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自衛隊採用試験で迷走神経暴走

入隊するため身体能力を上げた女子高生に起こった突然変異

自衛隊に入隊するためには様々な身体条件があり、裸眼で0.8以上の視力が必要でした。
当時の私の視力は裸眼で0.3ぐらい。
はい、この時点で確実に不採用なのであります。

駄菓子菓子!

健康オタクは諦めなかった!
アントシアニンを接種するため、ブルーベリージャムを食べまくる作戦を決行したのであります!

ちなみに当時は今のように目に優しい系のサプリメントなどなかったし、情報も少なかった。


さらに、雑誌の裏とかに怪しく掲載されていた『視力回復トレーニング』に手を出し、真面目に実践したのであります。

当時のバイト時給が600円、視力回復トレーニングが30,000円ぐらいでしたから、それだけ本氣やったということですな。


もちろん筆記試験のための勉強もしまくりました!
筋トレをして身体も鍛えてみました。
今思えば、とても健氣な女子高生であります。


さて、準備万端で挑んだ入隊試験の日。

誰が見ても健康優良児。
論文は口八丁手八丁な感じで試験官の心を鷲掴みにしたに違いない。
筆記試験も手応えあり!
あとは身体検査や!


地味な視力回復トレーニングを素直に毎日実践し、もう見たくないぐらい食べまくったブルーベリージャムのおかげさまで、視力は裸眼で1.0ぐらいまで上がりました。
あの怪しい広告を信じて良かったなぁ。

視力さえクリアできたら、もぅこっちのもんや!


次は血液型の検査をしました。
親指に針を刺して、血液型を調べる簡単なものです。

( ˙灬˙ )「A型RHマイナスですね

(*・ω・)「えぇ!?わたし、RHプラスですが…」

( ˙灬˙ )「え?そうなんですか?もう一度、調べてみましょう」

(*・ω・)…

( ˙灬˙ )「やはり、A型RHマイナスですね…」

(;・ω・)「えぇ!?間違いなく、生まれた時はプラスやったんですが…

( ˙灬˙ )「ごく稀に、突然変異でRHプラスからRHマイナスになることがあるんですよ(学術的には)」

(;・ω・)「えぇ〜‼︎そんなこと、あるんですね‼︎」

( ˙灬˙ )「これからはA型RHマイナスとして生きてくださいね(そんな人、初めて見たわ)」

(;・ω・)「献血とかヤバいですね!うわわぁ〜!」

( ˙灬˙ )「大丈夫ですよ。もし、A型RHマイナスの血液が必要になれば、A型RHマイナスの隊員たちが総出で献血してくれますからね(しかも健康な青年たちから)」

(*・ω・)「そうなんですね〜!助け愛の精神、さすが自衛隊っすね!」


自分の血液型のRHタイプが成長期に突然変異してしまったという衝撃的な事実を知ったものの、採用には影響がないとのことで、一安心!
検査も残すところ、あと少しです。

(*・ω・) 絶対に合格するぞ〜!

と、心の中で叫びながら、自信満々で採血検査の部屋に入りました。



(;;・ω・) うわぁ、注射器で血ぃ抜くん?めっちゃ怖いやんけ〜!

このとき、生まれて初めて血を抜かれました。
あまりに怖かったので

(*・ω・)「そんなに痛くなかったね〜」

と、近くにいた知らん女の子に平然を装って話しかけました。

とても感じの良い女の子で、一緒に談笑しながら次の検査に向かいました。

すると突然‼︎暗黒の渦に巻き込まれてしまったのです!
真っ暗闇です!何も感じません!宇宙人襲来か!

知らん女の子が慌てて身体を支えてくれたような氣がしますが、闇の中で私の意識は完全に消えてしまいました。



氣がつくと、個室のベッドに寝かされておりました。
採血検査の後すぐ、意識を失い倒れてしまったらしいのです。


(・ω・)… 終わった。落ちた。


身体検査で倒れた人が、採用試験に合格するわけがない!

(・ω・)… 視力回復トレーニングがんばったのにな…。


目を覚ましたことに氣がついた看護隊員さんがやって来て、ことの経緯を話してくれました。


( ຶཽ ˙̫̮ ຶཽ )「採血の際、血管迷走神経反射が起こったんですよ。200人に1人ぐらいの割合でいますね。まぁ、ほとんど男子隊員に起こるんですけどね(女子でなった人、初めて見たわ)」

(*・ω・)「そうなんですかぁ〜。ほんまにビックリしました」

( ຶཽ ˙̫̮ ຶཽ )「迷走神経反射が起こると、血圧が低下して脈拍が減少し、脳への血流が乏しくなるので意識を失ってしまうんですよ。今度から横になって採血してもらって、しばらく安静にしてから起き上がってくださいね」



それからというもの、採血検査の際はベッドに横たわり、厳重警戒体制で採血してもらっています。

しかし、上の子を妊娠中に採血検査した時は倒れなかったんです。
私の迷走神経は母になって強くなったんかなと思って、産後、試しに献血をしたら死にかけました

看護師さんたちには多大なご迷惑をおかけしてしまいました。その節は、大変申し訳ありませんでした。
もう2度と献血はいたしません…。



ちなみに妊娠中は普段の身体とは違うので、迷走神経が暴走せんかったらしいです。


自衛隊教育隊のころ

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