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専業VTuberになりやすい時代が来ている?

はじめに

こんにちはバーチャルエコノミスト千莉です。

今回は、専業VTuberになりやすい時代が来ているというテーマでお話をしていきます。

専業VTuberとは?

専業VTuberというのは、VTuber活動のみで生計を立てているVTuberの事です。

現状、ほとんどのVTuberが専業ではなく、兼業で活動をしております。
単純な話、VTuberの収益だけで生活するのはなかなか大変だからです。
主に会社員をしながら、時間が空いている時間で配信したり動画を作ったり、というのがほとんどの個人VTuberの現状となります。

VTuberは現在1万3千人程ですが、そのVTuber一つで生活していくというのはなかなか大変です。
企業VTuberと言われる、企業に雇われているVTuberであっても、その企業とは別に本業を持っているパターンもあります。
VTuberだけで1本で暮らしていく、というのは非常に難しいのです。

では、なぜ専業VTuberになりやすい時代が来ているのか。

結論から言いますと、個人VTuber、もしくは小規模な企業に所属しているVTuberでも企業案件をもらいやすくなったからです。


参考文献
戦略PR 世の中を動かす新しい6つの法則 本田 哲也
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個人VTuberでも企業案件をもらいやすくなった

企業案件というのは、企業からもらえるお仕事です。
例えばゲーム広告の仕事で、「ゲーム紹介をしてください」というお仕事を企業から請け負い、そのゲームを自分の配信で紹介することによってお金をもらうという形です。

今までの常識では、Youtuberで登録者10万人以上じゃないと企業案件を受けられないという認識が広がっていました。
しかし、最近は規模が小さいマイクロインフルエンサーと呼ばれる人たちでも、企業案件を受けやすくなってきています(私もその一人です)。


本業で収益を得る必要性が下がった

VTuberの活動の一環である配信やTwitter投稿でもより多くの収益が得られる。
つまり、VTuberの活動での収入源は、今までは、広告収益・スーパーチャット・メンバーシップしかありませんでしたが、そこに企業案件の収益が入ることによって、よりVTuber活動に専念しやすくなったという現状があります。

時代の流れの変化によって、今までよりも専業VTuberとして活動しやすくなったと言えますね。


発信者が生計を立てやすい時代へ

例を挙げると、「TERA CLASSIC」というゲームがあります。
こちらのスマホゲーでは、VTuber約70名が、Twitterで配信開始までのカウントダウンツイートを投稿する、という企画を実施しています。

この企画は、70人のVTuberを雇っていることになります。そして、選ばれたVTuberは、そのアプリで会社から報酬をもらっているという形です。

面白いことに、Youtubeチャンネル登録者数1000人台、もしくは1000人以下のVTuberでも「TERA CLASSIC」投稿をしています。

という事は、そのくらいのチャンネル登録者数でも、企業は広告宣伝という形で雇い入れ、お金を払う時代になっているということです。
「TERA CLASSIC」以外でも、今では特にスマホアプリゲームは登録者数1000人台の、小さな規模のVTuberであっても企業案件が来ているように思えます。
この辺りは少し調べていただければ事例が沢山出てくるかと思います。


マイクロインフルエンサーの時代がやってくる

では、なぜ今こんなことになっているのか。
一言で言えば、「ROI(投資利益率)」が良いからです。

ROI(投資利益率)というのは、投資した額に対し、何割利益を上げれるかという指標です。
このROIが高いと、「良い投資」といえます。
マイクロインフルエンサーに頼むとすごく「良い投資」ができるのです。

インフルエンサープラットフォーム運営のMarkerly( マーカリー)の調査によると、「インフルエンサーのフォロワー数とエンゲージメント率は必ずしも比例しない」ことが分かっています。
エンゲージメント率とは、「いいね」や「リツイート」などの反応(エンゲージ)を図る指標です。

ここで面白いのが、「フォロワー数が増えるにつれてエンゲージメント率が減少する」というデータが出ていることです。
例えば、「インスタグラムの投稿に対するいいねの割合」は

フォロワー1000人未満     8%
フォロワー1000人から1万人    4%
フォロワー100万人以上      1.7%

になってしまったというデータがあります。

上記はインスタグラムですが、Youtuberでも同じような報告がされております。
マイクロユーチューバーの方が、中堅・大物ユーチューバーと比較して
1登録者数のコメント率・高評価率が高い。

つまり「スーパーインフルエンサー一人の発信」よりも、「マイクロインフルエンサー複数人による投稿」の方が影響力は最大になり、ROI、つまり費用対効果が高くなるというデータがあります。


もう少し具体的に言うと、大金を出してヒカキンさんに広告依頼するのではなく、同じ金額でもっと小さな規模のマイクロインフルエンサーたちを何百人雇って広告宣伝してもらった方が、結果、宣伝した商品がよく売れるという形になるという話です。

そして、このデータを企業が発見し始めてます。

まだそこまで伸びてないVTuberは、伸びてないから悪いのではなくて、むしろファンが濃い為、積極的に拡散してくれます。また、実際にその商品を紹介したらみんな買ってくれる。
そんなマイクロインフルエンサーの時代がもうやってきています。


2種類のインフルエンサー

インフルエンサーには2種類あります。
一つが共感系インフルエンサー。もう一つが事実系インフルエンサーです。

自分がどちらのタイプなのか、もしくは自分が宣伝を依頼する側としたらどちらに依頼した方が効果が高いのだろうか。
その辺りを判断するために参考にしていただきたいです。

共感系のインフルエンサー


タレント系の方がこちらにあたります。かっこいい・かわいい、何でもゲーム紹介する、面白いことならなんでもやる。
そんな芸能人のような方です。

共感系インフルエンサーの強みは、心理的なフォロー効果です。

推しが好きなもの、紹介してくれるものであれば、何でもファンは買いたくなる・応援したくなるという心理的なフォロー効果が大きいというのが共感系インフルエンサーの特徴です。

共感型の弱点としては、発信内容がバラバラになりがちなので、企業側がその人を見つけにくいということがあります。
そのため、共感系インフルエンサーは、基本的には事務所に入ることが多いようです。
つまり、エージェント(にじさんじ・ホロライブ、吉本興業)、もしくはマルチチャンネル ネットワークに所属することで、自身を見つけてもらいやすくし、企業案件なども振ってもらいやすいという特徴があります。


事実系のインフルエンサー

こちらはなにかというと、専門分野に特化したインフルエンサーです。
「ここの専門分野はこの人に聞いておけばOK」と思ってもらえる方です。

事実系インフルエンサーの方々は、事務所に所属する必要はないそうです。
わざわざ事務所等に所属し、「この人を使ってください」と紹介されてから企業案件を割り振ってもらう、という形を取らなくても、事実系インフルエンサーは調べれば見つけてもらえます。

例えば、「行動経済学のVTuber」と検索したら、もう「バーチャルエコノミスト千莉」しか出ない。

そういう専門分野に特化した方は、見つけてもらいやすいためソロ活動が多いという特徴があるそうです。

そもそも、検索で見つけてもらえないのであればインフルエンサーではない。という形で参考書籍では紹介されてました。何とも厳しい世界ではあります。


ハイブリッド型

そして、共感系と事実系のハイブリッド型もあるようです。
私はいまこの型を目指しています。

専門分野知識によるきちんとした裏付けで自分の発信にお墨付きを与えつつ、共感系の特徴である「ファンの心理」も加味する。
このどちらも使えれば最強ですよね。

熱狂的なファンを持ちつつ、ちゃんと論理的証拠を持っているインフルエンサーは少ないと思います。
一応、この型もあるよというところです。


まとめ

VTuberが専業でも生きていきやすい時代に、少しずつ変わってきています。

そして、事業者は自分がインフルエンサーに何か商品宣伝してもらいたいという場合は、大金をかけてトップインフルエンサーを使うのではなくて、マイクロインフルエンサーを複数名雇い入れた方が、結果的に安く済むという事実がある、ということです。

VTuberがもう職業として認められるような時代がすぐそこまで迫ってきてるんじゃないかなと思います。

余談ですが、私は国勢調査で職業欄に「VTuber」と書きました。

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