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いっしゅうき 2021.09①

2021.09.01 WED
267日目です。最近、今月末に締切がある小説賞用にずっとネタを考えているんですが、全然まとまらないので焦っています。数年前から温めているネタがなんとなく使えそうなのでリサイクルしようかと思っていたのですが、改めて細部を詰めてみると現在の知識量では難しそうだったり、いろいろ無理が出てきたり……できるだけ早く書き始めたいのですが、このかんじだとおそらく、いつもどおり締切二日前くらいから泣きながら書き始めるやつになると思います。おまえはいつもそうだ。誰もおまえを愛さない……。

2021.09.02 THU
268日目です。知人から「おまえが中学生のとき書いた小説を発掘しました」(意訳)という連絡が来たので雪中行軍中かというくらい震えています。いますぐ全部捨てろ。

2021.09.03 FRI
269日目です。なんだか妙に落ち着かない気持ちになったので、くまのぬいぐるみを抱き締めて本を読みながら寝ました。本は数ページ読んだだけで集中力が切れてしまい、ぬいぐるみは鼻がむずむずするし暑いしでそこらへんに放り投げて寝ました。朝(といってもほぼ夕方ですが)に起きたら、無惨な姿でフローリングに転がっていたので、誰がこんなひどいことをしたんだと思いました。もうだめです。

2021.09.04 SAT
270日目です。10月の文フリ札幌から頒布が始まる北十『砂時計』第3号の表紙が解禁されました! 装画は町田すみ様です。何卒よろしくお願いします!

2021.09.05 SUN
271日目です。ほんとうは図書館へ行かなければならなかったんですが、あまりにやる気がでないので見送りました。明日以降の自分に期待します。

2021.09.06 MON
272日目です。あまりに布団でだらだらしすぎて、空腹のあまり布団から立ち上がれなくてたいへん参りました。おなかすいたからなにか食べたいのに空腹ゆえに立ち上がれず、なんとか這う這うの体で立ち上がったはいいものの冷蔵庫は空……。スパゲティがひと束残っていたので助かりましたが、ひとはこうやって怠惰の余りしんでいくんだなと思いました。

2021.09.07 TUE
273日目です。諸事情から『千と千尋の神隠し』を冒頭十数分だけ観ました。具体的には映画が始まって、千尋が川に突っ込むまでのところです。どんな諸事情じゃというかんじですが実際事情があって観たのでそこらへんは御寛恕願いたいのですが、パソコンを睨みつけるようにして凝視していたらしく、画面が切り替わって自分の顔が液晶に映った途端、あまりに険し過ぎる顔に我ながら引いてしまいました。

たしか4、5歳くらいのときだったと思いますが、ダビングしたVHSで、毎日のように『千と千尋~』を観ていたおぼえがあります。おやつの時間から観始めて、観終わったら風呂に入って、夕飯を食べ寝て、また次の日のおやつの時間に母にねだって『千と~』を頭から再生してもらい……ということを繰り返していたら、ある日母が「いい加減にしてよ、飽きたよ!」と音を上げてしまい、それ以来すっかり観なくなった、とそんな記憶があります。

昔から同じものを繰り返し観て、聴いて、ということを繰り返すタイプの人間だったので、以降もあるアニメの同じシーンを繰り返し観るために朝4時起きを繰り返し、こっそりVHSを観ていたことが親にばれて呆れ半分に叱られ、またあるときは別のアニメの同じシーンを観るため巻き戻しを繰り返した結果、デッキのなかでVHSが絡まって抜けなくなってしまったり(以来数年間必死に隠匿してそのまま上京したので、恐らく未だにデッキのビデオ部分は使えないままです。DVDが主流になっていて助かりました。お母さんごめん)、そういう愚かなことをずっとしてきました。こういうところにオタク気質が滲み出ているなと思います。今でもVODサービスでシリーズのひとつの回だけ延々と観返したり、漫画のひとつの巻の一部ページに開き癖がついたりしていますし、好きな曲は何時間でもリピートし続けるので、三つ子の魂百までというのは言い得て妙なのかもしれません。

ただ、今日ものすごく久しぶりに『千と~』を観たら、初っ端から心臓がばくばくして、一刻も早く観るのをやめたい、という気分になったので驚きました。映像の美しさやモチーフへの関心は十二分にあるのですが、千尋の必死の訴えが聞き入れてもらえなかったり、彼女が庇護者である親を失って見知らぬ場所にひとりになってしまう様子を観ているとなんだかもう耐えられず、こんな心臓に悪い映画観てられない!という気持ちと好奇心がせめぎ合ってなかばパニックを起こしかけました。いやおまえ擦り切れるほど観てたべし。いまさらなにを言うとんじゃ。

ひさしぶりの鑑賞で、細かな演出をほとんどおぼえていなかった、というのもあるかもしれません。もしかしたら幼い筆者も、初見のときは「怖い!」と思っていた可能性もあります。ホラーやスリラー、怪奇幻想が好きと豪語しておいてとんだお笑い草ですが、そういうのはあくまで「ほら話」なわけです。現実と大きく乖離した世界が開けているからこそ楽しめる節があって、「同行者が突然いなくなる」「自分の話を聞いてもらえない」というような、現実と非常に近いところにある小さな恐怖は、いい歳になった筆者にとってもこの世でいちばんの恐怖です。自分で書くのはさておき、鑑賞するのはなかなかきついなと改めて思いました。まったく、弱くなったもんだ……。
昔の自分のように、何度も繰り返し観続けていれば、余計な感情が擦り切れて客観的に物語を見られるのかなという気もします。いまとなってはもう、自分が『千と千尋~』のどこにそこまでの情熱を注いでいたのかわからないので、今度ゆっくり鑑賞する機会があれば、もう一度チャレンジしてみようと思います。同じものを繰り返し観る、というのは一種の防衛反応なのかな、となんとなく考えるなどしました。

ほんとうにありがとうございます。いただいたものは映画を観たり本を買ったりご飯を食べたりに使わせていただきます。