介護休暇制度とは何か

介護休暇とは、両親や身内が高齢や病気になり常に介護が必要な要介護状態になったとき、労働者に与えられる休暇のことだ。介護休暇を取得するための条件の1つに、雇用期間が半月以上であることが求められる。半月以上であれば、正社員だけでなく契約社員や派遣社員、アルバイトやパートにも適用される。介護休暇制度は育児・介護休業法で定められており、休暇期間は対象家族1人につき年5日、半日から終日の休みを取ることが可能だ。2人いる場合は最大10日まで取得できるが、介護の対象が3人となった場合でも10日を超えて休むことはできない。

介護支援制度が始まった背景には、家族や肉親が要介護状態になり介護のために仕事を離れなければならない介護離職者が増え始めたためだ。平成28年度版高齢社会白書によると、2011年の介護離職者数は10万1,100人にのぼり、中でも女性の離職者が多い。また、2019年3月に介護職に就いている40歳以上の男女を対象に行った介護に関する意識調査では、介護休暇を知っていると答えた人は5パーセント未満だった。介護休暇・介護休業・介護保険の制度でどれか1つでも利用したことがあるかという質問に対しては、一度も使っていないと答えた割合が57.3パーセントにのぼり、過半数の人が介護制度の存在を知らない実態が浮かび上がった。職場でも勤務先に介護に関する相談をしたのは23パーセントと、介護休暇制度に関する意識は広がっていないのが現状だ。ゆえに、介護離職は今後も進む傾向にあると考えられている。そこで、これまで介護休暇制度を把握していなかった人は、詳細を読んでしっかりと理解しておこう。