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:0179 レイニ・ブック・マーカ 感想 #文学フリマで買った本

子どもの成長録

おそらく表紙にいる傘とレインコートとレインブーツの子どもとのやりとりがこの詩集になったのだろう。子どもを欲しくなる。子どもがいる方の詩歌ってとても面白い。子どもの新鮮な視線+親の蓄えてきた語彙があるからだと思う。

『雨の記憶』

「あめざあざあじゅうご」という言葉。雨ざあざあ中の後でもあるし、雨ざあざあの十五歳でもある。「傷跡」と「疵跡」はどう違うのか。傷跡は怪我で負ったもので、疵跡は欠点の跡。欠点は「僕」にとっての寂しさで、傷ではなく疵なのは寂しいきもちに軸足が移ったからではないか。

『式』

ローカルな「入園式」から国家的なプロジェクトを感じる「いつか星に移る式」まで繋がっていく。どの星か断言していないから、月かもしれないし火星かもしれない。「パパ」も「ママ」もとっくに生きていない時代でも、ずっと「きみ」を見守る気概がある。親は次世代への責任をこんなにも感じることができるのか。

詩を読むとこれからの人生が楽しみになるなぁ!

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