現代貨幣理論/アメリカ帝国主義の必然と金本位制の崩壊

現代貨幣理論では、小国ははじめ固定相場制(ドル本位制!)にはじまり、やがて変動相場制=主権貨幣(Sovereign Money)に移行し、自立するというストーリーが描かれるが、これはアメリカ帝国主義だろう。

しかし、これの対抗軸としての金本位制は、ブレトン・ウッズ体制=冷戦の崩壊からすでにして潰えている。これはまた、ファシズムやボルシェビズムの失効でもあるだろう。それこそが、ポスト・モダンだったろう。

むろん、現代貨幣理論は、市民社会の復古としてのJGPを提唱し、この必然に抗っていはいる。しかし、その不可能性こそが金本位制の崩壊であり、商品貨幣論の超克として現代貨幣理論がある以上、それはみずからの体系から否定されざるをえない。このような反動を克服することが、現代貨幣理論の可能性を十全に開花させるだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?