和の心コズミックスピリット㉞
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■日本の古来の宗教舞踊文化には霊的な意味で体の軸を重んじる伝統がある
アニミズム文化は霊性(アニマ)を信じる以上に、それをいきいきとふるい立たせる実践主体の文化です。振るい立たせるためには振るい立たせる行為が必要です。軸なる神をいきいきと振るい立たせる、その霊性の発現にとって、なくてはならないものが、この『振り』の結集(=舞)であったと考えられます。
先にお茶を飲むのは本来、体の軸とは関係ないという話と同時に、踊りというものは深められると体の中にしっかりとした軸を必要とするという話をしました。
『舞う』ことが最も重視される社会は、人々の中にしっかりとした体軸を形成させていったことが想像されます。ことに日本の古来の宗教舞踊文化には、霊的な意味で体の軸を重んじる伝統があり、古代の舞は軸をすこぶる重んじた所作で成立していたことが推測できます。
すでにふれたように大陸文化が伝来する以前の倭人伝(『隋書』倭国伝)には、私たちの祖先の様子が雅であると記されています。
雅な印象を与えるには、心も体も一定以上に洗練されていなければならないはずです。一つの性質が特定の人々だけでなく、民族の性質として定着するにはかなりの年月が必要です。
それ以前の時代に雅さを培う文化がなかったとしたら、倭人伝の時代にそれが定着しているということは考え難いことです。集落の霊性を奮い起こす私たちの祖先の舞は、人間一人一人の中の霊性(軸)を引き出し、『ふるまい』文化の原型を形作っていたのではないでしょうか。
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■軸というものが日本民族としての記憶を呼び覚ます
舞は所作から成り立ちますから宗教行為であるとすれば、そこから所作そのものが宗教行為化してゆくことが考えられます。
よき『ふるまい』にも雅な所作にも不可欠なのは、人間という存在における御柱(中心軸)がしっかりと形成された体です。その形成に重要な役割を果たしたものが、人々全員が行っていたであろうこの舞という行為であったと考えられるのです。
古代の人々の軸重視の人間観は最初にお伝えした神さまを柱と認識する認識からも読み取れますが、縄文の土偶にも表れています。
舞の文化を把握した人の目で縄文土偶を見ると、縄文土偶は共通して体軸を成立させた人体の特徴が象られていることに気付きます。その特徴は神聖なる気配が求められる儀式の上でも重要であったと考えらえるのです。
このようにして成立した『ふるまい』文化は、後に生ずる型の文化の基礎となっていったと思われます。
お茶は中国から渡ってきた飲み物ですが、このお茶を柱が凛として立つ和の空間で味わう時、自ずと軸を正し、静まった心で味わいたくなるものです。
私自身も凛としてお茶を味わうと、朝早くお日さまに向かうのに似た、けがれなき気配が立ち込めます。そして一つ一つの所作も清らかなものでありたいという気持ちが生じます。
軸というものが民族としての記憶を呼び覚まします。同じお茶でも単なる飲み物を味わう行為とは次元を異にする世界がここに生まれます。
諸所の日本の型文化に共通して軸重視の観点が存在するのは、この太古の伝統が後の日本人の中にも生き続け、それを新たな文化を通して実現しようとしてきたからではないでしょうか。
弓は武器ですが所作重視の文化の中では、その弓さえも体軸を形成し、精神を培う文化となります。そうして私たちの国では諸所の文化の中枢に太古からの精神は宿され、生き続けてきたように思えてなりません。
(続く)
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続きものになっているので、興味がもてた方は最初から読むとより面白いかと思います(*^-^*)
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