もし指扇さんに会ったらどうか親切にしてください
これから今日の出来事を正直に話します。
もうそろそろお昼ご飯という時間、少し沈んでいた私は気分転換に家から出て電車に乗って3駅のバーガーキングに行くことにしました。クーポンで590円だったワッパーチーズセットたいらげ、気分も良くなった私は歩いて5キロ先の家に帰ることにしました。
スピッツの色色衣を聴きながら駅から少し離れた大きな交差点で信号待ちをしていると、髭の長いおじいさんに声をかけられました。
「17号はこの道かい?」
「いえ、こっちが17号です。」 と交差点のもう一方の国道を指す私。
話を聞くと指扇(さしおうぎ)を目指して歩いているらしい。ここでは仮に彼のことを指扇さんと呼びます。「歩いていくような距離じゃないですケド…」 と思わず心の声が漏れます。
「国道17号を右に曲がってしばらくしたら指扇だとおもったんだがねぇ。」 とヨボヨボの徒歩で車みたいなことを言う指扇さん。正直指扇がピンと来ていなかった私にはできることがなく、その場を離れました。
指扇さんと別れて、家を目指してしばらく歩いているうちに、だんだん指扇さんの事が心配になってきました。Xperiaで指扇の位置を調べたりしながら歩いていましたが、来た道を戻る勇気が出ず家に着きました。
(指扇さんを指扇に導けたのは俺だけだったんじゃないか?)(駅まで戻れば指扇なんて数百円でいけるのになぜ案内しなかったのだろう?)(暇な時に人助けをしなくてどうする?)
私は後悔に背中を押され自転車にまたがりました。
私は指扇さんが徒歩でこの間に動く距離を冷静に考え、2つの道に絞って自転車を漕ぎましたが、とうとう指扇さんを見つけることは出来ませんでした。
私はこの後悔を忘れないようにこの出来事をnoteに記すこととします。ただ道を聞かれただけの、苗字も知らない指扇さんの幸福を願っています。
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