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「音楽に乗せて気持ちよく喋ろうぜっていうことなんじゃないかな」 (瀬戸弘司×みの 対談 前編)

こんにちは!UUUM noteです。個人が好きなことに取り組んで、発信し、インフルエンサーとなっていく今の時代。その中でも「好きをつきつめ派」代表格とも言えるふたりのクリエイター、瀬戸弘司さんみのさん の対談をお届けします!

音楽に取り組み、それぞれ独自のポジションを確立しているふたりに、音楽への向き合い方や、YouTuberとして考えていることなどなど、盛りだくさんで語ってもらいました!

まずは瀬戸さんとみのさんの基本情報から。

瀬戸さんみのさん_2

瀬戸 弘司   (写真左)   YouTubeチャンネル瀬戸弘司 / Koji Seto
動画制作に関するクオリティにこだわる職人気質YouTuber。東工大を中退後、29歳まで劇団員として活動を行う。映像について学びたいと思ったのがきっかけでYouTube投稿を2010年4月に開始。今では編集が上手なYouTuberと言えば瀬戸弘司と言われるほど、クオリティの高い動画を作り続けている。また、アニメーションを0から学んだり、現在では音楽制作も行うなど、活動は多岐にわたる。YouTubeでは、ガジェット紹介、コメディ、ダンス、寸劇、ゲーム実況などを行っている。
みの  (写真右)     YouTubeチャンネルみのミュージック
ロックバンド “ミノタウロス” として活動するみのが、自身の敬愛するカルチャー紹介を軸としたオンリーワンなチャンネル。
音楽は勿論、ファッション/漫画など様々な分野をを独自の世界観で展開。ミュージシャンや他のクリエイターを招いた対談も積極的に行っている。 2021年2月よりApple Musicのラジオ番組「Tokyo Highway Radio」のDJを担当。2021年5月 書籍「戦いの音楽史」を上梓。

このふたりですから・・・UUUM社員の私たちにとってもいい意味で予想がつかない対談がスタートしました!

(みの)
まず・・・本当にすみません!!(到着が遅れてスライディング土下座で恐縮するみのさん)

(瀬戸)
いやいやーこの後に入れてた予定を先に済ませることができたんで、全然大丈夫!

・・・というアイスブレイクから、おもむろに本編へ!


完全に瀬戸さんがロールモデルです


─さてさて。お互いに対して持っているイメージから聞かせてください

(みの)
僕、ひとりでチャンネルやろうと思った時に、完全に瀬戸さんがロールモデルだったんですよ。「瀬戸さんをすげー研究しよう!」みたいな。

(瀬戸)
研究?!ってなにを研究するの!

(みの)
それまでやってたお酒飲んでワイワイっていうスタイルから、今みたいなひとつのことを掘り下げて話すスタイルまではかなり距離があったので。だからすっごく見たんです、瀬戸さんの動画。

(瀬戸)
へえー、今はもうできてるって感じるんでしょ?完璧にフォーマットできてるよね。

(みの)
一年半くらいかかって「でき始めてるかな」と思った感じです。撮り方もいろいろやってみて最近固まった感じで。

(瀬戸)
けっこう、カメラ位置やアングルを見ちゃうんだけど、横にカメラ置いて、前のデスクにMacがあって、カメラに身体向けて喋るっていう。あれ、すごいよくできてるなって。

みのさんの固定ポジションはこちら

スクリーンショット 2021-07-18 21.55.44

(瀬戸)
俺はリビングで撮ったり、自分の部屋で撮ったりいろいろあるから、カット割りとか手間がかかる。でも、画変わりがほしくなっちゃうんだよね。

瀬戸さんはいろんなところで撮るスタイル

瀬戸さんアングル

(みの)
僕、手を抜いているように映ってないか、ちょっと気になってるんです。

(瀬戸)
みののコンテンツの性質からいって、視聴者さんは画変わりを求めているわけではないだろうからいいと思うよ。長く活動していくとき、効率化も課題になるしね。「ちょっと頑張ろう」を入れるときつくなるんだよね。

ひとに頼むむずかしさと効能

(みの)
いやーでも瀬戸さん全部自分で編集というのはすごい。僕、編集は友だちに頼んでます。内容的に「ちょっと酷なことを要求しちゃってるな」と思うこともあるんですけど。専門的な話が多い動画だから、どうしてもテロップとか画像が間違っちゃったりとかあるんですよ。

(瀬戸)
うん、昨日見たみのの動画、漢字が間違ってるところあった(笑)最初は合ってたんだけど、途中で間違ったりとか。

(みの)
それ、3箇所くらい訂正したんですけど、まだ見落としがあったんですね。  ・・・と、そういうのがあるんです。

(瀬戸)
編集を頼んでるのは、最初から?

(みの)
最初はひとりでやる感覚をつかむにはフルコースやるのが必要だと思って自分で編集してました。しかも当初、こだわって毎日投稿をやってたんです。で、1ヶ月くらいやって「絶対無理だ」ってなって(笑)
でも、編集頼んでるのは、本当はちょっと気が引けて言いにくいです。

(瀬戸)
うーん、一部なのか全部なのかの違いはあると思うけど、けっこうみんな頼んでると思うよ。逆に、俺みたいにまったく頼まないのは少数派かも。

(みの)
瀬戸さんのこだわりだったら、もう自分でやらないと、かゆいところに手が届かないですよね。

(瀬戸)
そこはたぶんみんな同じなんじゃないかな。みのも「酷な要求しちゃってる」とか思うわけでしょ?
俺が踏み切れないのは、動画止まっちゃうからというのもあって(笑)。

視聴者のみなさんご存知のように瀬戸さんの動画公開頻度はとっても自由なペースです

(瀬戸)
同業の誰かに聞いたんだけど「ひとに頼んじゃうと動画止まれない。それが逆にメリットにもなる」って。頼んでる人への責任があるから「動画作んなきゃ」ってなって、楽しく続けられるんだって。

(みの)
それはちょっとありますね「止めたら迷惑かかっちゃうし」って意識。

(瀬戸)
いい流れができてるねー。

音楽紹介しながら全クリって新しいスタイルだよね

(瀬戸)
みのの最近のゲームミュージックの解説、これからの反響はまだわからないけど、俺はすごいいいなあって思ってて。
MOTHERの動画見たけど、新しいスタイルだよね。海外とかでゲームミュージックの一曲を解説してるのはよく見るの。でも、一本通して頭からこの曲いいよねとか言いながら全クリする動画は見たことなかった。

俺みたいに普通にゲーム実況やる人間からしたら、プレイしているところをもっと長く見せたくなる。でも、頭からこの曲いいよねとか言いながら全クリを13分で紹介する動画は新しいと思う。

(みの)
まだ自分としても新しい試みなんです。もうちょっと長く語ってもよかったかもしれないですよね(笑)

(瀬戸)
そこはこれから反響も見て、バランスとっていけば良いんじゃない?ゲームミュージックという切り口で、また間口が広がると思う。「このゲームだから来ました」みたいなコメントもあったよね。

(みの)
そういうコメント見るのも嬉しいですよね。


「俺に何ができるんだ」と内心はバクバクでした


(瀬戸)
Tokyo Highway Radio」が始まったとき、俺は「みのよくやった!」って思った。「これ聴いてください、次これかけるね」みたいなことって、やっぱりやりたかったことでしょ?

(みの)
まさにやりたかったことでした!本当にありがたいことに、今のチャンネル始めて、まだこれからどうなるんだろう?ぐらいの時期に声かけていただけて。もちろんすぐ決まりではなかったですけど、それがあったからすげー頑張れたと思ってます。

(瀬戸)
この流れで聞きたいんだけど、「みのミュージック」を始めたときって、もともとやりたいなと思ってた音楽のことをやろうって思った感じだった?

(みの)
それが全然思ってなかったんですよ。グループ時代はエンタメ系の動画と楽曲発表の両輪でいいやみたいに思ってたんですけど、いざひとりのチャンネルをやるとなって「俺、何ができるんだろう」って焦りました。

(瀬戸)
そうだったんだ?!「俺は音楽でやっていけるから」みたいな感じだと思ってたけど違ったんだね。

(みの)
いやーそういうカッコつけたツラしてる瞬間も、もしかしたらあったかもしれないですけど、内心はバクバクで。やっぱり始めから再生数が高いわけもないので、それまでに見慣れていた数字と比べると、毎日の数字がもうプライド的にキツすぎて(笑)。

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(瀬戸)
そんなにキツい状況なのに、毎日投稿してたのもすごいね。

(みの)
もうやるしかないみたいな。背水の陣って感じでしたね。

(瀬戸)
キツくてもダメになっていかずに動画やり続けたのは、新しい自分のスタイルに身体が入れ替わるために必要な期間だったのかもしれないよね。
「俺に何ができるんだ」ってやり始めたことが、今、グループ時代とはまったく違う存在になった印象あるし、ブレイクしたと言っていいと思うんだけど、それってどう受け止めてる?狙ったわけじゃないってことでしょ?

(みの)
はい、狙ったわけじゃないです。全然こうなるって思ってなかったですし。
例えば「この数字を達成したらちょっと景色が変わるのかな?でもムリだろうな」と思ってたようなことが、けっこう実現してきてて。
ありがたいことにすごく褒めてくれる方もいるんですけど、僕としては小さい山を見つけて登ったくらいの感覚というか。

(瀬戸)
たぶん周りからの見られ方は全然そうじゃないと思うよ。これから、その周りとのギャップに苦労するのかもね(笑)


先生と呼ばれて「なんだこの状況ww」

(みの)
ラジオ番組にゲストで呼んでもらったときに「先生」みたいに呼ばれて「なんだこの状況ww」って。

(瀬戸)
俺だって、今日サインもらおうと思って本持ってきちゃったもんね(笑) でもすごいことじゃん。音楽評論家みたいに見られるのってどうなの?

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(みの)
シュールだなと思う感じで「あ、面白っ」みたいな。当たり前と思うようになっちゃったらそれはそれで怖いですし、まだ全然わからないですけど。
いまのところ、そこは新鮮に楽しめてるっていうか不思議な感覚です

(瀬戸)
みのがやっていることを、ちゃんと見てくれている人のボリュームが広がっているっていうのは感じる?

(みの)
ありますね!それこそ桑田さんが見てくれてるっていうのを聞いたときは一番ひっくり返るくらい嬉しかった。長い暗いトンネルを抜けた気がしましたね。

(瀬戸)
すごいダイナミックに人生が動いてるよね。不思議だよね。


紹介したいこともラップでいっぱい言える

─瀬戸さんの中での音楽の位置づけというか、向き合い方みたいなことも聞きたいんです

(瀬戸)
僕、音楽にはぜんぜん詳しいわけじゃないんですよね。ただ、YouTubeをやってきた中で「ミュージックビデオが一番強い」っていう勝手な思い込みがあって。あんなに短い時間でめっちゃめちゃ再生される動画ジャンル、他にはないから。

(みの)
それはYouTubeやってたらどっかのタイミングで思いますよね。「ミュージックビデオ最強説」みたいな。

(瀬戸)
そう、ミュージックビデオ最強って考えがいまだに俺の中にあって。だから、ずっと「やらなきゃいけない」と思ってた感じかな。
最初は、まったく音楽なんて作ったことないから、動画編集用にオーディオのループ素材がいっぱいあるじゃん?あれを並べて、それに合わせて作るっていうのを始めて。当時「リズム動画」って自分で言ってたんだけど。

(みの)
あの薬用酒のタイアップ動画がその頃ってことですか?

リズムもそうですが、カット割りやお茶目な瀬戸さんにワクワクする、もはや伝説級の商品紹介ラップです

(瀬戸)
うん、あれ、後ろで流れているのってリズムなんだよね。パーカッションっていうか。ギターとかベースとかのメロディも色々あるんだけど、メロディを適当にならべるとぶつかるじゃん?だから最初パーカッションとかポコポコたいことかを置いて、その上でとにかく歌った。
それに、タイアップだと紹介したいこともいっぱいあるから、ラップでたくさん言っちゃえみたいな(笑)


YouTuberと喋りとラップ

(みの)
ミツアキTVもそういう必然性があって、そっちの方向にいったんですか?

(瀬戸)
そうそう。今ヒップホップとかすごい流行ってるけど、ラップって音楽の知識があまりない人もすごく入りやすいと思うのね。喋ることの延長だと思ってて。
いきなり歌えって言われたら「音程ずれたらどうしよう」とかなるじゃない?でも、YouTubeやってる人なら、カメラの前で喋るのもひとりで喋るのも慣れてるから、カメラの前で喋って、それにメトロノームとかついてたらラップになる。
 
(みの)
そこがYouTuberとラップのある種の親和性なんですかね。

(瀬戸)
うん、YouTuberにとってはハードル低いと思うよ。ラップやってる人には怒られちゃうかもしれないけど。でも、その入口が低いってところがすごい良いところだと思ってて。
演劇にもいるんだけど、特別な教育を受けてなくても、いきなり舞台で神がかり的な芝居をするっていう人。そういう意味ではちょっと似てるのかもしれない。

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(みの)
「話す」というのは、どの人間もやるわけじゃないですか。歌うとか楽器を弾くとかはそういう訓練をしてる人たちだけど。そういう日常生活の中にある行為の延長にある表現だからこそ、たまに最初からダイヤモンドみたいな人がいるっていうのはありますね。

(瀬戸)
もとから何か持ってるような人にとっては、生活が訓練になっちゃってるところがあるのかもね。リズム感やべーみたいな。

(みの)
YouTuberって、これだけ日常的に喋っているから、気持ちよい話し方みたいなのはそれぞれ研究してると思うんですよ。ここで畳み掛けようとか、ここでちょっと間をおいてみようとか。それって、もうラップのフローみたいな感じですもんね。

(瀬戸)
誰かに。「この人、最近勢いあるよー」とか教えてもらって、初めて見るYouTuberとかいるじゃん。そういうときハッとするのは、見た目以上に喋り方だよね。喋りのリズム。こういう喋り方する人なんだーみたいな。

たとえば、Kazuさんの場合、もう喋りがKazuさんじゃん。Kazuさんでしかないじゃん。

(みの)
完全にそうですよね!

(瀬戸)
言葉のリズムとか音程とかってすごい強烈な印象ってことだよね。
最初はカメラの前に立っても何も喋れなかったのが段々喋れるようになってきて、からの、その延長に「YouTuberがやるラップ」があるような気がしてるんだよね。「喋れる」の次に「ラップ」がある。

(みの)
なるほど。試したくなっちゃうんですね、これだけ毎日喋ってると。

(瀬戸)
そうそうそう、これ音楽に乗せたらどうなるの?くらいの感じなんだよ。そしたら意外と普通に動画で喋ってるよりも気持ちよくて。例えばここでビートが流れてたら、多分もっと気持ちいいはずなんだよ。それだけだよ。気持ちよく喋ろうぜ、っていうくらいのことなんじゃないかな。

・・・と盛り上がっているところなのにすみません!ここからは後編に続く!です。来週の後編をお楽しみにー!!

▽(7月30日追記)後編はこちら!


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