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習い事としての芸事

最近、習い事で日本舞踊を始めました。
幼い頃から水泳とピアノをやってみたはいいものの、全く好きになれず、練習もせず、凡以下というような人間でしたが、ついに自らやろうと重い腰をあげて始めた次第です。

習い事として日本舞踊を始めたのには理由はないのですが、あるとすれば昔ダンスをやっていたというところでしょうか。

ダンスを始めたきっかけも、学校で配られたチラシで、友達と「やってみようよ」なんて言っていた記憶が始まりで、あれよあれよと芸術的な先生の好奇心と情熱に魅了されて、多感な時期のあれこれと共にアンダーグラウンドな出自のダンスにのめり込んでいました。
バトルやストリートでの練習より、スタジオ練習やコンテストへの作品作りのほうが性に合うというような生徒だったので、お嬢様ダンサーといいましょうか。
ストリートダンスやヒップホップのバックグラウンドにいわれるような、アウトローでダークな一面は投影しないダンサーでした。

大学生になるとサークルにも参加して、それとなくストリートやアンダーグラウンドなクラブに出入りすることもありました。
しかしながら、元々練習熱心ではなかったために、阿片窟ばりに堕落する日々。
昼間はただ時間だけが過ぎ、夜がふけ、深夜になると「やるか」と踊り始める。
そんな毎日。
お金もないし、動いたらお腹空くし、でもショーは4日後。
振り付けはまだだし…という事が当たり前にありました。
振り付けを作れば、あなたの振り付けが難しいとメンバーには怒られ、ちゃんと練習してと口うるさく言われる。
わたしは、ほんとに何もしない後輩だったし、先輩でした。

そんな堕落したダンサーが急に伝統舞踊をやろうという気になったことに周囲はびっくり。
母に「練習着に浴衣がいるから送って」と突然連絡をいれると
「何を急に?」
と質問責めに。
友達には「何事?」と心配すらされました。
唯一喜んでくれたのは後輩で「型にはまらない方にいくのがゆいさんらしい」と笑っていました。

お稽古で浴衣を着ると普段にない緊張感に包まれ、師匠のiPhoneで再生される音楽と鏡張りのスタジオに違和感を覚えながら、情熱!パッション!なダンスとは違う、ヒラヒラと動く師匠を追ってふわふわと動く自分が見慣れなくて、とても新鮮です。

楽器や歌の才はないけど、踊りに関してはなんでも興味を持てるんだなと気づいて、軽率に入門したのは2022年のなかで1番良い出来事でした。

この小さな一歩を少しずつ歩み進めて、いつかは名取になって…と、実はすこし夢を抱いていたり。
そしてお着物がひとりで着れるようになったら、着物の収集癖がつきそうで少し怖いので、今のうちに働いてお金貯めようかなと思っています。

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