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『伝える』というワザ

伝わらないのは
自分の伝え方が悪いのか
相手の理解が悪いのか
どちらにしても
疲れることだ

何も知らないくせに自尊心だけは一人前だった

私の最初の就職先は、県外に本院がある病院だった。
短大を卒業した年の夏に開院する予定の病院だったので
開院準備からの関わり。
建物も仲間も全部が新しくて嬉しかった。

同僚はやはり新卒で、地元の大学を卒業したばかりの男性。
短大とはいえ、専門科で学んできた自尊心もあり、
当時は少し珍しい職種でもあったので、
私はすっかり専門職気取りだったように思う。
今思えば、本当に恥ずかしい感じ。

頭の中にある知識を、私が使いこなせるものだと
勘違いしてたんだろね。

あの人のせいだもん。という主張

仕事は、入院患者さんやご家族からの情報収集や、
入院契約の手続きや生活に関する相談。
ベッドの管理などなど。営業的なコトも。

そんな中、問題が起きた。
内容が何だったのかは覚えていないのだけど
伝えていたはずの事が伝わってなかったことによる問題だった。
事務長に呼ばれた時、
「私は必要なことは絶対に漏らさず伝えました」と、
半ば不満げな態度をとった(と思う)。
自分のミスではないと主張した。
ありがちな、人のせいにするパターン。

20歳の私には難しすぎた上司の言葉。

その時に言われた言葉がこうだ。
「相手が聞いてなかったら言ってないのと同じこと」

きゃあ。この人なんて理不尽なこと言ってんの?
聞いてないほうが悪いんじゃん。
聞いてなかった人に注意せず、私が叱られるなんて!

取れないボールを投げるな

彼が言ったことは正しい。
そうなんだ。その通りだ。

仕事も勉強も、『結果』が大事だ。
もちろん『過程』も見過ごしちゃいけないけど
(過程については別のページで書きたい)
仕事においては、特にチームで動くような職種においては
言った言わない、とか、どっちがいいとか悪いとか
そういう視点ではいけないんだよね。

ある日、私はラグビーの練習を見学していた。
パスが乱れてボールがこぼれた。
コーチが叫ぶ。
「取れないボールを投げるな!」

そういうことだ。
その行動の結果が、仕事の成果につながるかどうかなんだ。

あの時の事務長の言葉は、職場を変えても
結婚して子どもを育てるときにも私の胸にあった。
30年も前に言われた言葉。
彼の言葉は私にしっかり 伝わっていた。





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