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戦略を立てることは空想すること。

戦略づくりというと、堅苦しい印象を持たれる。

たとえば「戦略を書いたものがあれば見せて」と言うと、戦略なんて書いてないだとか、あんなカタいもの作ったって何の役にも立たないだとか、どうせすぐ書き換わるじゃないか。等々と言われる。

想像ではなく実際に言われたことがあるし、過去に自分がそう言ったこともあるかもしれない。

そりゃあ大企業で戦略を描いてみせるのは大変だしカタいし難しいかもしれない。何十ページもある資料を作って、何度も何度もプレゼンの練習をして、偉い人達の前で発表するような絵が浮かべば、誰でもやりたくない。

でも実際のところは、戦略を立てるのはその絵よりもっと楽しい行為だと、よく戦略立てを行う身としては思う。

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成功した姿を空想してみる

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戦略を立てることを自分なりにひとつの言葉で表すなら、自分的にはこれ。「成功した姿を空想すること」。

大きな課題をどんどんクリアし、戦略目標を達成し続ける。そうして早く大きく成長していく姿。

もちろんそんなトントン拍子にいくことは絶対にない。次々にハードシングスが訪れて、どうしても沈み込んでしまったり危機に陥るタイミングが来る。

でも、だからこそ、そのギャップの大きさの分、空想は楽しい。自分の中に、チームの中に、これだけ大きな成功をできる可能性が眠っているんだと思える。

それは高い目標を掲げるやる気や熱意やモチベーションに繋がる。

熱意はその語り口からチームへ伝わり、チームは大きなミッションと温もりを持って動くことができる。

現時点ではたとえ空想でも、虚言でも、大法螺でも、それを追い求め、手に入れたなら、それは空想ではなくなる。

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戦略を描くのにデメリットはない

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戦略立ては、楽しいだけでなくもちろん役にも立つ。

貪欲さを欠いていた自分やチームを見直し大きな目標を掲げることも出来るし、今やるべきでないことに集中し過ぎていないか考えを巡らせることも出来る。市況を把握する機会になるし、気付いていなかった競合を知ることも出来る。

そして何より大きいのは、「話せるようになる」こと。

メンバーに鋭い質問をされた時。何故この仕事が必要なのかメンバーに訊かれた時。投資家に成長性や採用計画への不安を指摘された時。そんな時、素早くきちんと答え、議論できるようになる(全てではないけど)。

先に考えておいたことを後で取り出すだけだから、言葉がスルスル出てくるわけです。

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考え抜いておく。考え抜き続ける。

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事業を作っては壊し作っては壊しと繰り返す中で学んだことのひとつは、考えているだけではダメだが、行動しているだけでもダメということです。

身につけるべき優先順位は行動力・遂行力>思考力・計画力だと思うのですが、本気で事業やブランド・会社をやる上では、どちらにせよどちらかだけではダメでした。

創発的な進行でとにかく行動したプロジェクトも、計画と効率に偏重してしまったプロジェクトも、学びの量や成否に大差はなく、かつ失敗しやすかったのです。

重要なのは、学習に貪欲であることです。ユーザーの前でも、プロダクトの前でも、デスクの前でも、日常においても。

行った施策や行動の結果からの漸進的な学習。ユーザーの行動からの共感的学習。制作や開発する中での垂直的学習。趣味や日常生活の中での水平的学習。そして戦略立てやその更新という反復・内省的学習。

さらに欲を言えば、学習した内容からさらに空想すること。これこそが、真に戦略を行うことだと思うのです。

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