント。

こういう曲もコンスタントに発表していけばまた違ったのかも?
ラルクで言う「tetsuyaさんのシングル」みたいな…。

今後、他の楽曲も解説していくのでよろしくお願いします!



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